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スズキ・アヴェニス125…….284,900円(消費税を含む)
マットフィブロイングレーメタリック/ラッシュグリーンメタリック
外観のみならず、乗り味もアヴェニス専用に仕立てられている。
初代アヴェニスは同150と共に1998年12月にデビュー。ネーミングの由来は。都市部の通りを示す「AVENUE」(南北路)と「STREET」(東西路)を組みあわせた造語。市街地を自在に移動できるパーソナルコミューターとして命名されたそう。
ひとクラス上の質感と走行性能を目指して開発され、前後12インチホイールを採用。ショートストロークタイプの水冷OHC4バルブ高出力エンジンを搭載していた。
フロアボードはセンターフレームが通る関係で、ステップは左右にセパレートされたタイプ。低い位置にセットされたミニバイザーや各部の贅沢な装備も相まって、上質でスポーティな仕上がりを誇っていた。
一方今回の新型アヴェニス125は、「キビキビ」と走る軽快なスポーティスクーターというコンセプトを掲げて開発。ベースとなったアドレス125と同様にステップスルーのフラットなフロアボードを備えている。しかし一見してテイストの異なるスタイリングは若々しく鋭さを醸しているのが印象深い。デザインコンセプトは“Spirited Chic ”。空気を切り裂くような軽快かつシャープなフォルムを、ヒップアップでニッシュするウェッジシェイプなサイドラインで表現されたわけだ。
大径スチールパイプ製のフレームも基本の骨格部分は共通だが、アンダーボーン末端部分から立ち上がる2本のシートレールに違いがある。 立ち上がったあと、後方へストレートに伸びるアドレス125に対して、アヴェニス125のそれは、傾斜を付けて後方へ上昇する。シートレール末端の左右を連結補強するスチールプレートも嵩上げされてフィニッシュ。ダブルーシートも前後で少し段差のついたクッションを採用し、鋭くスポーティなスタイリングを構築しているのである。
細部に着目すると、シートにはオシャレな赤いステッチがあしらわれ、アルミ製のグラブバーもセパレート式のオリジナルデザインが奢られている。そこに挟まれたフィラーキャップもヒンジ付きとなって、給油時の操作性が良い。レッグシールド内側のフロントインナーラックは右側に設備され、左側には蓋付きのフロントボックスを装備。中には5V2AのUSB電源ソケットもある。
左ブレーキレバーには、サイドブレーキとして使えるリヤブレーキロックシステムを標準装備。そしてメーターパネルにはフル液晶ディスプレイが搭載された。
アドレスより本体価格で10,000円高い設定ながら、トータルで割安感のある仕上がりが印象深い。初代モデルと比較するとなんと125,000円も廉価、実にありがたいバーゲンプライスに感じられる。
ちなみに初代アヴェニスと比較すると、車体サイズは全長で95mm、ホイールベースは85mmもコンパクト。逆に全高は95mm、シート高は20mm高い。また車両重量は12kg減の107kgになり、取り回しも親しみやすい。初代モデルは軽二輪の150も投入された関係で原二サイズとしては、車体が少し大きめだったが、今回の新型では125ccクラスとして標準的なサイズ感を取り戻している。
前述の通り基本骨格はアドレスと共通。タイヤやホイールベース、フロントのキャスタートレールや舵取り角も全く同じ。見つけられた違いは、リヤショックが若干異なっているのと、前後連動ブレーキの作動系統が別仕立てになっていたことぐらい。
そして搭載エンジンもハード的には全く共通なので、詳細については、アドレス125の記事を参照頂きたい。唯一手が加えられたのはECUの制御ソフトをアヴェニス専用にチューニングし直したそう。
簡単に言うと、ライダーが右手で操作するスロットルの開け加減に対して燃料を供給する噴射コントロールに、若干の違いを作り出しているのだ。
結果的に両者の動力性能に大差はないものの、アドレスよりはキビキビ感のあるスロットルレスポンスを発揮し、コンセプト通りのスポーティースクーターに仕上げられたと言う。
操縦性も含めて、果たして両車の間にどのような違いが産み出されているのか、比較試乗が楽しみな存在であることは間違いない。
余談ながら、本国インド市場では、アドレス(アクセス)125も含めて、TURN-BY-TURNナビゲーションが使えるブルートゥース対応の最新鋭メーターを装備した上級グレードもリリースされている。スマホと連携することで、メーターディスプレイに右左折を指示してくれるアイコンが表示される便利機能。やがては国内市場にも投入されてくることに期待したい。
足付き性チェック(身長168cm / 体重52kg)
シート高は780mm。アドレス125より10mm高いが、フロアボード左右が抉られたデザインもあって、ご覧の通り足つき性は良い。