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日立Astemo 全方位検知システム「ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)」コンセプト……参考出品
カメラを使用した全方位検知による走行安全性向上を目指している「日立Astemo」は、四輪車用に開発したECU一体型ステレオカメラを二輪車用に改良。昨年のEICMA2022において、初めて二輪車用ADASコンセプトを発表した。
ADASコンセプトは趣味性の高い大型二輪車はもちろん、連携する制御システムを限定することで、日々の移動手段として活用されている小排気量コミューターにも搭載できるシステムを実現。
その進化形となる新型の二輪車用ADASコンセプトは、2つの前方検知用小型ステレオカメラを独立して配置。またADAS用ECUを2つの小型カメラと切り離し、分散配置することで車体搭載性を大幅に向上させた。
小型のステレオカメラ+ADAS用ECU+3つのシステムを連携
前方検知のツールとして既存製品の多くがレーダーを用いる中、日立Astemoは自社ステレオカメラによる四輪車向けADASで培ったカメラ技術を応用。
ADASコンセプトは二輪車の特性に合わせ、ステレオカメラとADAS用ECUを一体化したシステムを車両に搭載。そこで得た検知データをもとに、
1:危機を検知すると作動するFCW(Forward Collision Warning Warning=前方衝突警報)
2:ライダーのブレーキ操作をサポートするEBA(Emergency Brake Assist= 緊急ブレーキアシスト)
3:積極的にブレーキ操作を行うAEB(Automatic Emergency Braking Braking=自動緊急ブレーキ)
などのシステムと連携。また同社が開発したエンジン制御システムや、電子制御サスペンションシステムとも連携および制御を行うことで、ライダーや車両の安定性に最大限配慮した報知や減速動作を可能にした。
レーダーではなくカメラを使用。標識やセンターラインの認識もOK
今回EICMA2023で発表された最新のADASコンセプトは、ステレオカメラ本体とADAS用ECUを分散配置することで、カメラ本体を小型化し、車両搭載性を向上。
シンプルな構造に設計された2つのADAS用カメラは非常にコンパクトで、カウルなど車体外装への埋め込みや、サイドミラー本体、またその支柱に埋め込むことも可能(上記はタイプにより埋め込み不可)。最低限のスペースで配置できることで、転倒時の破損リスクを低減できるとともに、車体のフォルムを崩すことなくADAS機能を実装できる。
カメラ部と切り離したADAS用ECUは、別体での搭載、また同社製の他の制御デバイスと一体化して搭載することも可能。人間の目と同じ2つのカメラで前方検知を行うステレオカメラは、左右カメラで捉える視差により、対象物の有無やその距離はもちろん、対象物の大きさや形、さらには重なり合った複数の対象物を認識することができる。
ADASコンセプトはレーダーではなくカメラを使用しているため、標識やセンターラインも認識OK。その認識データと、同社が開発する複数の電子制御技術を連携させることも可能だ。
エンジン出力と電子制御サスペンションのセッティングを連携することで、複数の走行モードを自動的にシステム側で変更させること。また、より高度なACC(Adaptive Cruise Control=低速走行・車間距離制御装置)のプログラムを提供することも可能。
EICMA2023の会場では、2台のデモ車両が登場。大型アドベンチャーにはボディ埋め込み型のステレオカメラ、小排気量スクーターにはサイドミラー支柱埋め込み型ステレオカメラを導入。
また、2台のデモ車両のハンドル中央部には小型モニターを配置。「ステレオカメラがどのように前方検知を行っているのか?」が誰でも容易に理解できるよう、リアルタイムでの認識画面もスタンバイされた。