これは良き400cc! カワサキの新型4気筒 Ninja ZX-4RR KRT EDITION/Ninja ZX-4R SEを解説【スタイリング・装備編】

カワサキは注目の4気筒400ccスーパースポーツモデル「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」と「Ninja ZX-4R SE」の国内モデルを正式に発表。同車は最高出力57kW(77PS)を発揮する399cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジンを搭載。ここではスタイリングや装備をフューチャーしてみよう。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

カワサキ Ninja ZX-4RR KRT EDITION……115万5000円(税込) 

カワサキレーシングチームのイメージを引き継ぐオリジナルのスライムグリーン×エボニーカラーと、「RR」ネーミング入りグラフィックに加えたスポーティ
バージョン。

カワサキ Ninja ZX-4R SE……112万2000円(税込)

スモークウインドシールド、USB電源ソケット、フレームスライダーを標準装備し、ストリートユース色を強めたNinja ZX-4R SE。
キャンディプラズマブルー×メタリックフラットスパークブラック

●「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」と「Ninja ZX-4R SE」の違いは?
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」は「RR」ネーミング入りグラフィックに加えたスポーティなバージョン
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はカワサキスポーツモデルの象徴であるスポーティなライムグリーン×エボニー。「Ninja ZX-4R SE」はブルーとブラックの2色あり
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はNinja ZX-10Rと同タイプのフルアジャスタブル SHOWA BFRC-lite リヤサスペンションを採用
・「Ninja ZX-4R SE」はスモークウインドシールド、USB電源ソケット、フレームスライダーを標準装備(Ninja ZX-4RR KRT EDITIONはオプションアクセサリー設定)
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はクリアウインドシールド、「Ninja ZX-4R SE」はスモークウインドシールドを標準装備
・「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」の車体重量は「Ninja ZX-4R SE」よりも1kg軽量(189kg)

外観はアグレッシブなスーパースポーツの“Ninjaスタイリング”にデザイン

・400ccクラスでもっともパワフルなマシンにふさわしい、アグレッシブなNinjaスタイリングを採用。パワーと瞬発力を秘めた、獰猛なイメージにデザイン。スポーティなカウルはウインドプロテクションとエアロダイナミクスにも優れ、ロングツーリングにおける快適性も向上。

・Ninja ZXシリーズのトレードマークである、カウル中央に配意されたラムエアシステムにより、スタイリングは400ccクラスの他モデルと一線を画すスタイルにアレンジ。フロントフォーク左側を迂回して通るラムエアダクトは、ライダーにその性能を訴求。

・Ninjaファミリーの力強いイメージに寄与するシャープなチンスポイラーを装備。

・カワサキスーパースポーツの血統を受け継ぐ低く構えた燃料タンクデザインと、並列4気筒エンジンにフィットしたボディワークが、Ninja ZX-4Rの凝縮感あるハイクラスな外観に貢献。エッジを効かせた造形美を確立。

・LEDのフロントウインカーはカウリングにビルトイン。被視認性とデザインを両立。

・フェアリングのサイドエアダクトが走行風をエンジン周辺に導き、エンジン熱の放出を促進するとともに、アグレッシブなデザインに貢献。

・Ninja ZX-10RやNinja ZX-6Rと同様のサイレンサー形状を採用。力強いNinjaZXシリーズのイメージを形成。

・スリムでレーシーなテールカウルが、軽快なイメージに貢献。

・Ninja ZX-10RにインスパイアされたLEDテールライトは、リヤ周りにハイグレードな印象を付加。リヤウインカー、ライセンスランプにもLEDを採用。

・リヤフラップはボルトオン構造で簡単に取り外し可能。サーキット走行時の利便性を向上している。

攻撃的ながらロングツーリングもこなせる、リラックス感のあるライディングポジション

・ライディングポジションはNinja 400よりもアグレッシブながらリラックス感もあり、ライダーは過度な前傾姿勢を取ることなく、俊敏なスーパースポーツハンドリングを堪能することができる。空気抵抗の低減と防風効果をバランスさせたライディングポジションは、ライダーの自由度も高めている。

