MotoGP第9戦イタリアGPが、6月20日から22日にかけて、イタリアのムジェロ・サーキットで行われた。
日本人ライダーの小椋藍(アプリリア)は、怪我から復帰し、スプリントレースを12位、決勝レースでは10位フィニッシュを果たした。
負傷した右足は「痛みはない」
イタリアGPは、小椋藍(アプリリア)にとって、怪我からの復帰戦となった。
小椋は5月下旬に行われたイギリスGP金曜日午前中のセッション終盤に転倒を喫して右ひざを負傷し、以降のセッションを欠場。イギリスGP後の5月27日、右脛骨上部(右ひざ)の手術を受けた。回復は順調だったものの、参戦するには不十分であるとの医師の見解から、続くアラゴンGPも欠場していた。
イタリアGPではすでに抜糸もすませ、以降は時間をかけて回復していくという状態だった。痛みはない、と語っていた小椋は、歩くときも右足をかばっている様子はなく、いつもと変わりなく見えた。
とはいえ、怪我をして以降はトレーニングができておらず、ほぼ2戦ぶりのMotoGPマシンでの走行である。さらに、ムジェロ・サーキットはメインストレートが1km以上もあり、高速コーナーの切り返しが続く、フィジカルに負担のかかるサーキットだ。約2戦ぶりに走るサーキットとしては、ライダーに厳しいともいえる。
金曜日はさすがに疲労がひどく、「(決勝レースは)23周か……」と日曜日の決勝レースへの懸念があったようだ。ただ、土曜日、日曜日と日を重ねるにつれて状態も戻っていった。怪我というよりも、2戦のブランクによって、MotoGPマシンでの走行に必要とされるフィジカルのほうが影響していたわけだ。
土曜日の予選1(Q1)では、21番手。午後に行われたスプリントレースを終えて、小椋は「いつもよりも順位にこだわらない気持ちが強いかもしれないですね」と語っていた。スプリントレースは、12位で終えている。
「何か大きな結果を求めて過ごすレースウイークではないので。そういう意味では、気持ちは楽かもしれないです。怪我明け、という不安はありますけどね」
翌日曜日の決勝レースは、やはり21番手からスタートして10位で23周のレースを完走した。負傷から2戦ぶりの復帰戦であることを考えれば──いや、そうした状況がなかったとしても、最高峰クラスのルーキーとして考えても、ポジションを大きく上げて10位でゴールしたこの結果は、さすがと言うべきだろう。
「レースではあるタイミングで落ち着くところができてしまうんですが、そこでいつもよりも疲れを感じました。でも、そこからはずっと同じような疲れ具合で走り切ることができました。転倒もなく、スプリントレースと決勝レースで、今の自分が持っているものを出して完走できたので、復帰戦としてはよかったと思います」
負傷した足については、週末を通して「全く問題なかった」とのことだ。復帰戦を終え、小椋は連戦となるオランダGP(6月27日~29日)に挑むことになる。

