ちっちゃくっても見た目だけは元気はつらつ
キッズたちがクローズドコースでエンジョイするために、1982年にホンダから発売されたQR 。初めてでも操作ができるようクラッチはレバーのない遠心分離、ミッションは1速固定ではあるが、49ccの空冷 2ストエンジンは2.7ps。車両重量は35kgと軽量でキッズなら十分なスペックだ。そう、キッズなら。というのもQRは体重制限が kgまでと設定されていて、大人が乗ることは想定されていないのだが、この「こどものおもちゃ」を子供から奪い取り、大人でも楽しめ、なおかつ公道でも乗れるようにカスタマイズしたのがコイツなのだ。
エンジンはメトラ製のキットにより70ccにボア アップ済み。ステンレス製のチャンバーはワンオフで製作した。
ベースマシンはコレ!
1984年【HONDA】QR50
シートはカラーに合わせブラウンのアルカンターラで張り替 えられている。
サイドカウルは裏側にまでイラストが描かれたラッピングが施されている。ウインカー、テールランプは超小型の LED。
スピードメーターはエースウェル製。速度はマグネット式のデジタル表示。走行時間や平気速度も表示。
ホイールは DJ・1 用を流用して8インチ化。タイヤはモンキー用の3.50-8。掛けたのはモトコンポのカスタム、パーツ開発でもお馴染みのサブアーム。ラーメン屋の裏に捨てられていたのを不憫に思い、譲り受けたのだとか。実はこのQR 、エンジンはモトコンポと同じ。
公道を走らせるために問題になるのは電装系。QR は競技用車両なので発電コイルはなく、ヘッドライトもウインカーもない。CDIはモトコンポ用を移植。ハーネスはワンオフで製作して対応した。エンジンは70ccにボアアップ、ワンオフのス テンレスマフラーを装着して、大人が乗ってもまぁまぁそこそこに走るくらいのパワーを手に入れた。「ハミング系」エンジンのチューニング はお手の物だ。フレームはパウダーコートで再塗装してNASCAR仕 様のフルラッピング。見た目だけならものすごく速そうだ。
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