目次
「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」と「Ninja ZX-4R SE」との違いは?
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」は「RR」ネーミング入りグラフィックに加えたスポーティなバージョン
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はカワサキスポーツモデルの象徴であるスポーティなライムグリーン×エボニー。「Ninja ZX-4R SE」はブルーとブラックの2色あり
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はNinja ZX-10Rと同タイプのフルアジャスタブル SHOWA BFRC-lite リヤサスペンションを採用
・「Ninja ZX-4R SE」はスモークウインドシールド、USB電源ソケット、フレームスライダーを標準装備(Ninja ZX-4RR KRT EDITIONはオプションアクセサリー設定)
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はクリアウインドシールド、「Ninja ZX-4R SE」はスモークウインドシールドを標準装備
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」の車体重量は「Ninja ZX-4R SE」よりも1kg軽量(189kg)
400ccクラス史上最大の80馬力(ラムエア加圧時)を発揮!新開発の水冷4スト並列4気筒DOHC 4バルブ399ccエンジン
水冷4ストローク並列4気筒DOHC 4バルブ399ccエンジンは、400ccクラス量産車初となる57kW(77PS)、ラムエア加圧時には59kW(80PS)のパフォーマンスを発揮。Ninja ZXシリーズからのフィードバックを受けて開発された新設計のエンジンは、クイックでダイレクトなスロットルレスポンスを提供。
さらに街乗りで扱いやすい豊かな低中回転域のトルクと、スポーツライディングやサーキット走行をよりエキサイティングなものにする高回転域の鋭いパワーを両立させた、フレキシブルなエンジン特性も実現。
ライダーはスロットルを開けるたびに、伸びのある加速感に加え、カワサキの並列4気筒エンジン独自のインテーク&エキゾーストサウンドを堪能することができる。
新設計のエンジンはココがポイント!
・レーシーなボア径Φ57.0mm×ストローク長39.1mmの超ショートストローク型を採用。399ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジンは、空前のパワーと強力なトルク、リニアな出力特性を発揮。街乗りでの扱いやすさを確保しつつ、高いレブリミット領域のパフォーマンスも獲得。エンジンは回転数10,000~15,000rpmの範囲で特にエキサイティングなフィーリングを発揮し、スポーツライディングの楽しさを向上させている。
・すべてのNinja ZXシリーズと同様、Ninja ZX-4RはDOHC 4バルブの動弁機構を採用。小さくて複雑な部品群は、高性能を確保するために厳密な品質管理と組み立てチェックを実施。
・スロットル径Φ34mmの電子制御スロットルバルブを採用。インジェクターとスロットルバルブをECUでコントロールすることで、常に最適な混合気をエンジンに供給し、スムーズで自然なエンジンレスポンスを提供。また、トラクションコントロール、パワーモード、クイックシフターなど、ライダーがマシンとの一体感をより感じることができるサポートシステムを導入。
・吸気ポート内部は、微細な砂を用いた砂型鋳造を採用し、滑らかな仕上がりを実現。Ninja ZX-10Rと同様、吸気ポート末端を2段階に加工し、混合気の流れを直線化。このストレートかつワイドなポート設計が空気量を増量し、流れもスムーズにすることで、エンジンパフォーマンスを向上。また、吸気ポートと排気ポートはともにポリッシュ仕上げとし、さらなるエンジン出力の向上を実現。
・軽量な鍛造カムシャフトが、高回転域のパフォーマンスに貢献。
・Φ22.1mmの大径吸気バルブとΦ19.0mmの排気バルブを組み合わせ、最適な吸排気効率を追求。高回転域での高いパフォーマンスを実現している。また、三段レートのバルブスプリングを採用し、高いレブリミットの実現に貢献。
・挟角24.8°のバルブ挟み角を採用することで、燃焼効率の向上とコンパクトなエンジン設計に貢献。
・燃焼室は寸法誤差の少ない精密加工を実施し、Ninja ZX-4Rの高性能に貢献。この加工手法は、カワサキの高性能プレミアムモデルのみに採用。
・軽量なアルミ鋳造ピストンを採用し、往復運動部の重量を軽減。素早いエンジンレスポンスを実現した。ピストンクラウンは高圧縮設計で、12.3:1の圧縮比に設定。また、優れた性能を達成しながらもレギュラーガソリンの使用を可能としている。
・アルミダイキャストシリンダーはオープンデッキ設計により、優れた放熱性とエンジン重量の低減に貢献。 また、シリンダー内壁にはNinja ZX-10R&Ninja ZX-6Rと同様のメッキ処理を施し、フリクションの低減を実現。
・フリクションと振動を軽減するコネクティングロッドレシオを採用。
・コネクティングロッドには浸炭処理を施し、耐久性と軽量化を両立。
・軽量フライホイールを備えるクランクシャフトにより、慣性モーメントを低減。俊敏でダイレクトなエンジンレスポンスに寄与している。
・深型オイルパン設計の採用により、スポーツライディングにおける激しい挙動においてもオイルポンプがオイル油面から露出することを防止。オイルラインへのエア混入を防いでいる。
