第1位「一時不停止」(113万6083件)
警察庁は、2026年2月に「令和7年(2025年)中の交通違反の取り締まり状況」に関するデータを発表した。それによると、2輪車、4輪車を問わず、2025年の1年間における道路交通法違反の取締り件数は全体で493万2459件。前年比で21万594件の減少だが、それでも1日で約1万3500件以上の交通取締りが行われたことになる。
そして、なかでも、検挙数が113万6083件(全体の23%)で最多だった違反が「一時不停止」だ。

これは、信号のない交差点に設置された「止まれ」の標識や停止線、踏切の手前など、法律で一時停止が義務づけられている場所で停止しなかった場合の違反行為である。とくに、停止位置となる停止線の直前で止まらず、そのまま越えてしまうことで違反となるケースも多い。
また、バイクの場合で気をつけたいのが、足をしっかりと地面に着けて完全に停止しないと、違反とみなされる場合があることだ。停止線の手前で足をちょんちょんと着きながら進むケースや、バランスを取って足を着かずに停止するようなケースも見られるが、これらはいずれも違反と判断される可能性がある。

なお、もし一時停止違反で捕まると、バイクの場合は以下の罰則を科せられる。
【指定場所一時不停止等違反の罰則(バイクの場合)】
反則点数:2点
反則金:二輪車6000円、原付5000円
【踏切不停止等違反(バイクの場合)】
反則点数:2点
反則金:二輪車7000円、原付6000円
第2位「最高速度違反(スピード違反)」(86万5691件)
2025年(令和7年)中の交通取締り件数のワースト2位は、検挙数86万5691件(全体の17.6%)の「最高速度違反」、いわゆるスピード違反だ。
基本的に、公道における最高速度は、一般道路の場合60km/h(原付は30km/h)、高速道路は100km/hなのはご存じの通り。ただし、一般道では、国道などの幹線道路を除けば50km/h以下に制限されていることも多いので注意したい。また、高速道路でも、一部で120km/hの区間がある一方、80km/hや70km/hなど、100km/h以下に制限されている場所もあるため、こちらも十分に気をつけたい。

ちなみに、警察庁のデータでは、超過した速度別の検挙件数も以下のように公表している。
【超過速度別の検挙件数(2025年中)】
・50km/h以上:1万1618件
・30km/h以上50km/h未満:11万2156件
・25km/h以上30km/h未満:19万3728件
・20km/h以上25km/h未満:27万6101件
・15km/h以上20km/h未満:27万2049件
・15km/h未満:39件
上記を見ると15km/h以上20km/h未満、20km/h以上25km/h未満の速度超過がいずれも27万件を超えており、検挙されやすい傾向にあることが分かる。
また、30km/h以上の違反もかなり検挙されているが、一般道で30kmオーバー、高速道路で40kmオーバーで検挙されると「赤キップ」を切られ、刑事罰の対象だ。「免許停止」または「免許取り消し」となるのに加え、刑事処分(6ヵ月以下の懲役刑、または10万円以下の罰金刑)も科せられ、前科もつくので十分に注意しよう。

ちなみに、速度超過の罰則は以下の通りだ。
【速度超過の罰則(バイクの場合)】
・超過速度15km未満→反則金:二輪車7000円/原付6000円、反則点数1点
・超過速度15km以上20km未満→反則金:二輪車9000円/原付7000円、反則点数1点
・超過速度20km以上25km未満→反則金:二輪車1万2000円/原付1万円、反則点数2点
・超過速度25km以上30km未満→反則金:二輪車1万5000円/原付1万2000円、反則点数3点
・超過速度30km以上(一般道)→二輪車・原付共に赤キップ(刑事罰の対象)、反則点数12点
・超過速度30km以上35km未満(高速道路)→反則金2万円、反則点数3点(二輪車の場合)
・超過速度35km以上40km未満(高速道路)→反則金:3万円、反則点数:3点(二輪車の場合)
・超過速度40km以上(高速道路)→赤キップ(刑事罰の対象)、反則点数12点(二輪車の場合)
なお、1回の違反でも違反点数が6点以上になる場合は、即「免許停止(免許の効力停止)」、いわゆる「一発免停」だ。前歴のない人の場合で、過去3年間の累積違反点数が6〜8点で「30日免停」、9〜11点で「60日免停」、12~14点で「90日免停」、それ以上になると「免許の取り消し」処分となる(点数により取り消し年数は変わる)。いずれにしろ、重い処分が待っているし、重大な事故につながる行為なので、くれぐれも速度を出し過ぎないようにしたい。

