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ベース車両はバーチカル・ツイン653ccエンジン搭載の「ヤマハTX650(1973年~1980年)」
1973年(昭和48年)に登場したヤマハTX650は、TX750、TX500とともに、ビッグスポーツである「TXシリーズ」の仲間に加わったモデル。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒SOHC 2バルブ653ccを搭載。
TX650は前身の「XS-1」から継承したバーチカル・ツインエンジンを基調に、フレームを一新。直進安定性の向上を目指してロングホイールベース化し、トレールを延長。軽量化したピストンとコンロッド、H型アルミリム、シールドビームヘッドライトなどの最新装備も導入。トランジスタ点火となった最終型の1980年式まで、ロングセラーモデルとして人気を博した。
レシプロ戦闘機の最高傑作「P51マスタング」をモチーフに、現代の技術でモディファイ
ビンテージモデル・ヤマハTX650をベースに製作されたのが、写真の『1976 YAMAHA TX650 447 MUSTANG』。同車はプロダクトデザイナーとして数々の建築、建材、公共設置物、自動車アフターパーツ、ホイール、エアロパーツ等を手がける、グッドデザイン賞も複数点受賞した経歴を持つ「VISION DESIGN」の代表・深山雅亮氏がカスタマイズ。
現代の大型スポーツモデルは、デザイン&動力性能ともに、まるでジェット戦闘機のよう。今時の超高性能バイクに比べ、ベースとなる1967年式のTX650は、例えるならレトロなプロペラ機。
そこで『1976 YAMAHA TX650 447 MUSTANG』は、プロペラ機ながらレシプロ戦闘機の最高傑作といわれる「P51マスタング」をモチーフに、現代の技術を投入して作成。新旧を織り交ぜつつ、高性能カフェレーサーとして現代に蘇えらせた。
最新の3Dスキャナー、3D造形ソフト、3Dプリンターを駆使した最新の手法を実践
「VISION DESIGN」は1998年、工業・建築系デザイン会社として創業。写真のカスタム製作に当たり、デザイン製作ツールの3Dスキャナーや3D造形ソフトを使い、オリジナルパーツを設計。
また、3Dプリンターを駆使してワンオフパーツを製作。パーツ製作や加工などには、随所に建築系の構造や、強度確保などで培ったノウハウをフィードバック。これらをもとに、下記のカスタムが施されている。
主要カスタムスペック
フレーム | 不要個所カット シートレールシートパン製作 一部強化 パウダーコート仕上げ |
スイングアーム | 2インチ延長 ショックマウント移設 |
フロントフォーク | スズキGSX-R1000スワップ COGNITO MOTOビレットトップブリッジ ビレットハブ |
ガソリンタンク | GX750(XS750)純正 フューエルコック加工 |
シート | 専用デザイン3Dプリント製カウル ホースハイドシート アイレット付 |
メーター | 専用デザイン3Dプリント製クラスタ |
カウル | 専用デザイン3Dプリント製フェアリング |
エキゾースト | 45Φスチールワンオフエキマニ ショートSUSマフラーCERAKOTE仕上げ |
エンジン | 447 フルOH750ccボアアップ CERAKOTE仕上げ |
インテーク | 専用デザイン3Dプリント製 PA6GF |
キャブレーター | OLD WEBER OH CERAKOTE仕上げカスタム |
ホイール | F18/2.5 R17/3.5 アルマイト仕上げ SUS4Φスポーク |
タイヤ | ブリヂストン BATTLAX ADVENTURECROSS SCRAMBLER AX41S |
電装 | Motogadget Mo.UNIT 全新規配線 |
イグニッション | VAPE パワーダイナモ ダイレクトイグニッション |
アンダーダクト | 専用デザイン3Dプリント製 オイルクーラー内臓(来夏予定) |
フェンダー | 専用デザイン3Dプリント製 |