先進の冷却システムを導入
・シリンダーヘッド周りのウォータージャケットを、エンジン冷却効率向上のため入念にデザイン。高回転型エンジンにとって特に重要な冷却機能に配慮している。また、ロングリーチスパークプラグの採用により、ウォータージャケットをより効率的に配置することが可能となり、エンジンのノッキング防止効果をアップ。
・大型の30段ラジエータが効率的なエンジン冷却を実現。
・走行風をエンジン周辺に導入するサイドエアダクトをフェアリングに組み込むことで、放熱を促進し、エンジン性能低下を抑制。
・ラジエータファンカバー(特許出願中)などの革新的な技術が、エンジンの熱気からライダーを防護。これらはCFD解析技術を用いて設計され、ラジエータからの熱風はライダーに当たらないように、カウル側面に設けられたダクトから排出される。また、燃料タンクやフレームなど、ライダーが触れる部分の温度を下げ、快適性を向上。
センターラムエアシステム&ダウンドラフトインテークを採用
・Ninja ZXシリーズのトレードマークである、カウル中央に配置されたインテークは、吸気効率を向上させ、エンジン性能向上に貢献。Ninja H2と同様の、エアボックスに向かう途中でフロントフォークの左側を迂回するダクトレイアウトを採用。このレイアウトノウハウにより、フロントから走行風により加圧された空気を効率的に取り込むことができ、全回転域でのエンジン性能向上を実現した。
また、雨天走行時のエアクリーナーボックスへの水の侵入にも考慮。大型ラムエアダクトにはライダーから見える位置に「Ram Air」の刻印が施され、Ninja ZX-4Rのハイパフォーマンスイメージのアップに導いている。
・インテークファンネルを異なる長さとし、効率的な吸気の充填を実現。フラットなトルクとスムーズなパワーデリバリーを可能にしている。
・シリンダーへの吸気経路がより短くよりダイレクトな、ダウンドラフトタイプのインテークを採用。吸気の充填効率を高め、特に高回転域でのエンジン出力向上に貢献している。
エキゾーストシステムのパフォーマンスとサウンドは?
・エキゾーストパイプから集合部分にかけてのレイアウトは、Ninja ZX-6Rからのフィードバック。ジョイントパイプでヘッダーを連結し、強力なパワーに貢献するとともに、排ガス規制や騒音規制にも対応。
・トラディショナルなロングタイプのサイレンサーを採用し、カワサキの並列4気筒エンジンならではのクリアかつ迫力あるエキゾーストノートを実現。
・トリプルキャタライザーをエキゾーストパイプ集合部に搭載し、平成32年(令和2年)排出ガス規制をクリア。また、スリップオンマフラーの装着を容易にしている。
スーパースポーツの定番!6速トランスミッション/アシスト&スリッパークラッチ
・スムーズなシフト操作を実現する6速トランスミッションは、あらゆるライディングシーンに適応。特にスポーツライディングやサーキット走行におけるコーナーからの加速を重視している。
・採用されたアシスト&スリッパークラッチは、レースからフィードバックされたクラッチテクノロジー。アシストカムとスリッパーカムの2種類のカムを使用し、一般的なクラッチにはない下記の2つ(①と②)の機能を持つ。
①エンジンの駆動を後輪に伝える時は、アシストカムがセルフサーボ機構として機能し、クラッチプレートの圧着を高めるようにクラッチハブとオペレーティングプレートを一緒に動かす。これにより、クラッチスプリングの荷重を全体的に低減させることができ、より軽いクラッチレバー操作を実現。
②急激なシフトダウン(不慮のシフトダウンを含む)など、過度のエンジンブレーキが発生した場合は、スリッパーカムが働き、オペレーティングプレートが離れる方向にクラッチハブを動かす。これによりクラッチプレートの圧着が弱まり、バックトルクを低減することでリヤタイヤのホッピングやスリップを防ぐ。
KTRC(カワサキトラクションコントロール)
・3つのモードで幅広いライディング条件をカバーする最新の電子制御システム「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」を装備。滑りやすい路面など、様々な状況において安定した車体の挙動維持をサポートするとともに、スポーツライディングでのパフォーマンスを強化。
・システムは様々なパラメーターを監視し、リアルタイムで走行状態を分析。洗練されたソフトウェアは水平面に対してではなく、路面に対するシャーシの向きに基づいて動的解析を行うため、コーナーの傾き、勾配などを考慮し、適応が可能。
・モード1はシステムの介入がもっとも少なく、コーナーリング中のトラクションを制御。スポーツライディングを念頭に置いて設定されており、もっとも効率の良い状態で駆動力を伝えコーナーからの加速を増強。
・モード2は、より早いタイミングでシステムが介入。スポーツライディングとライダーサポートのバランスのとれたモードとなっている。
・モード3では、滑りやすい場所(踏切やマンホールカバーなど)や悪路(濡れた舗装路、石畳、砂利道など)などでも出力を制御するため、安心して走行することができる。
・フルパワーモードまたはローパワーモードの選択が可能で、ライダーの好みや条件に合わせた出力特性を設定することができる。並列4気筒エンジンが持つ本来のパフォーマンスが楽しめるフルパワーモードに対し、ローパワーモードではエンジン制御を優先。雨天や悪路において最適化されたパワーデリバリーとスロットルレスポンスを提供(エンジン回転数、スロットルポジション、ギヤポジションに応じて、出力とスロットルレスポンスの両方が引き下げられる)。
走行シーンに合わせて選べる「インテグレーテッドライディングモード」
スポーツ、ロード、レイン+マニュアルの各セッティングOK
