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立ちゴケした理由を検証
大型リターンを誓いモトグッツィV7を買うつもりだった短足オジサン。ところが新車は思うように買えないため、紆余曲折あって中古のMVアグスタ・ブルターレを買ってしまった。その顛末は過去の記事を参照いただきたいが、ブルターレを買って大問題が発覚した。情けないことに納車時、立ちゴケを喫してしまったのだ。その理由も過去の記事で述べているが、要するに靴の違いで足つき性が違うことを忘れたまま買ってしまったのが敗因だ。それではどうする? まずはなぜコケたのか検証してみることにした。
写真では大きな違いに見えないかもしれないが、短足オジサンにとっては1〜2cmの差が勝負の分かれどころになる。初めにブルターレへまたがった時はビブラムソールの厚い靴底だったのでつま先が曲がるくらい着地した。けれど底の薄いライディングシューズではつま先がツンツン状態。これでコケるリスクが増してしまった。。
インソールで足つき性を改善する
一目瞭然なのだがビブラムソールのブーツはライディングシューズに比べて、靴底が厚い。測ってみるとブーツのつま先部分でソールの厚さは2cmあり、カカト部分だと4cmあった。対してライディングシューズはほぼ半分以下しか厚みがない。これでは足が届かないわけだ。せっかく手に入れたブルターレを手放すなどもってのほかだが、足が届いて「これなら乗れる!」と思った時に履いていたブーツをバイク用にするのは、シフトチェンジで革に傷がついてしまうのがもったいない。それなら靴を新たに買うのが本来だが、根が貧乏性なのでできれば今あるモノを何とか使えるようにしたい。だとするなら、立ちゴケしたライディングシューズに工夫をすればいいのではないか。
ワラをもすがる思いで手に入れたのが、ネット通販で広く流通しているシークレットインソールという商品。最大で7.5cmもアップするというが、通常はカカト付近に赤いエアクッションが付く1枚だけで使うようだ。さらにアップしたい場合に付属のクッションを追加する。これでお値段1000円未満なのだから試しに使ってみる気にもなるというもの。では1枚だけ中に敷いた状態でブルターレにまたがってみよう。
試した結果はご覧の通りで、底が薄いライディングシューズでも何とかブルターレに不安なくまたがることができるようになった。さらにクッションを1枚追加するとさらに足付き性は向上したものの、ここまでカサ増しするとカカトが靴から浮いてしまうという問題も。クッションを追加した状態では何かあった時に靴が脱げてしまうと思えるくらいに靴のホールド性が悪化してしまった。普段歩くだけなら問題はないだろうが、この状態でバイクに乗車するのはオススメできない。普通に1枚だけ使用するだけでもつま先が曲げられるくらいになるし、お尻をズラせば片足ならカカトまでベッタリと着地させることができる。これなら作戦は成功といえるだろう!
やっぱり厚底のブーツがいいかも?と思い始めた。
シークレットインソールで不安なくブルターレへまたがれるようになった。これで試しに近所をグルッと走ってみたところ、確かに足付き性が良くなった分だけ止まることに対する恐怖心は薄れた。ただ、これで万全かといえばそうでもないのが本音。路面が傾斜している場所で止まる時には細心の注意が必要だったのだ。なぜかといえばカカトは大幅に高くなったものの、つま先はそれほど厚くなっていないのが理由だ。停車する時はどうしたってつま先から路面に接する。停車するより前に足を出してつま先が路面に届くか確認してから止まるのが短足オジサンの悲しさ。この時につま先の着地するタイミングが想像しているより遅いと焦ってしまうことになるのだ。傾斜した路面でも届くことは届くが、やはり恐怖心には勝てない。こればかりは貧乏性を優先していると解消しないため、ブルターレを契約した時と同じくらい清水の舞台に立ったつもりでブーツを買うことにした。
バイク用のブーツを探すといろいろなメーカーから各種商品が出揃っている。正直なところ、どれを選べば良いのか悩んでしまうだろう。こうした時はショップへ行って実際に履いてみるのが一番。ところが新宿まで車で2時間かかる僻地に住んでいるので近所に用品店がない。試し履きのために往復数時間もかけるほどヒマではないので、バイク雑誌で活躍するカメラマンなどの意見を参考にした。その結果選んだのが写真のガエルネ製ブーツ。貧乏性なのに高いブーツを買ったものだと思われるだろう。もっと安価なものを選んでも良いが耐久性に疑問が残る。おそらくバイク用のブーツを買うなんて人生最後になるかもしれないのだから、若干高価でも一生履けるものを選ぶのが結局は割安になるのだ。ガエルネを履いてすでに500km以上走り込んでいるので部分的に傷が付いてしまったが、実際の足つき性をご覧いただこう。
結果はご覧の通りでシークレットインソールを追加したライディングシューズより明かに足つき性は向上した。これは傾斜した路面で顕著に現れ、停車する前に足を出してつま先から路面を探ると、想像したタイミング通りに路面と接してくれたのだ。この安心感は絶大な自信になり、ブルターレに乗ることが苦にならなくなった。だから納車されてからすでに500km以上走っている。え、まだ500kmしか走っていないのかと思われるかもしれないが、無理して乗るより天気や気温、体調が万全な時しか乗らないし、仕事が立て込んでしまうことだってある。締め切りに追われている時は乗ろうとも考えないので、これはある意味職業病か…。さらにここしばらくは猛暑日が続いて乗る気にもならない。というのも、このブーツを真夏に履いていたら蒸れること間違いなしだから。蒸れへの対処法は考えていないが、考えているうちに涼しくなるだろう!