ヤマハXフォース試乗レポ|6000rpmから走りが変わる、VVA効果を体感!

125cc超250cc以下の軽二輪スクーターに注力しているヤマハが、このクラスのラインナップをさらに拡充した。生産国の台湾では「フォース2.0」という車名で2021年10月から販売されているモデルが日本にも導入されることになり、フレームなどシャシーのベースとなっているのは原付二種のシグナス グリファスだ。エンジンはNMAX155系のVVA付き水冷ブルーコアで、ホイールは前後12インチのシグナス グリファスに対して前後13インチを採用する。果たしてその実力は?

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ディテール解説

可変バルブのVVAやスマートモータージェネレーターなどを採用する155ccの水冷SOHC4バルブ単気筒。最高出力や最大トルクなどのスペックはNMAX155と共通だが、変速比はややローギアードとされるほか、アイドリングストップは非採用。トラコンは装備している。
幅広のバーハンドルを中心に構成されたコックピット。樽型の特徴的なハンドルグリップはシグナスグリファスと共通で、左右スイッチはごく一般的なもの。独立式のスクリーンはコンパクトで低く、防風効果は望むべくもないが、その代わりに圧倒的な開放感あり。
新設計の軽量13インチホイールを採用。フロントブレーキはφ267mmウェーブディスクと片押し式2ピストンキャリパーのセットで、これに前後独立式のABSを組み合わせている。
リヤブレーキはφ230mmディスクとシングルピストンキャリパーのセットで、パーキング機構はなし。リヤショックはプリロードを4段階に調整可能。標準装着タイヤはマキシス製MA-R1Nだ。
2眼式ヘッドライトはハロゲン球で、右がロービーム、左がハービーム。パッシングで両方が点灯する仕組みだ。スクリーンの前端下部には常時点灯のポジションランプを配置。
テールランプとブレーキランプはどちらもLEDで独立しており、ブレーキレバーを引くと下段が点灯する。なお、前後のウインカーとナンバー灯はフィラメント球を採用する。
シート下トランクの容量は約23.2ℓを公称。フレームが共通のシグナス グリファスの約28ℓよりもやや小さめだ。シートヒンジの左右にはヘルメットホルダーが設けられている。
フロントポケットはフタなしで、500mlのペットボトルがちょうど収まる。5V2.0AのUSBソケットやコンビニフック、専用アプリを介してスマホと連携できる機能なども採用する。

X-FORCE ABS 主要諸元

認定型式/原動機打刻型式 8BK-SG79J/G3S5E
全長/全幅/全高 1,895mm/760mm/1,120mm
シート高 815mm
軸間距離 1,340mm
最低地上高 125mm
車両重量 130kg
燃料消費率 国土交通省届出値 
定地燃費値 48.1km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値 40.9km/L(クラス1)1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 155cm3
内径×行程 58.0mm×58.7mm
圧縮比 11.6:1
最高出力 11kW(15ps)/8,000rpm
最大トルク 14N・m(1.4kgf・m)/6,500rpm
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.00L
燃料タンク容量 6.1L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V、6.5Ah(10HR)/GT7B-4
1次減速比/2次減速比 1.000/10.208 (56/16×35/12)
クラッチ形式 乾式、遠心、シュー
変速装置/変速方式 Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比 2.281~0.717:無段変速
フレーム形式 アンダーボーン
キャスター/トレール 26°30′/99mm
タイヤサイズ(前/後) 120/70-13 53P(チューブレス)/130/70-13 57P(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ ハロゲンバルブ(12V、55W×2)
乗車定員 2名

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…