最上級スーパースポーツのサーキット以外での使い勝手 ○×?|アプリリアRSV4 1100ファクトリー試乗レポート

編集部のスタッフはいつも私に無茶を言う。1100ccのV4で200馬力オーバーのアプリリアRSV4ファクトリーはサーキットでこそ本領を発揮するバイクであるが、それを市街地をじっくり試乗してきて欲しいと。バイクを所有したからといってサーキットばかりを走るわけでもないだろうし、普段の使い勝手は確かに重要である。さて、どうしたものか。

※2019年モデルの試乗記となります。

REPORT●後藤 武(GOTO Takeshi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2020年4月6日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

フロントフォークはオーリンズのNIX。キャリパーはブレンボStylemaを装着。ホイールは軽量なアルミ鍛造品。ワークスチームが使用しているものと同じブレーキキャリパー・カーボン・エアダクトがオプション設定されている。ボッシュと開発したマルチマップコーナーリングABSはサーキット走行にも対応。レバーの圧力、ロール/ピッチ/ヨー等様々な要素を分析して常に対的なブレーキングを可能にする。
65度V4エンジンは1078cc。最大出力は217hp/13200rpm。最高出力を発揮する回転は高いが中速域から太いトルクを発生するためストリートでも乗りやすい。パワーモードはスポーツ、トラック、レースに切り替えが可能で出力特性だけでなくエンジンブレーキの効き方も変化する。
サイレンサーはアクラボビッチ。排気音自体は消音されているが、音質はかなり勇ましい。V4独特の排気音も魅力的。カーボンのプロテクターにもアクラボビッチのロゴが入る。
鍛造アルミ製のリアホイールは6.0×17。リアブレーキはφ220mmディスクとブレンボの対向ピストンキャリパーの組み合わせ。ピストン径は32mm。
アルミ成形材を組み合わせたスイングアームは従来モデルに比べて捻じれ剛性を向上。コーナーからの立ち上がりでの安定性を高めている。
リアショックはオーリンズのTTS。フルアジャスタブルで別体タンクを備え、連続したスポーツライディングでも安定して性能を保つ。
超高速域での空力を考えたテールカウルと保安部品。タンデムをする場合はテールカウルの上部をシートに交換する。
ハンドルバーは垂れ角が少なく、荷重などの操作がやりやすい。
先進の電子デバイスを装備。左のスイッチボックスで様々なデバイスの切り替えを行う。スーパースポーツとしては珍しくオートクルーズも装備。数値を切り替えるタイプの為、設定も簡単。ピットリミッターはサーキットだけでなく、ストリートでは制限速度などに設定することもできる。
右のスイッチボックスはセルとキルスイッチのみ。スロットルはフルライドバイワイヤーでコントロールされる。
フロントフォークは左で圧側、右で伸側の減衰調整を行うことができる。
個性的なデザインのフロントカウル。ヘッドライトは3灯式。小型のウイングは高速域でのダウンフォースを発生させ、高速での安定性を高め、ブレーキの効力を増大。ウイリーしようとする力を押さえつける効果もある。
シートは体重移動しやすい形状。スポンジは極端に硬いわけではないのでストリートでも簡単にお尻が痛くなるようなことはない。
テールカウルはキーで簡単に取り外しができるが、内部に物を収納するスペースはない。タンデム用のシートに交換することと整備用だ。
メーターには様々な情報が表示される。コントロールはすべて左スイッチボックス。様々な調整の仕方を覚えるのが、このマシンと付き合う第一歩。トラクションコントロールはスロットルを戻すことなく8段階、ウイリーコントロール3段階、ローンチコントロール3段階、ピットリミッター、クルーズコントロール、コーナーリングABSの感度3段階、3つのパワーモードの等の調整が可能
調整機構が充実している点ではライバルをリード。スイングアームピボット位置とエンジン搭載位置を調整することが可能。
クイックシフターを装備。シフトダウンもブリッパーがある為クラッチ操作無しでシフトチェンジが可能。加速中でもシフトダウン可能なのはこのマシンだけ。激しい戦いで競り合っている時に頼りになる装備。チェンジペダルの位置も調整が可能だ。
フレームのカラーを入れ替えることでキャスター角も変更することができる。調整幅は±3 mm。ハンドリングの軽快感、安定性を好み合わせて設定することができる。

主要諸元

エンジン:4ストローク 水冷65°V型4気筒 DOHC 4バルブ
総排気量:1,077cc
ボア×ストローク:81 mm×52.3 mm
圧縮比:13.6:1
最高出力:217HP(159.6kw) / 13,200rpm
最大トルク:122Nm / 11,000rpm 
燃料供給方式:電子制御燃料噴射システム、マレリ製 48 mm スロットルボディ、 ライド・バイ・ワイヤ エンジンマネージメントシステム
点火方式:電子制御イグニッションシステム
潤滑方式:ウェットサンプ 
始動方式:セルフ式
トランスミッション:6速カセット式 アプリリア・クイック・シフト(AQS)付フルクロスレシオ
 1速: 2.600
 2速: 2.063
 3速: 1.700
 4速: 1.476
 5速: 1.307
 6速: 1.222
一次減速比:1.659
最終減速比:41/16 (2.562)
クラッチ:機械式スリッパ―システム付湿式多板クラッチ
フレーム:アルミツインスーパーフレーム/Öhlins製ステアリングダンパー
サスペンション(F):Öhlins製NIXテレスコピック倒立フォーク Φ43 mm ホイールトラベル125㎜
サスペンション(R):Öhlins製TTXモノショックビギーバックタイプ ホイールトラベル120㎜
ブレーキ(F):330 mm 軽量ステンレス製フローティングデュアルディスク、ブレンボ製Stylemaモノブロック ラジアルマウント 30 mm 4 ピストンキャリパー
ブレーキ(R):220 mm ディスク ブレンボ製 32 mm 2 ピストン フローティングキャリパー
ABS/ボッシュ製9.1MPコーナリングABS 3マップ
ホイール(F):3.5J x 17 軽量鍛造アルミホイール
ホイール(R):6.0J x 17 軽量鍛造アルミホイール
タイヤ(F):120/70-ZR17
タイヤ(R):200/55 ZR 17
全長:2,052 mm
ホイールベース:1,439 mm
シート高:851 mm
車両重量:199Kg(燃料90%搭載時)
燃料タンク:18.5 L
ボディーカラー:RACER

著者プロフィール

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後藤武