モトグッツィのアドベンチャールアラー「ステルビオ」は、交換パイプフレームに空冷Vツイン1151ccエンジンを搭載して2008年に誕生したモデル。2017年には一度生産終了したが、2024年に新たなモデルとして再登場した。新生ステルビオは専用設計された鋼管パイプフレームを採用。V100マンデッロと同一形状ながらフロントのアンカーポイントを4カ所へ増やしたことで20%剛性がアップしている。エンジンはV100マンデッロと共通の水冷V型2気筒1024ccのコンパクトブロックで、ユーロ5+にも適合している。スイングアームもV100マンデッロより延長され、ホイールベースは1520mmとなっている。サスペンションはフロントにザックス製の46mm倒立フォーク、リヤにはKYB製ものショックを装着。ホイールはフロント19インチ、リヤ17インチのスポークタイプを採用している。
車名の「ステルビオ」はイタリア北部のレーティアンアルプスにある峠道で、トレンティーノ・アルト・アディジェとロンバルディア間にあり、標高は最高2500mで、88本のカーブが連なっている。モーターサイクル好きはもちろん、自動車、サイクリストにも憧れの存在であり、アルファロメオも車名に採用している(日本語表記はステルヴィオ)。1818年から峠道の建設が始まり、延べ2500人を動員して作業が続けられ、63ヶ月を費やし、1825年に完成した。
このステルビオ峠の完成から200年の節目となる2025年、モトグッツィ・ステルビオに記念モデルが発売されることとなった。EICMA2024で発表された「モトグッツィ・ステルビオ・ドゥチェント・トリビュート」は、特別なカラーリングを採用し、2758台の限定で発売となる。特別限定モデルのテーマは冒険心。自然の要素からインスピレーションされたカラーリングで、雪の白をベースに青と赤を組み合わせたカラーに、神秘的な峠道のヘアピンカーブとステルビオ峠の座標位置がデザインされている。ラジエターをガードするグリルにはモトグッツィの鷲がデザインされている。
ピアジオ・ファスト・フォワードにより開発されたイメージングリーダー4Dテクノロジーに基づく運転支援プラットフォームを搭載し、FWC(前方衝突警告)、BLIS(ブラインドスポット情報システム)、LCA(車線変更支援)機能によって、あらゆる状況でより安全なライディングを実現。ヒーター付きハンドグリップ、ヒーター付きライダーズシートとパッセンジャーシート、センタースタンド、TPMSタイヤ圧力センサー、双方向クイックシフター、MotoGuzzi MIAマルチメディアプラットフォームも標準搭載する。
日本国内への導入時期や価格は未定。