●第3位「通行禁止違反」(50万5417件)
2025年中の交通取締り件数で第3位となったのは、「通行禁止違反」で、検挙数は50万5417件(全体の10.2%)。なかでも、バイクでとくに注意したいのが、「二輪車通行禁止区間」だ。

日本国内の道路には、クルマ(四輪車)は通行できても、バイク(二輪車)が通行できない区間はけっこうある。ツーリング先で二輪車の通行が規制された道路や橋、トンネルなどに遭遇し、遠回りしなければならなかったり、目的地にたどり着けなかったという経験を持つ人もいるだろう。
通常、通行できない区間の手前には「二輪車通行禁止」の標識があるが、うっかり見落としてしまったり、前のクルマについていって気づかずに侵入してしまい、取り締まりを受けてしまうケースも考えられる。
やっかいなのは、各区間で規制対象となるバイクの条件がさまざまなこと。原付のみ、125cc以下、250cc以下、すべての排気量のバイクなど、場所により規制される排気量などが異なるため、傾向がつかみづらく、うっかり間違って入りこむ危険性は高い。
とくに、都市部のオーバーパスやアンダーパス、観光スポットにある橋などには二輪車通行禁止の区間が多いので、これらを通る場合は十分に注意しよう。
なお、通行禁止違反で捕まると以下の罰則を科せられる。
【通行禁止違反の罰則(バイクの場合)】
反則点数:2点
反則金:二輪車6000円、原付5000円
第4位「信号無視」(38万4057件)
2025年中に交通取締り件数の多かった違反の第4位は、38万4057件(全体の7.8%)で「信号無視違反」。ご存じの通り、信号機の色は、「青(進め)」「黄(注意)」「赤(止まれ)」。また、点滅の場合は「赤点滅=一時停止後に進む」、「黄点滅=注意して進む」という異なる意味になる。
この違反で最も典型的なのが、「赤」で停止線の手前で停まらず超えてしまうこと。一方、判断が分かれるのが、黄色の時だ。基本的に、黄色では次に変わる赤に備え、注意しながら停まる行動を取り始めるのが正解。ただし、「急ブレーキでないと止まれないとき」「停止すると後ろから追突されそうなとき」には、黄色でも交差点を通過していいことになっている。

信号機が黄色のときは、こうしたグレー領域があるため、なかには、黄色になると加速するドライバーやライダーもいるが、危険な行為なので絶対にやめるべきだ。とくに、交差点内は事故が多発することが多いエリア。何が起こるかわからない。いつでも止まれるよう、つねに余裕を持った運転を心がけよう。

【信号無視違反の罰則(バイクの場合)】
反則点数:2点
反則金:(赤色等)二輪車7000円、原付6000円/(点滅)二輪車6000円、原付5000円
第5位「歩行者妨害」(30万1152件)
2025年中の交通取締り件数ワースト5位は、30万1152件(全体の6.1%)だった「歩行者妨害」だ。
この違反の正式名称は「横断歩行者等妨害等違反」。たとえば、信号機のない横断歩道で、渡ろうとしている歩行者がいるにもかかわらず徐行または一時停止せず、通行を妨げる交通違反のことをいう。
ご存じの通り、横断歩道は、歩行者が最優先だ。歩行者が横断歩道を歩いているときはもちろん、渡ろうとしているときにバイクで横切ると、歩行者妨害の違反に該当する。歩行者までの距離が遠いときはつい横切ってしまいがちだが、横断歩道の手前で停止するか、速度を落として徐行することで、歩行者が通り過ぎるまで待つ必要がある。
また、横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかのクルマを追い越したり、追い抜いたりすることも違反となる。横断歩道で歩行者が犠牲となる交通事故が後を絶たない状況もあるため、くれぐれも注意したいものだ。
なお、歩行者妨害で検挙されると、以下の罰則を科せられる。
【横断歩行者等妨害等違反の罰則(バイクの場合)】
反則点数:2点
反則金:二輪車7000円、原付6000円

警察庁のデータでは、このほかにも「携帯電話使用等」(18万1799件)、「追越し・通行区分違反」(13万4026件)など、多くの違反が検挙されている。いずれも重大事故につながるリスクが高い行為だ。検挙の有無にかかわらず、日頃からルールを意識し、安全運転を徹底することが重要といえるだろう。

