【新型車研究所】ホンダGB350
なんでも今から注文すると納車まで半年以上かかると噂になっているホンダGB350。クラシカルなスタイルと空冷350cc単気筒エンジンの組み合わせは、2021年にファイナルモデルとなったヤマハSR400以降の国内モデルでは存在しない仕様。そんな点が評価されての人気なのかもしれないが、果たしてどうなのだろう。そこでモトチャンプでもGB350を取り上げ、魅力の真相に迫っている。今回はモトチャンプがユーチューブで無料配信しているチャンネル「モトチャンプTV」で視聴することができる動画からGB350の魅力に迫ってみたい。
紹介するのは「【新型車研究所】ホンダ・GB350〜空冷単気筒の新型ロードスポーツモデル」という動画。案内役はモトチャンプTVですっかり名コンビとして定着してきた編集長のチャボとジャーナリストのケニー佐川。二人の掛け合いにクスリとしてしまうシーンも多いが、しっかり見ていただきたいのはGB350の車体構成と乗り味。でもその前に、ホンダのGBといえばこれでしょう、と二人とも新型GB350を語る前にルーツを紹介している。
ケニー佐川も語っているように、ある一定の世代以上であるならGBと聞けばクラブマン、というくらいGB250クラブマンのイメージが強いことだろう。最先端技術や性能を追い求めていた80年代にクラブマンが発売された時は、そのクラシカルな出立とシンプルなメカに誰しも驚いたものだった。ではなぜ今、改めてGBなのだろう。
新型GB350はインドを主要マーケットとして開発・発売されたという経緯がある。ところがインドではGBではなくハイネスCB350と名前が異なる。その理由もケニー佐川が語っているが、インドではフラッグシップモデルに当たるからCBであり、これにに対して日本国内でCBはスポーツ色が強い最先端モデルであるため別の名前とされたのだ。動画ではさらに詳しい理由なども語られている。
350という排気量からすると、GB350の車体は少々大きめ。というのも前述のようにインド市場ではマッチョさが重視されるからなのだ。フロントに19インチタイヤを採用しているのも、インドでは未舗装路がまだまだ多いという事情を反映してとのこと。気になるシート高は800mmで別の記事でも足付き性をチェックしている。ご覧いただけたら身長が179cmあるケニー佐川との体格差で足つきがどれほど違うかが一目瞭然だ。
動画を見なければなかなか気がつかない点もある。例えばこちらの右ペダルがそうで、なんとのこの形状とサイズを実現するため特別な製法を採用しているというのだ。どんな秘密があるかは動画で確認してみよう。
タンデムした時のポジションなども確認している。こうしたチェックは普段使いできるバイクにとって意外と重要なものの、意外と紹介している誌面や動画は少ない。実際にタンデムする機会が多いライダーには貴重な情報だろう。チャボとケニー佐川のタンデム姿は決して美しいとは言い難いのだが……。
チャボとケニー佐川の掛け合いが炸裂しているが、エンジンが直立していることもGB350の個性だろう。そもそもエンジンはクランクケースに対してシリンダーが垂直に配置されていることが多かった。伝統あるデザインなのだが、現在では性能や搭載位置などを追求して垂直にデザインされているエンジンが少なくなっている。これもクラシカルさを強くしている部分だろう。
試乗してみると穏やかな特性とエンジンの元気ある鼓動を強く感じられるという。穏やかな特性はフロント19インチタイヤなども影響しているが、実はフレーム設計に秘密があるという。ケニー佐川がGB350の開発チームを取材して聞き出したポイントで、フレームのしなやかさが乗り味に大きな影響を及ぼしているという。具体的には動画で確認していただきたいが、スタイルと走りがマッチしていることもGB350の特徴だろう。
乗り味とある意味同じくらいかそれ以上の魅力となっているのがエンジン音。排ガス規制や騒音規制をパスしているのはもちろんだが、それにしても歯切れがよく単気筒らしいパルス感を表現しているエンジン音なのだ。これには二人とも「いい音だね」と太鼓判。どのような音なのか、まだ聞いていないならぜひ動画でエンジン音の魅力を感じてほしい。
現代のモデルなのでコーナリングに独特な操作は必要なく、技量問わず誰もが気持ちよく走れると評価するケニー佐川。さらに詳しく知りたいならモトチャンプ2021年6月号に掲載されているので、こちらも必読だ。今回の動画とモトチャンプ本誌を併せて確認すれば、GB350の魅力をすっかり理解できることだろう。