生まれ変わったヤマハMT-07、これはミドルスポーツの傑作車です。

ヤマハMT-07
“Master of Torque”に由来する「MT」はヤマハのロードスポーツカテゴリーを担う主力ブランドである。その中心的存在のMT-07がマイナーチェンジされ7月28日に新発売。デビューに先駆けた6月25日、千葉県にあるサーキットを舞台に報道発表試乗会が開催された。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ヤマハ発動機株式会社

ディテール解説

LED化されたヘッドランプを新採用。最新MTシリーズ一連のコンパクトなヘッドランプデザインはなかなか個性的。ステアリングまわりの軽量設計は大歓迎である。

φ298mmのフローティングダブルディスクローターには、対向4ポット油圧キャリパーを採用。フロントフォークはφ41mmの正立式が装着されている。タイヤはウェット性能を向上させたミシュラン製の新ラジアル・チューブレスを履く。
クロスプレーンコンセプト。既にお馴染みの270度位相クランクが採用されたDOHC4バルブの水冷ツインエンジン。金属部品の素材感を表現する新色「クリスタルグラファイト」仕上げも新鮮な特徴だ。
チョコンと右サイドに顔を出す1本のショートアップマフラーを採用。エンジン周辺がひとまとめに凝縮された塊感を覚える。
前方に寝かされたモノショックユニットは、車載のレンチとエクステンションを使い7段階プリロードの調節が、下端(後端)側ではマイナスドライバーで伸び側のダンピング調節ができる。
φ245mmのシングルリジッドローターには、NISSIN製1ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを採用。ウィット性能に優れると言う新ラジアルタイヤはミシュラン製。サイズは兄貴分のMT-09と共通だ。
兄貴分のMT-09より表示面積の大きな横長のデジタル液晶メーターが採用されている。ネガティブ表示式で文字も大きく見やすい。ご覧の通り、レッドゾーンは10,000rpmから。
シュッとスマートなフィニッシュを魅せるテールビュー。クリアレンズのLED式ウインカーは、ナンバープレートホルダーに一体マウントされている。

主要諸元

MT-07

認定型式:8BL-RM33J
原動機打刻型式:M419E
全長×全幅×全高(mm):2,085×780×1,105
シート高(mm):805
軸間距離(mm):1,400
最低地上高(mm):140
車両重量(kg):184
燃料消費率(km/L):40.0(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値(km/L):24.6 1名乗車時
最小回転半径(m):2.7

原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列,2気筒
総排気量(㎤):688
内径×行程(mm):80.0×68.5
圧縮比:11.5 : 1
最高出力(kW/rpm):54(73PS)/8,750
最大トルク(N/m/rpm):67(6.8kgf・m)/6,500
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量(L):3.0
燃料タンク容量(L):13(無鉛プレミアムガソリン指定)
燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V 8.6Ah(10HR)/ YTZ10S

クラッチ形式:湿式多板
変速装置:常時噛合式6速
変速方式:リターン式
1次減速比/2次減速比:1.925(77/40)/2.687 (43/16)
変速比:
 1速:2.846  (37/13)
 2速:2.125  (34/16)
 3速:1.631  (31/19)
 4速:1.300  (26/20)
 5速:1.090  (24/22)
 6速:0.964  (27/28)

フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター(度):24°50′
トレール(mm):90
タイヤサイズ(前/後):120/70ZR-17M/C (58W)(チューブレス)/180/55ZR-17M/C (73W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED/LED
乗車定員:2名

●試乗後の一言!

自分のライディング・テクニックが上達した様に感じられるバイクは、間違いなく「傑作」です。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…