スズキ GSX-S125ABSはガソリン満タンでどこまでイケる? 東京・日本橋から京都をめざす、東海道ガス欠チャレンジ第6弾[1日目]

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
どないするタカハシ♪ GSX-S125ABSを駆って、東京・日本橋から京都をめざし、徳川家康を追う。満タンきっちり使い切りの東海道ワンウェイ・アタック、お江戸日本橋を発ち、浜風の湘南へ!

REPORT●AFO RIDER タカハシ(AFO RIDER Takahashi)
PHOTO●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
ILLUSTRATION●高橋克也(KATSUYA Takahashi)
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 日本橋
日本橋から京都をめざしてガス欠するまで走り続けるAFOチャレンジも6回目。今回の旅の相棒は、「クラス最強(っぽい)スポーツネイキッド」の名をほしいままにするスズキGSX-S125ABSだ。

どないするタカハシ! てかそのタイトルなんなん?

昨年、ある公共放送局が「どうする某」と題するドラマをせっせと放映していたそうだ。近年では、ポケットサイズのチャカをパンパン鳴らしてパンチパーマ男数人が庭先で小競り合いする昭和の歴史映画ですら、コンプラなんとかの都合で放送できないのに、槍だの刀だの火縄銃だのを盛大に持ち出し、ちょんまげ男が数万人単位で残虐きわまる殺し合いをやらかす戦国歴史ドラマのほうは、なぜか平然と放送されている。テレビの倫理観とか企業のコンプラなんとかってものは、いったいどうなってるんだと呆れるほかはない。

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日本橋でトリップメーターを0.0kmにリセット。走行に必要な最低限の情報が瞬時に把握できるスッキリ美しいメーターパネルは、タカハシ好みのファンクショナルなデザインだ。

それはともかく2023年のある日曜、タカハシがテレビの前でダラけていると、午後8時を過ぎたあたりで、まるで雷に打たれたように突如として徳川家康に興味がわき、どうせガス欠するまで東海道を走るなら、徳川家康の遺構をたどってみようと思いついた。

東海道五十三次を整備したのは徳川家康だから、これは自然な着想だ。よくいる下世話なWebライター連中のようにテレビドラマの人気にあやかってアクセスを稼ごうなどとケチなことを考えたわけじゃない。その証拠に、タカハシはドラマの放送終了を行儀よく待ち、おもむろにこの記事の公開に踏み切ったのだ。モノカキとしてあまりにも清く正しく潔い態度だと絶賛せざるを得ない。(何か月も執筆をサボってて原稿が間に合わなかっただけでしょ? とかの低俗下劣な邪推は禁止禁止禁止ったらめっちゃ禁止!)

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 イラスト
■「遅筆の足軽タカハシ、怒りの編集担当モジャ山田ヒゲ男に討たれる」の図♪
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東京都心は、他に類をみない超奇怪な巨大ビル街だ。この街のオッサン住人たちのトチ狂った生活感覚で、国政だの報道だのを仕切られては一般市民が眉をひそめるのも無理はない。とっとと走り去るのが賢明だ。

これが原二スポーツ最右翼、GSX-S125 ABSだ!

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GSX-S125ABS。4ストローク水冷4バルブ単気筒124ccエンジンを搭載し、15PSのパワーで装備重量135kgのマシンを走らせる。全長2000mm、全幅745mm、全高1035mm。

GSX-S125(以下、「ABS」は略)は、2016年のミラノショーで欧州向けに発表され、2017年から国内販売されているスズキ自慢の俊足スポーツネイキッドだ。パワートレインはフルカウルの兄弟車GSX-R125と基本的に共通。そしてRより2Kg軽く、取り回しに優れている。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
このモデルは最新の排ガス規制に対応。アンダーカウル後端が従来型より少し縮まり、色づかいもオシャレになった。

カウルの有無は好き好きだし、RもSもそれぞれカッコいいが、高速に乗れない125クラスだと、公道では60km/hまでしか出せず、フルカウルが必要なほど難儀なシチュエーションに出くわすことはまずない。転倒しても修理が安あがりで、経済的に乗り続けられる利点もあるから、立ちゴケのリスクがつきまとう初心者には軽装のSを薦めたい。

家康のツメあとは都内にも

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 江戸城
旧江戸城の大手門、現在では皇居の一角となっている。家康が築いた江戸城の正門とされ、大名たちは、この門から登城するきまりだった。

日本橋から東海道を走り出し、最初に出くわす家康の遺構は江戸城の大手門だ。ビデオゲームをはじめたとたん、いきなりラスボスに出くわしたらシラけるだろうが、現実世界なんて、まあこんなものだ。タカハシは最強のラスボスをあっさり放置し、まずは東京タワー近くの増上寺をクリアすることにした。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 増上寺
これが増上寺大門。増上寺は室町時代、1393年(明徳4年)に開山し、1590年(天正18年)に徳川家の菩提寺となった。二代将軍秀忠をはじめ6人の将軍が眠っている。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 増上寺
増上寺門前では、交通取締用自動二輪車に乗務する警察官が、厳正適確な取り締まりをビシビシ実施中。国の重要文化財となっているこの三解脱門をくぐれば、徳川家の足跡をみっちりたどることができる。

湘南海岸を小田原へ

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 湘南
クソむかつく都心のビル街をぬけ、クソクソむかつく湘南へ。他の点はともかく潮風だけはサイコーだ。

都内で白バイ隊員の視線から逃げ回ったり、寺をのらくら見物したり、ファミレスで甘い水分を吸い散らかしていたら遅くなったので、あわてて神奈川へ。ひたすら西をめざす。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 湘南 高来神社
湘南の浜から江の島を望む。文句なく美しくオシャレだが、文句なく居心地がわるい。底抜けにサワヤカなこの海には、人生のヘドロ成分が足りなすぎるのだろう。

湘南海岸にたどり着く頃には、陽の光はだいぶ黄色くなっていた。海岸沿いの国道134号をどんどん西へ。シャレオツが行き過ぎて、メンタルへの攻撃性すら感じさせる海岸道路に嫌気がさし、大磯の花水川から海を離れる。北上しはじめたところで、フューエルメーターがやっとひとつ動いた。

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フューエルメーターは1目盛り減って残4に。トリップは74.4kmをさしている。ガス欠まではまだ長い旅になりそうだ。

暮色が濃くなる国道1号を西にとる。そういえばこのあたりには家康ゆかりの高来神社があった。せっかくだから寄り道しよう。

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高来神社は、神武天皇の頃の創建と伝わる由緒ある神社。そして徳川家との縁が深い。境内はいかにも森閑とした佇まいだ。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
徳川家のシンボル「葵の御紋」が高来神社の社紋だ。江戸時代、参勤交代で各地の大名が社前を通るときには、ここで駕籠(かご)をおり、一礼したと伝えられている

小田原への途上で日没をむかえ、宿までは夜走りになった。部屋にあがって荷物を解き、途中で買ったコンビニ飯をかき込むと、すぐに寝てしまった。

AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 小田原
夕闇の小田原、国道1号を西へ。宿は近い。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也
走りを終えたGSX-S125。途中で1目盛り減ったフューエルメーターが、なぜか満タンに戻っているが気にしない。トリップは90.9kmをさしていた。
AFORIDER スズキ GSX-S125 東海道 ガス欠 高橋克也 地図
■東海道ガス欠チャレンジMAP/スズキ GSX125ABS/日本橋~小田原

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AFO RIDER タカハシ

イラストレーター、カメラマン、ライター、ムービークリエイターなど、世間をあざむく幾つもの顔をもつが…