充実した足まわりといい、ライバル不在の独創性が魅力!!

こんな200ccバイクが欲しかった。ロケットカウル付きのこのカフェレーサー、GPXジェントルマン レーサー200

ロケットカウル風のフェアリングにセパレートハンドル、そしてシングルシート風のタンデムシートカバー。カフェレーサースタイルにまとめあげられた“ネオクラシック”モデルは、タイGPXの上級モデルですが、価格はアンダー40万円(税抜き)です。「Gentleman Racer(ジェントルマン レーサー)200」、注目せずにはいられません!!

REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) 
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●GPX 千葉 クロニクル(https://chronicle521.com)

※2020年01月05日に掲載した記事を再編集したものです。現在このモデルは販売を終了しています。

スポーツマインドくすぐる乗車姿勢でアクセルは大きく開け気味に

Gentleman Racer(ジェントルマン レーサー)200

 ライディングポジションが前傾になったことで、身体をより積極的に動かし、シートやステップへの荷重にメリハリを付けてアグレシッブに操りたくなります。右手のアクセル操作も大胆になり速度域もアップしがちですが、それでもSOHC2バルブ単気筒の200ccエンジンは穏やかで、手に負えないほどの突出したパワーや過敏なスロットルレスポンスではないので、余裕を持ってコントロールできるのでした。

 また、今回の試乗車はマフラーがツキギレーシング製のステンレス製スリップオン・メガホンサイレンサーに換装され、サウンドに迫力があります。アクセルをより大きく開けるのが楽しいのは、言うまでもありません。

Gentleman Racer(ジェントルマン レーサー)200

 高揚感もあって、エンジンをつい高回転までブン回してしまいますが、ビュンビュン回るわけでなく、すぐに応答性がよくシングルエンジンらしい鼓動を伴う低中速域を使って走ろうと考えが改まります。

 乗車姿勢こそ車名のとおりレーサーですが、得意とするのはサーキットではなくストリート。ジェントルに走るのがマシンのキャラに合っているのは間違いありません。

 ただし、身のこなしは軽く決してノンビリ走るだけではありません。ハンドリングは軽快で、前後サスペンションはしなやかに動いて荒れた路面も苦にしないのが持ち味。タイヤへの依存度が低く、身構えることなくスポーティに走れるのは、どんな操縦であれ行きたい方向に視線を送り車体を傾けさえすれば舵角がつき旋回してくれるからで、車体剛性に見合ったサスペンション、そしてエンジンの出力特性といったトータルバランスに優れるところも「ジェントルマン」そして「ジェントルマン レーサー200」の秀逸なところでしょう。

 スペック的にズバ抜けた部分はありませんが、総合的な範囲内で上手くまとめ上げてストレスを感じるところが見つかりません。斬新で目を惹くスタイルで、走りも及第点。ラジアルマウントキャリパーやダブルディスクブレーキ、倒立フォークが備わりながらも税抜き40万円を切る車体価格を考えると、選択肢のひとつになるのは納得がいくところでしょう。

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著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…