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バジャジ・ビーナスローマ…….712,800円
BAJAJ(バジャジ)とは、インドの老舗バイクメーカーで、1960年代から1970年代に掛けてイタリアのスクーターブランド、ピアジオ・ベスパをライセンス生産していました。
ライセンス契約が切れたのちに、BAJAJが生産・販売していたのがこのビーナスローマで、デザインもメカもベスパ由来。違いはエンブレムがベスパではないという点です。日本国内においては2000年代初期ころまでいくつかの並行輸入業者によって販売されていたという経緯があります。
そんな一風変わった経歴を持つビーナスローマですが、今回はCKデザインが1990年に日本に輸入した30台ほどの車両が、30年の時を経た今販売される、というお話です。
CKデザインとは、ドイツのバイクメーカーHOREX社から認定を受けたオリジナルバイク「HOREX 644 OSCA」を開発・販売していたことで知られる日本の会社で、31ccエンジンを搭載したミニマムバイク「子猿」のメーカーとしても知られています。
代表の佐々木和夫さんは、もともと「ローマの休日」(1953年公開の映画)の大ファン。オードリー・ヘップバーン扮するアン王女が乗っていたスクーターへの思い入れがあり、「後年になればこのビーナスローマのビンテージデザインは、もっと際立つだろう」、というインスピレーションが働いて、しばし倉庫で保管することにしたそうです。
2ストエンジンに独特のハンドシフト、往年のスチールモノコックのラージボディ、片支持方式のホイールなどなど、見どころ満載のこのビーナスローマですが、今回販売する車両は各部に70年代のパーツで組み立てるようにオーダーして生産された限定特別仕様車というのも特筆点です。
CKデザインでは、今年6月15日に報道発表会を開催。古くて斬新なスクーターが販売されるとあって注目を集めています。
なお、販売は「モトビート・シフトアップ」(045-931-3633)が担当。早くも問い合わせ多数で、中には木枠のまま梱包を解かずに売って欲しいという声も入っているそうです。
ビーナスローマの主な特徴
①:エンジン始動はキックのみ。
②:混合燃料を使用する。(ガソリンに2ストロークオイルを混ぜる。※主要諸元参照)
③:リアブレーキ操作は右足で。
④:クラッチは左手操作の手動式。
⑤:ギヤシフトは左手グリップを回す。
実用として乗るにはこれらを十分に理解しておく必要性があるでしょう。
輸入販売を手がけた佐々木さんの印象によると中低速トルクの太い2ストロークエンジンの気持ち良さが懐かしくもあり新鮮。車体も軽く「今のスクーターには無い独特の走りが楽しめます」とコメント。
そこには半世紀前の排気音や独特の空気感があり、ビンテージやスチール製スクーターマニアならずも、オシャレな使いこなしが楽しめる独自の価値と魅力があるようです。ロングストロークタイプの2ストロークエンジンは、思いのほかトルクが強く粘りがあり、低速域でもエンジンの回転に安定感があるそう。
現代では希少な鉄スクーターが新車クオリティで手に入るとなれば、マニアなら興味津々でしょう。50年前の世界観を楽しみたい方にはぴったりの1台と言えますね。
■主要諸元■
全長(mm):1,770 全幅(mm):770 全高(mm):1,030 ホーイルベース(mm):1,200 乾燥重量(kg):92 車体:ラージボディー タイプ:プレス鋼板 燃料タンク容量(L):7.5 タイヤサイズ(前/後):3.50-10 4PR / 3.50-10 4PR ブレーキ形式(前/後):ドラム / ドラム 前輪緩衝方式(前/後):片持ちボトムリンク式 / 片持ちユニットスイング式 エンジン形式:空冷2ストローク 吸気方式:ロータリーバルブ式 シリンダー数:単気筒 排気量(cc):123 ボア・ストローク(mm):52.3×57 最大馬力(ps / rpm):6.3 / 5,200 圧縮比:7.4 :1 変速機段数:4速(左グリップシフト) 点火方式:DC-CDI 始動方式:キック 潤滑方式:混合燃料式 ※混合油は、普通の2ストオイルで可。計量カップが付属。 ※ガソリンとオイルの混合比(目安)は25〜45;1