目次
天気は晴れ、最高気温は36℃(気象庁発表)、とにかく蒸し暑い……
猛暑日が続く日本の真夏。「埼玉県熊谷市では40.8℃を記録」等々、地域によっては40℃超も珍しくなくなった。
かつては「40℃超なんて、赤道近くのインドやアフリカのお話」なんて思っていたけれど、それも今や昔。日本の夏は湿度も高く、亜熱帯エリア特有の、しつこくまとわりつくような暑さに変貌。熱中症になるリスクも極めて高いので注意したいところだ。
熱中症を防ぐため、また、少しでも快適性を求めるため、現在巷で流行しているのが、首掛けタイプの便利なネッククーラー。歩いて移動する時、電車やバスなどでの移動時、自動車の運転中など、様々なシーンで活用されている。
今回はAmazonでいくつかのネッククーラーを購入。今回は街なかでもよく見かける、扇風機タイプから試してみることに。
【実験データ】
・テスト日:2022年7月20日(水)の日中
・場所:東京都江東区
・当日の天気:晴れ時々くもり
・最高気温(気象庁発表):36℃
・テスト環境:アスファルトの照り返しが物凄い。日なたの実測温度は40℃超
・体感温度:とにかく朝から蒸し暑い。日中は頻繁に水分を補給し、時々日陰で休憩しないと、熱中症になりそうな身体に堪える厳しい暑さ
BLADELESS NECK FAN……2599円(購入価格)
今回この製品を選んだ理由は、アマゾンレビューの評価が高かったから。それで届いたのが、こちらのパッケージ。開封すると……。「amazonギフト券」なるものがが入っていました。 アマゾンレビューに5つ星の評価とコメントを書き込み、その画像を出店者に送ると、1000円分のギフトがもらえるそうです。サクラレビューのイン●チキだったんですね。
あやしいスタートとなってしまったが、バイクに使えれば、ひとまずは良し!ということで、気を取り直してインプレッションを続行。こちらの製品は国内では各社からリリースされている、最新設計の首掛け扇風機。独自の技術により、自然の風に近い空気の流れを実現。左右両側に32個の送風口を設置し、首や後頭部を涼しくしてくれるのが特徴だ。
風量は「弱・中・強」の3段階に調節可能で、好みや使用環境に合わせて任意に選択OK。ネッククーラーの本体は、軽量で頑丈なABS素材とし、空冷ファンを動作するモーターは、高品質のブラシレスモーターを採用。なお、モーターは強力な風量を確保しながらも、回転音は低騒音設計としている。
バッテリーは4000mAhの大容量タイプを内蔵しており、およそ3~4時間でフル充電可能。稼働時間は最大約10時間とし、長時間の外出時も使用可能。クーラー本体の重さは260gなので、長時間使用しても肩や首に負担が掛かりにくい。
「折り畳み式 首掛け扇風機」の快適指数
バイク走行時 ☆
信号待ち ☆☆
冷房の効いた室内 ☆☆☆☆☆
ズバリ、扇風機式はバイクではあまり意味なし!