・燃料タンクはスリムな形状で、マシンとの良好な一体感を実現。タンク上部は低くデザインされ、上半身を伏せたポジションを取りやすくなっているのが特徴。

・最適化されたデザインのシートは、スポーツ性能と快適性を両立。スポーツライディングやサーキット走行におけるライダーの体重移動と、長時間のライディングでの快適な座り心地を提供。

・スーパースポーツスタイルのアルミ製ステップは、スポーツライディングにおけるダイレクトなフィーリングと優れたコントロール性を発揮。

・ブレーキレバーとクラッチレバーは、それぞれ5段階に角度を調節できるアジャスタブルタイプ式を採用。

スリムな形状の燃料タンク。容量は15L。
スポーツ性能と快適性を両立したシート。

4.3インチフルデジタルTFTカラー液晶ディスプレイを採用

・4.3インチフルデジタルTFTカラー液晶ディスプレイをインストゥルメントパネルに採用。多彩な機能に加え、コクピットに先進性と高級感を与えている。計測ラップタイムやサーキット走行に関連する情報を、より見やすくレイアウトした「サーキットモード」も搭載。

・サーキットでタイムアップを目指すライダーが必要とする情報を、より見やすく画面表示する、「サーキットモード」は、走行中に大きな文字でラップタイムを中央に表示。タコメーターは10,000rpm以上の回転数を強調したデザインとし、画面上部に表示するしくみ。

・フルカラーTFT液晶の採用により、高い視認性を確保。背景色の選択機能(黒または白)と、画面の5段階の自動調光機能も導入。

フルカラーTFT液晶の採用により、高い視認性を確保。
サーキットモード
●ディスプレイ機能:デジタルスピードメーター、デジタルバースタイルタコメーター、ギヤポジションインジケーター、シフトアップインジケーター、燃料計、オドメーター、デュアルトリップメーター、瞬間/平均燃費、航続可能距離、平均速度、アワーメーター、水温、時計、電圧計、ストップウォッチ、カワサキサービスリマインダー、オイル交換リマインダー、インテグレーテッドライディングモードインジケーター、KTRC、パワーモード、、Bluetoothインジケーター、スマートフォン電話着信/メール着信、およびエコノミカルライディングインジケーター、KQSインジケーター、イモビライザー、ETCインジケータ―

ツーリングや街乗りにも便利な「スマートフォン接続機能」

・インストゥルメントパネルにBluetoothを内蔵し、スマートフォンとの相互通信が可能。専用のスマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP」を使用することで、モーターサイクルライフを豊かにする、下記(→)のインタラクティブな機能を実現。

→ビークル・インフォ:燃料計、オドメーター、メンテナンススケジュールなどの情報を、スマートフォン経由で閲覧可能。
→ライディングログ:GPSルート情報を記録し、スマートフォン経由で閲覧可能。
→電話/メール着信通知:スマートフォンの電話着信、メール受信情報を車両ディスプレイに表示。
→チューニング – ジェネラルセッティング:スマートフォンから、表示単位の変更や日時の設定などが可能。

・「RIDEOLOGY THE APP」で閲覧可能な情報は、オドメーター、アワーメーター、トリップA、トリップB、燃料計、航続可能距離、平均燃費、平均速度、バッテリー電圧、カワサキサービスリマインダー(ディーラー設定による)、オイル交換リマインダー(ライダー設定による)、さらにライダーが独自に設定できる追加のリマインダーが含まれる。

・GPS情報や車両走行情報などの詳細なライディングログを記録、閲覧可能。乗車中は、車速、エンジン回転数、ギヤポジション、瞬間燃費、水温をアプリが追跡。ライディングログが保存されると、ライダーはこれらの情報をグラフィカルな表示で確認することができる。また、走行ルート、合計走行距離、アワーメーター、平均燃費、平均速度などの情報を集計した走行概要を表示することも可能。

