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アプリリアといえばスーパーバイク選手権で何度も優勝した実績のある、大排気量スポーツバイクというイメージが強いが、実は長らくスクーターも作り続けている。2ストロークエンジンのSR50はお馴染みのモデルであり、過去にはスクーター最大排気量のSRV850、昨今でもSR GT200などもラインナップしている。今回紹介するのはそれらモデルとは別にインドで生産されているSR125という原付2種モデルだ。
今回もユーチューブで無料配信しているモトチャンプTVのプログラムから「アジアンバイク一気乗りPart2 SR125」という回の内容をダイジェストにまとめている。気になるSR125のスタイルを見れば、いかにも走りそうなスポーティデザインを纏った原付2種スクーター。スタイルで最も特徴的なのが前後に採用された14インチタイヤだろう。サイドなサイズと大径ホイールの組み合わせは、従来のスクーターという概念を覆すかのようだ。
スポーティなデザインはイタリア本国で行い、生産がインドになるアジアンバイクでもあるアプリリアSR125。日本ではバイク館が独自に輸入販売しているモデルで、全国にあるバイク館で取り扱っている。そのため新車には2年間走行距離無制限の補償が受けられ、全国どこのバイク館でもメンテナンスやトラブルに対応してくれる。消耗パーツなど独自に在庫しているため、いざという時に安心できる体制が整っているのだ。
アプリリアSR125の特徴
搭載される空冷単気筒124ccエンジンは、アプリリアと同じピアジオグループに属しているベスパ系のもの。125ccのベスパに乗った経験があれば、ほぼ同じ特性であることがお分かりいただけるはず。最高出力は9.9ps/7000rpmとなっていて、普段使いや街乗り中心であれば過不足ない走行性能が得られる。
スポーティなスタイルながらフロアはスクーターらしく完全なフラット形状を実現している。乗降性の良さはもちろん、足の自由度が高いので気軽に乗車できるところがとっつきやすさに繋がっている。
最近の国産スクーターのようにポケットなどの収納スペースは少ないものの、コンビニフックをしっかり装備している。ちょっとした買い物程度なら不自由なく使えるはずだ。
原付2種モデルなので2人乗車が可能。シートにタンデムベルトはなく、リヤスポイラーかと思えるスポーティな形状のグリップが装備されている。バツ印に点灯するテールランプとともに、悪戯心のあるデザインといえるだろう。グリップを握った時の安心感もバッチリだ。
フル液晶となるデジタルメーターはボタン操作により表示モードを切り替えることができる。平均燃費やトリップメーターのほか時計、オドメーターなども表示可能。円形のタコメーター内にスピードメーターを表示してくれるため、視認性が高くひと目で判断できる部分も高評価。
シート下は燃料タンクがあるため大きなスペースではない。オープンタイプのジェットヘルメットなら入りそうだが、あくまで小物入れ程度に考えておくといいだろう。ただ、スペース内には夜間照明用のライトがあったり、USBポートを備えているので、使い勝手の良い収納スペースと言えるだろう。
サーキットインプレッション!
ケニー佐川が今回もサーキットを走らせての走行インプレッションを語っている。前後にワイドな14インチタイヤを備えるSR125の実力はどうかといえば、「普通にとてもいい」バイクという印象。14インチによる弊害はなく一般的なスクーターとしての走りをしてくれる。ベスパ系のエンジンはパンチ感こそ薄いが、スロットル開度に応じて穏やかに回転を上昇させ排気量なりの加速感を示してくれる。気になる14インチタイヤは直進性やブレーキング時で違和感を感じることはなく、粘りのあるコーナリング特性なので試乗時のようにウエットコンディションでも安心して走ることができる。
ルックスは非常にスポーティなスタイルだから走りもスポーティかといえば、実はそうではない。ごく普通の原付2種スクーターというのが本質。スポーティなモデルを普段からサラッと乗るというのが適した乗り方のようだ。チャボからはシートが硬い印象という指摘があったが、これはヨーロピアンスクーター全般に言えるもの。またシート高も若干高めの設定になっていて、長身のケニー佐川がまたがると膝は曲がるものの角度がキツすぎるということもない。
スポーティなスタイルとアプリリアというブランド性に、日頃から気兼ねなく乗ることができる操縦性を備えるインド製アプリリアSR125。新車価格は30万円を切る29.9万円(消費税込み)。円安基調による輸入品の価格が上昇していた時期の収録だったが、バイク館の新井さんからは値上がりはしないという頼もしいセリフが飛び出した。しばらくはこの価格で買えるはずなので、とてもお買い得な原付2種スクーターと評価できる。