風量を強に設定してスイッチをON。走行してみるが、うーん、微妙……。扇風機から噴出される温風が、首元で走行風にかき消されるイメージだ。涼しさを感じるのは走行風そのもので、首元自体はプラスチックボディが、むしろ煩わしい。
信号待ちでの涼しさに期待したものの、アスファルトの照り返しも強烈すぎるせいか、温風しか出てこないぞ……。もちろん風量をMAXの強にしているが、空冷効果はほとんどなし。熱風が首周りにまとわりつき、がっかりでした。
バイクを降り、日陰で少し休憩。しばし身体を冷やして使用してみると、「やや涼しい」という印象。日が沈んだ早朝&夜のウォーキングなどでは、涼しく使えるかも。
続いて冷房の効いた室内で使用してみると……。おお! 快適カイテキ! 具体的に言うと、クーラーの設定温度を1℃下げても、首周りは1℃下げる前と同等の涼しさがキープできる感じ。
日陰に加え、冷房の効いた自宅や車内で使用するのにはオススメできる首掛け扇風機。注意したいのが、電車やバスなど、公共交通の車内で使用する場合。風量温は「弱・中・強」のいずれも、送風用のモーター音が響くため、「騒音だ」「うるさい」と感じる人がいるかもしれない。ただしガラガラの車内であれば、まったく問題ない範囲かと思われる。
騙されっぱなしは悔しいので、保冷剤での「0円冷却」を試してみた
3000円を無駄にしてしまったままでは悔しいので! 生鮮食品やデザートを買った際にもらえる保冷剤で、夏場を凌げるか、試してみることに。
薄手の手ぬぐいに、カチカチに凍らせた保冷剤を4個セットして首に巻き付けた。
灼熱の中でバイクに乗車する場合、残念ながら上記の2商品で優れた快適性を獲得することはできなかった。ならば! 日本古来の「手ぬぐい」に、カチカチに凍らせた保冷剤を包み、首に巻き付けるという古典的な手法を敢行。
タオルではなく手ぬぐいを使用した理由。それはタオルよりも、手ぬぐいは圧倒的に薄い生地であること。薄い生地=ダイレクトに保冷材の冷たさを、首元に伝えるためだ。
筆者はかつて、真夏に濡れたタオルを首に巻き、時折頭から冷水をぶっかけ、息子の通う小学校の草刈作業を3時間やったことがある(首に巻いたタオルは、頻繁に冷水につけてあげる)が、「手ぬぐい+保冷剤」を使ったこの手法は、筆者的には初体験。やったことがあるようで、意外とやったことがないこの手法。果たして、その効果の程は?
「手ぬぐい+凍らせた保冷剤」の快適指数
バイク乗車時 ☆☆☆☆☆
信号待ち時 ☆☆☆☆☆
冷房の効いた室内 ☆☆☆☆☆
すべてにおいて5つ星。「キンキンに冷える!」「生き返った!」「ズバリこれだぜ!」とは、まさにこのことだろう。かつて息子が通う小学校の草刈り時、筆者はなぜこの手法を使わなかったのか? 今回は草刈り時の肉体的&精神的苦痛の回避を遥かに凌ぐ、極めて優れた冷却効果を体感できた。
首に巻き付けた瞬間、首元を伝い、冷たさが全身に伝わる。「熱中症になってしまうぅぅぅ~~」と悲鳴を上げそうになっていた意識と身体が、「シャキーン!」と一気に目覚めた。余りの温度差に身体がビックリしたのか、はたまた瞬時のうちに、妙な脳内麻薬が分泌されたのかは知らんが、首元に装着した途端、脳天を貫くような快感を感じた。
ちなみに、もしも熱中症になった時は、
1:首の左右 2:脇の下 3:足の付け根
を冷やすのが鉄則。首の左右を超低温で冷やす手法は、医学的にも理に叶ったものなのかもしれない。1に加え、2と3も超低温で冷却できれば理想的であり、万全だと思う(バイクパーツメーカーの皆様、かなり難しいでしょうが、何卒1~3の冷却アイテム開発の程、宜しくお願い致します!)。
今回の決め手は手ぬぐいの薄い生地と、保冷剤の400gという大容量による相乗効果といえるだろう。灼熱の中、首周りの冷たさは1時間ほどキープし、その能力はそのあたりから大幅に落ち始める。アルミのクーラーバックに入れていた予備(自宅出発から5時間後でもまだカチコチ!)の保冷剤100g×4個と交換し……オオオォォ~! 再び涼しさを通り越した、灼熱の中ではヤバいくらいの、南極級のぶっ飛んだ冷たさをゲットしたぞ~! この冷却力は、バイク乗車時はもちろん、ジョギングや散歩、日中の屋外作業などでも重宝しそうだ。
この手法の弱点は、保冷剤は意外とかさばるという点。ただ気温や用途によってはもう少し小さい保冷剤でも十分だろうし、そもそも0円で入手した保冷剤で、しかも繰り返し使えるというのが素晴らしい。バイクでも自転車でも歩きでも、いろんな場面で活用できる、覚えておいて損はしない手法ですよ!
※注:上記はあくまでも筆者の感想です。個人の感覚・体質・健康状態、また気象状況等により感じ方は異なります。