空冷から水冷に! エンジンが一気に現代化したハーレー・スポーツスターS|前モデルとの違いを検証

2021年7月14日(水)より国内で予約開始されたハーレーダビッドソンの次世代スポーツモデル「スポーツスターS 」。既存の空冷エンジンから、水冷4ストDOHC 4バルブ(吸排気可変バルブ機構付き)V型2気筒の「Revolution Max(レボリューションマックス)」エンジンに進化したスポーツスターSは、米国で生産され、各国へ出荷。日本では2021年秋より順次デリバリー予定だ。ここでは既存の空冷スポーツスター「アイアン883」「アイアン1200」「フォーティーエイト」と、新しいスポーツスターSを比較してみた。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

新開発のDOHC4バルブエンジン「レボリューションマックス」は、スポーティな“ショートストローク型”

ハーレーダビッドソン スポーツスターS ビビッドブラック:185万8000円/モノトーン:188万7700円

写真はすべて日本仕様のプロトタイプ。

 空冷式の「Evolution(エボリューション)」から、水冷式の「Revolution Max(レボリューションマックス)1250T」と呼ばれる最新エンジンを搭載。このエンジンは、水冷4ストロークDOHC 4バルブのV型60度2気筒。吸排気可変バルブ機構付きで、排気量は1252cc。

 水冷Vツインのレボリューションマックス1250Tエンジンは、下記の現行モデルに搭載された空冷Vツインエンジンよりも、軽量なのが大きな特徴。ボア×ストロークは105mm×72.3mmのショートストローク型。最大許容回転数は9,500rpmまで引き上げ、ロングストローク型の空冷式よりも、ショートストローク型ならではの高回転寄りに味付けされているのがポイント。最大トルクは125Nmとし、ポテンシャルの大幅アップを実現した。

 フロントフォークはインナー径Φ43mmの倒立型。コンプレッション、リバウンド、スプリングプリロード調整機能を採用。リヤショックはリンケージマウント式ピギーバックモノショックとし、コンプレッション、リバウンド、油圧スプリングプリロード調整機能が装備されている。

全長2,270 mm
シート高755mm
最低地上高90 mm
レイク30
トレール148 mm
ホイールベース1,520 mm
フロントタイヤ160/70TR17 73V
リアタイヤ180/70R16 77V
燃料容量11.8 L
オイル容量(フィルターあり)4.5 L
車両重量228 kg
エンジン水冷式REVOLUTION Max 1250T
排気量1,252 cc
ボア×ストローク105 mm × 72.3 mm
圧縮比12.0:1
フューエルシステム電子シーケンシャルポートフュエルインジェクション(ESPFI)
最大トルク125 Nm / 6,000 rpm
ミッション6速
フロントホイールアルミニウムキャスト、サテンブラック
リアホイールアルミニウムキャスト、サテンブラック
フロントブレーキラディアルマウント、モノブロック、4ピストンキャリパー
リアブレーキフローティング、シングルピストンキャリパー
ライト(各国の規制に準じる)、インジケーターランプオールLEDヘッドランプ、ロービーム、ハイビーム、シグネチャーポジションライト。オールLEDテール/ストップランプ、シグネチャーテールランプ
ゲージ4インチビューアブルエリアTFTディスプレイ(スピードメーター、ギア、オドメーター、燃料レベル、時計、トリップ、環境温度、低温アラート、サイドスタンドダウンアラート、TIPオーバーアラート、クルーズ、レンジ、タコメーター表示BT機能 – ペアリングでの通話、音楽)

2021年(現行)のスポーツスターは3モデル

 スポーツスターの歴史は古く、1957年から始まる。ファットでヘビーなイメージのあるハーレーだが、スポーツスターはシンプルな構造、軽快な外観、リーズナブルな価格が特徴。日本ではハーレーの入門用や、カスタムベースとしても人気を獲得してきた。2021年モデル(現行モデル)としては、アイアン883、アイアン1200、フォーティーエイトの3モデルを展開。

スポーツスター アイアン 883

モノトーン 138万8200円 カスタムカラー 141万6800円

 883(パパサン)の愛称で人気のスポーツスター。空冷Vツインエボリューションエンジンを搭載。2021年モデルの中では、もっとも小排気量の883cc。ハーレーのエントリーモデルというイメージもあるが、その走りは秀逸で、フレーム、エンジン、足周りは、細部まで入念な仕上がり。タイヤはフロント19インチ、リヤ16インチに設定。

全長2,185 mm
シート高760 mm
最低地上高140 mm
レイク30
トレール117 mm
ホイールベース1,515 mm
フロントタイヤ100/90B19 57H
リアタイヤ150/80B16 77H
燃料容量12.5 L
オイル容量(フィルターあり)2.6 L
車両重量256 kg
エンジン空冷式Evolution
排気量883 cc
ボア×ストローク76.2 mm × 96.8 mm
圧縮比9:01
フューエルシステム電子シーケンシャルポートフュエルインジェクション(ESPFI)
最大トルク68 Nm / 4,750 rpm
ミッション5速
フロントホイールブラック9スポーク 機械加工ハイライト
リアホイールブラック9スポーク 機械加工ハイライト
フロントブレーキデュアルピストン
リアブレーキデュアルピストン
ライト(各国の規制に準じる)、インジケーターランプハイビーム、ニュートラル、オイルランプ、ターンシグナル、エンジンチェックランプ、燃料警告灯、ローバッテリー、セキュリティシステム(装備車両の場合)、ABS(装備車両の場合)
ゲージハンドルバーマウント オドメーター付き電気式スピードメーター、時計、デュアルトリップメーター、燃料切れ警告ランプ、油圧警告灯、エンジンチェックランプ、LED(発光ダイオード)インジケーターランプ

