今年の東京モーターサイクルショー・スズキブースの出典テーマは「JOY FUN SUZUKI」 スズキの2輪車と人々の思い描く彩豊かなことを、結びつけることを、喜び、嬉しさ、楽しさ、面白さを表現する展示ブースとなっている。1月に国内発表したGSX-S1000GXやGSX8Rを中心に、21機種、25台の展示。また、風を感じて疾走する隼をイメージした撮影スポットや、モーターサイクルショーオリジナル用品の販売など、来場者が企画も用意していた。
プレスカンファレンスでは、スズキ株式会社 二輪事業本部長 田中強氏から「昨年1月、スズキは2030年度に向けた成長戦略を発表いたしました。その中で、カーボンニュートラルに向けた取り組みとして、通勤、通学や買い物など、生活の足として使用される、小型、中型二輪車は、バッテリーEVで対応。2030年までに全世界で8モデルのバッテリーEVを投入致します。一方、趣味性の高い大型二輪車については、内燃機関を継続し、カーボンニュートラル燃料での対応を進め、マルチパスウェイでカーボンニュートラルに取り組んでまいります。本日は、その一環として実施するスズキの新たなチャレンジを発表させていただきます」との発言があり、続いて、2022年を最後に終了していたレース活動を再開する発表があった。このチャレンジを通じで、環境性能技術向上のみならず、人材育成やモチベーション向上にもつなげ、将来のより良い製品づくりに取り組むことが目的だ。
7月に開催される2024FIM世界耐久選手権コカコーラ鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会への参戦が発表され、同時に参戦マシンのGSX-R1000Rがお披露目された。チーム名は「TEAM SUZUKI CN Challenge」、参戦クラスはエクスペリメンタルクラスとの発表があり、続いてプロジェクトリーダーである、二輪事業本部 二輪第一技術部 スズキCNチャレンジプロジェクトリーダーの佐原伸一氏により、詳細が報告された。
「このプロジェクトはチームスズキCNチャレンジという名称で、スズキの社員を中心に構成されたチーム体制により、40%のバイオ由来の燃料をはじめとして、さまざまなサステナブルアイテムを投入して鈴鹿の8耐のエクスペリメンタルクラスに参戦するという取り組みです。ライダーは3名体制を予定していますが、現状ではラインナップは決定しておりません。参戦マシンはこのGSX-R1000R、テーマカラーはブルー、ゼッケンは我々のカーボンユートラルを目指す取り組みを象徴する0を選択しました。このマシン製作の支援を含め、ヨシムラジャパンさんには、プロジェクトの初期段階から協力していただき、二人三脚で進めております。このプロジェクトの目的は、鈴鹿8耐という非常に厳しい条件の中で戦うことで、環境性能技術の開発を加速させること。これにはデータの収集が非常に重要になります。今回の第一の目標は鈴鹿8耐の決勝をしっかり完走するということです。そして第二の目標は、次のステップに向けて新たな目標を定めるために、サステナブルアイテムを検証し、課題を抽出するということです」
今回使用するサステナブルアイテムは、燃料はelfのモトR40FIMという40%バイオ由来の原料から作られたもので、マフラーはヨシムラジャパンで触媒内蔵サイレンサーを開発中。タイヤはブリヂストンの再生資源および再生可能資源の成分比率を向上させたレーシングタイヤを採用。オイルはモチュールのバイオ由来ベースオイルを使用したものとなる。カウルは再生素材を使用したカーボン複合材を使用したJHI製。フロントとリヤのフェンダーはトラス製でスイスのB-compという天然亜麻繊維を使った複合材料で作られている。フロントブレーキはサンスター技研の熱処理を廃止した鉄製のディスク、摩耗を減らしたローダストパッドを使用。バッテリーはエリーパワーのリチウムイオンバッテリーを車載に、ピット内で使用する電源も蓄電池を用意する。
このプロジェクトは鈴鹿8耐の1回だけでなく、来年、再来年とより高い目標を設定して挑戦することを考えている。将来、製品絵のフィードバックが期待できると考えています。とのことで、これからの活躍期待できるプロジェクトだ。
また、ユーザーと触れ合うイベントにも力を入れ、アンダー30セーフティスクールやライディングスクールを昨年より開催回数を増やして全国5ブロックで開催。また、恒例の隼駅まつりへの協力をはじめ、9月のカタナミーティング、11月のVストロームミーティングの開催に加え、新たにGSX-S、Rミーティングの開催を10月に予定している。
スズキCNプロジェクトのSNSアカウント開設されたので、気になる方は覗いてみては?