カワサキから復活の4気筒400ccモデル、Ninja ZX-4R。ラムエアシステムにより80psを発揮! |価格は$9,699→約127万円

エンジンフレームともに新設計となる400ccのフルカウルスーパースポーツモデルNinja ZX-4Rを発売。2月より北米をはじめとする導入国で順次発売。日本での発売は今秋を予定する

2019年に「Ninja ZX-25R」が発表された直後から、その登場が噂されていた400ccの4気筒モデルがついに発売となった。2月2日に正式発表された「Ninja ZX-4R」は、400ccクラスでは唯一となる並列4気筒エンジンを搭載するモデルで、2022年にホンダCB400SFが生産終了して以来、カワサキとしては2008年に生産を終了したZRX400、ゼファー400χ以来という、実に15年ぶりの400ccインライン4の登場ということになる。

前後にショーワ製サスペンションを採用したハイパフォーマンスグレードのNinja ZX-4RR

モデルバリエーションは標準となる「Ninja ZX-4R」に加え、ファクトリーレーシングチーム「Kawasaki Racing Team」にインスパイアされたオリジナルカラー&グラフィックとデュアルディレクションKQSやスモークウインドシールド、USB電源ソケットなど装備を充実させた「Ninja ZX-4R SE」、ファクトリーレーシングチームにインスパイアされたカラーリングとRRネーミング入りグラフィックに加え、リヤサスペンションにはショーワ製BFRC-liteを採用してよりスポーティなライディングを堪能できる。

「Ninja ZX-4R」はエクステリアデザインこそ前モデルの「Ninja400」シリーズを踏襲するものの、フレーム、エンジンともに新設計となる。スーパースポーツのNinja ZXシリーズの技術により開発されたエンジンは、新開発の399cc水冷並列4気筒DOHCで最高出力57kW(77PS)、ラムエア加圧時には59kW(80PS)を発揮する。充填効率を高めるラムエアシステムの吸気口はアッパーカウルの中央部に配置し、ラムエアダクトはフロントフォークの左側を通ってエアボックスに向かっている。ハイパフォーマンスとともにNinjaシリーズらしい顔つきを作り出している。エグゾーストシステムは少し長めのサイレンサーを備え、15,000回転を超える高回転型のエンジンからクリアでレーシーなエグゾーストノートを奏でる。6速のトランスミッションには双方向のクイックシフター(デュアルディレクションKQS/ZX-4R SE、ZX-4RRに標準装備)を備え、クラッチレスのシフトアップ、ダウンを可能とする。また、スリッパークラッチとクラッチアシストを装備しているため、急激なシフトダウンによる過剰なエンジンブレーキが発生した際のバックトルクを低減して、リヤタイヤのホッピングや横滑りを防止する。

アッパーカウルの中央部にあるラムエアダクトがNinjaシリーズらしい顔つきになっている

シャシーはスーパーバイク選手権に参戦する「Ninja ZX-10RR」譲りの高張力鋼製トレリスフレーム&湾曲形状のロングスイングアームを採用し、優れた剛性と柔軟性を実現。適正な前後重量配分によって優れたハンドリングと接地感を生み出している。サスペンションはフロントにショーワ製SFF-BPを装備(ZX-4R SE、ZX-4RRにはプリロード調整機能搭載)し、リヤにはZX-10Rと同様のホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションを採用。ZX-4RRにはショーワ製BFRC-liteを採用している。ブレーキはフロントがラジアルマウントモノブロックキャリパーとφ290mmセミフローティングディスク、リヤはφ220mmディスクを採用する。ZX-4RRはNissinの最もコンパクトなABSユニットを備えている。

電子制御によるインテグレーテッドライディングモードは、フルパワーまたはローパワーを選択することでライディングの好みや状況に合わせてパワーデリバリーの設定が可能。Kawasaki Traction Control(KTRC)とパワーモードをリンクさせ、スポーツ、ロード、レイン、ライダー(マニュアル)の4種類からモードを選択でき、街乗りからワインディング、クルージングなど幅広いシチュエーションで安定した走りを提供してくれる。インストゥルメンタルは4.3インチのTFTカラー液晶を採用。ラップタイムやギアポジション、10000rpmから上の回転数を見やすく表示するサーキットモードも搭載。専用アプリ「RIDEOLOGY THE APP」によりスマートフォンに接続可能で、GPS経路情報や車両走行情報の記録など、多彩な機能を利用可能となっている。

フルカラーTFT液晶のインストゥルメンタルパネルを採用。多彩なライディングモードを選択可能

2023年2月以降、北米やヨーロッパなどの同入国で順次発売が予定されている。日本国内への導入は2023年秋以降を予定。価格は北米仕様のNinja ZX-4RRが$9,699となっている。2月8日現在の為替レートで約126万8000円だ。

主要諸元(Ninja ZX-4RR)

ホイールベース(mm):1379
シート高(mm):800
キャスター:23.5度
トレール:96.5mm
エンジン形式:4ストローク水冷直列4気筒OHC16バルブ
総排気量:399cc
ボア×ストローク(mm):57.0×39.1
圧縮比:12.3:1
フュエルシステム:DFI w/34mmスロットルバルブ×4
最高出力:57kW(77ps)/回転数未発表、ラムエア加圧時59kW(80ps)
最大トルク:35.8Nm(3.66kg-m)/11000rpm
タイヤサイズ:(F)120/70ZR17、(R)160/60ZR17

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