スポーツスター アイアン 1200

ビビッドブラック 142万7800円 モノトーン 145万7500円 ABSオプション:標準 セキュリティオプション:標準

 70年代のチョッパーカスタムシーンをイメージさせる、レインボーグラフィックのボディカラーと、左右に広がったアップハンドルが特徴。ビキニカウル、ミニエイプハンガーバー、カフェレーサースタイルのシングルシート、735mmのローポジションシート、余裕のハンドル位置、フロント19インチ・リヤ16インチタイヤを採用。エンジンは空冷式Vツインのエボリューションを搭載。排気量は1202cc。

全長2,200 mm
シート高735 mm
最低地上高110 mm
レイク30
トレール117 mm
ホイールベース1,515 mm
フロントタイヤ100/90B19 57H
リアタイヤ150/80B16 77H
燃料容量12.5 L
オイル容量(フィルターあり)2.6 L
車両重量256 kg
エンジン空冷式Evolution
排気量1,202 cc
ボア×ストローク88.9 mm × 96.8 mm
圧縮比10:01
フューエルシステム電子シーケンシャルポートフュエルインジェクション(ESPFI)
最大トルク96 Nm / 3,500 rpm
ミッション5速
フロントホイールブラック9スポーク
リアホイールブラック9スポーク
フロントブレーキデュアルピストン
リアブレーキデュアルピストン
ライト(各国の規制に準じる)、インジケーターランプハイビーム、ニュートラル、オイルランプ、ターンシグナル、エンジンチェックランプ、燃料警告灯、ローバッテリー、セキュリティシステム(装備車両の場合)、ABS(装備車両の場合)
ゲージハンドルバーマウント オドメーター付き電気式スピードメーター、時計、デュアルトリップメーター、燃料切れ警告ランプ、油圧警告灯、エンジンチェックランプ、LED(発光ダイオード)インジケーターランプ

スポーツスター フォーティーエイト

ビビッドブラック 153万7800円 モノトーン 156万7500円 ABSオプション:標準 セキュリティオプション:標準

 1950年代に人気を呼んだ、ドラッグレーサー風のボバーカスタムスタイルが特徴。前後16インチホイールにファットタイヤを組み合わせ、ティアドロップ型のスモールタンク、テーパーマフラー、ローポジションハンドルを導入。伝統の空冷式Vツイン型エボリューションエンジンの排気量は、アイアン1200と同じく、ボア径88.9mm×ストローク長96.8mmの1202ccに設定。

全長2,165 mm
シート高710 mm
最低地上高110 mm
レイク30.2
トレール135 mm
ホイールベース1,495 mm
フロントタイヤ130/90B16 73H
リアタイヤ150/80B16 77H
燃料容量7.9 L
オイル容量(フィルターあり)2.6 L
車両重量252 kg
エンジン空冷式Evolution
排気量1,202 cc
ボア×ストローク88.9 mm × 96.8 mm
圧縮比10:01
フューエルシステム電子シーケンシャルポートフュエルインジェクション(ESPFI)
最大トルク96 Nm / 3,500 rpm
ミッション5速
フロントホイールブラック、スプリット9スポークキャストアルミ マシンドハイライト
リアホイールブラック、スプリット9スポークキャストアルミ マシンドハイライト
フロントブレーキデュアルピストン
リアブレーキデュアルピストン
ライト(各国の規制に準じる)、インジケーターランプハイビーム、ニュートラル、オイルランプ、ターンシグナル、エンジンチェックランプ、燃料警告灯、ローバッテリー、セキュリティシステム(装備車両の場合)、ABS(装備車両の場合)
ゲージハンドルバーマウント オドメーター付き電気式スピードメーター、時計、デュアルトリップメーター、燃料切れ警告ランプ、油圧警告灯、エンジンチェックランプ、LED(発光ダイオード)インジケーターランプ

スポーツスターSは大幅な軽量化で、小柄なユーザーにも優しいハーレーに変身!

 新しいスポーツスターSは、フロントフレーム、ミッドフレーム、テールセクションの3つの要素を、エンジン本体に直接ボルトで固定。これによって車両重量228kgとし、現行モデルよりも大幅な軽量化を実現。また、フレームや足周りの剛性をアップさせ、加速、ハンドリング、ブレーキ特性を向上させた。

 写真のライダーは、日本の正規ディーラー「ハーレーダビッドソン ジャパン」の田中さん(身長156cm)。「私(田中さん)は普段、スポーツスター フォーティエイトに乗っています。ドラッグレーサーを彷彿させる、ロー&ロングフォルムのスポーツスターSは、一見マッチョでヘビーなイメージ。しかし実際にまたがってみると、車体は軽く感じられ、スリムな印象です」と語る。

 新世代のドラッグスターSは、全国の正規ディーラーで予約受付中。日本では2021年秋より、順次デリバリー予定だ。

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