・「インテグレーテッドライディングモード」はKTRC、パワーモードと連携する包括的なモードセレクト機能。トラクションコントロールと出力特性を、ライディング条件に合わせて簡単に設定することができる。
・3つのセッティング(スポーツ、ロード、レイン)に加え、マニュアルセッティング(ライダー)の選択OK。マニュアルセッティングのライダーモードでは、各システムを個別に設定することが可能。
→スポーツ:スポーツライディングに対応
→ロード:市街地、高速道路、郊外の荒れた道などさまざま路面状況に対応
→レイン:雨天時の走行に対応
Riding Mode | KTRC | Power Mode |
スポーツ | 1 | F |
ロード | 2 | F |
レイン | 3 | L |
マニュアル(ライダー) | 1/2/3/OFF | F/L |
クラッチ操作なしのシフトアップとシフトダウンが可能な「KQS(カワサキクイックシフター)」
・クラッチ操作なしのシフトアップとシフトダウンが可能なKQSは、スムーズな加速とクイックでイージーな減速を実現し、Ninja ZX-4Rの爽快なエンジン特性をより楽しむことができる。
・加速時は、シフトペダルの操作を検知すると点火/燃料カットの信号をECUに送信、クラッチ操作なしに次のギヤへシフトアップが可能となる。
・減速時は、シフトペダルの操作を検知するとエンジン回転制御の信号をECUに送信し、クラッチ操作なしに次のギヤへシフトダウンが可能となる。
・エンジン回転数2,500rpm以下ではKQS機能はキャンセルされる。また非接触式センサーを使用することで、システムの信頼性をアップ。
「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」「Ninja ZX-4R SE」 主要スペック
車名 | Ninja ZX-4RR KRT EDITION | Ninja ZX-4R SE |
型式 | 8BL-ZX400P | ← |
全長x全幅x全高 | 1,990mm×765mm×1,110mm | ← |
軸間距離 | 1,380mm | ← |
最低地上高 | 135mm | ← |
シート高 | 800mm | ← |
キャスター/トレール | 23.5°/97mm | ← |
エンジン種類/弁方式 | 水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ | ← |
総排気量 | 399cm³ | ← |
内径x行程/圧縮比 | 57.0mm×39.1mm/12.3:1 | ← |
最高出力 | 57kW(77PS)/14,500rpm ラムエア加圧時:59kW(80PS)/14,500rpm | ← |
最大トルク | 39N・m(4.0kgf・m)/13,000rpm | ← |
始動方式 | エレクトリックスターター | ← |
点火方式 | バッテリ&コイル(フルトランジスタ点火) | ← |
潤滑方式 | ウェットサンプ | ← |
エンジンオイル容量 | 3.0L | ← |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | ← |
トランスミッション形式 | 常時噛合式6段リターン | ← |
クラッチ形式 | 湿式多板 | ← |
ギヤ・レシオ | 1速 2.928 (41/14) 2速 2.055 (37/18) 3速 1.619 (34/21) 4速 1.333 (32/24) 5速 1.153 (30/26) 6速 1.037 (28/27) | ← |
一次減速比 / 二次減速比 | 2.029(69/34)/3.428(48/14) | ← |
フレーム形式 | トレリス | ← |
懸架方式 | 前 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 37mm) 後 スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク) | ← |
ホイールトラベル | 前 120mm 後 124mm | ← |
タイヤサイズ | 前 120/70ZR17M/C 58W 後 160/60ZR17M/C 69W | ← |
ホイールサイズ | 前 17M/C×MT3.50 後 17M/C×MT4.50 | ← |
ブレーキ形式 | 前 デュアルディスク 290mm (外径) 後 シングルディスク 220mm (外径) | ← |
ステアリングアングル(左/右) | 35°/35° | ← |
車両重量 | 189kg | 190kg |
燃料タンク容量 | 15L | ← |
乗車定員 | 2名 | ← |
燃料消費率(km/L)※1 | 24.4km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)※2 20.4㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)※3 | ← |
最小回転半径 | 2.6m | ← |
カラー | ライムグリーン×エボニー | メタリックフラットスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレー(BK2) キャンディプラズマブルー×メタリックフラットスパークブラック(BU1) |
価格 | 1,155,000円 (本体価格1,050,000円、消費税105,000円) | 1,122,000円 (本体価格1,020,000円、消費税102,000円) |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。