・アプリを立ち上げて走行している間は、車両とスマートフォンは常時接続されている。エンジンが停止すると、最新の車両情報がアプリに保存され、スマートフォンで閲覧可能。
※注:「RIDEOLOGY THE APP」を走行中に操作しないこと。アプリの操作は車両が完全に停止し、周囲の安全が確認できている状態で行うこと。

・アプリと車両が接続された時に、ディスプレイに表示される時計の誤差修正を自動で行う。

盗難やいたずらを抑止する「イモビライザー」

・メインスイッチには盗難抑止効果の高いイモビライザーを装備。

各種アクセサリーもスタンバイ

硬めのウレタンを採用したスポーツシート。ライダーはスポーツライディング時に後輪のトラクションを容易に感じとれる。
リヤシート下に設置可能な充電用USBソケット。Ninja ZX-4R SEは標準装備。
ウインドシールド(スモーク)。「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」はクリアウインドシールド、「Ninja ZX-4R SE」はスモークウインドシールドを標準装備。
レーシーなシングルシートカバー。
フレームスライダー。Ninja ZX-4R SEは標準装備。
タンクパッド
ラジエータスクリーン
タンクバッグ
スマートバッグ

イメージフォト

「Ninja ZX-4RR KRT EDITION」「Ninja ZX-4R SE」 主要スペック

車名Ninja ZX-4RR KRT EDITIONNinja ZX-4R SE
型式8BL-ZX400P
全長x全幅x全高1,990mm×765mm×1,110mm
軸間距離1,380mm
最低地上高135mm
シート高800mm
キャスター/トレール23.5°/97mm
エンジン種類/弁方式水冷4ストローク並列4気筒/DOHC 4バルブ
総排気量399cm³
内径x行程/圧縮比57.0mm×39.1mm/12.3:1
最高出力57kW(77PS)/14,500rpm
ラムエア加圧時:59kW(80PS)/14,500rpm
最大トルク39N・m(4.0kgf・m)/13,000rpm
始動方式エレクトリックスターター
点火方式バッテリ&コイル(フルトランジスタ点火)
潤滑方式ウェットサンプ
エンジンオイル容量3.0L
燃料供給方式フューエルインジェクション
トランスミッション形式常時噛合式6段リターン
クラッチ形式湿式多板
ギヤ・レシオ1速 2.928 (41/14)
2速 2.055 (37/18)
3速 1.619 (34/21)
4速 1.333 (32/24)
5速 1.153 (30/26)
6速 1.037 (28/27)
一次減速比 / 二次減速比2.029(69/34)/3.428(48/14)
フレーム形式トレリス
懸架方式前 テレスコピック(倒立・インナーチューブ径 37mm)
後 スイングアーム(ホリゾンタルバックリンク)
ホイールトラベル前 120mm
後 124mm
タイヤサイズ前 120/70ZR17M/C 58W
後 160/60ZR17M/C 69W
ホイールサイズ前 17M/C×MT3.50
後 17M/C×MT4.50
ブレーキ形式前 デュアルディスク 290mm (外径)
後 シングルディスク 220mm (外径)
ステアリングアングル(左/右)35°/35°
車両重量189kg190kg
燃料タンク容量15L
乗車定員2名
燃料消費率(km/L)※124.4km/L(国土交通省届出値:60km/h・定地燃費値、2名乗車時)※2
20.4㎞/L(WMTCモード値 クラス3-2、1名乗車時)※3
最小回転半径2.6m
カラーライムグリーン×エボニーメタリックフラットスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレー(BK2)
キャンディプラズマブルー×メタリックフラットスパークブラック(BU1)
価格1,155,000円
(本体価格1,050,000円、消費税105,000円)
1,122,000円
(本体価格1,020,000円、消費税102,000円)

※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状況などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値とは、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※改良のため、仕様および諸元は予告なく変更することがあります。

キーワードで検索する

著者プロフィール

北 秀昭 近影

北 秀昭