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ホンダの原付2種で12インチタイヤ&ホイールを採用するモンキー125とダックス125。モンキーがクラッチ付きのシングルシート仕様、ダックスは自動遠心クラッチによるタンデム仕様と違いがあるものの、どちらもカスタムベースとして話題沸騰中。そこで今回はユーチューブで動画を無料配信しているモトチャンプTVの中から、「OVERレーシングのモンキー125とダックス125をチェック!」という回に注目してみた。OVERレーシングプロジェクツによるカスタムコンプリート車を開発者とともに紹介しているので、ここではその内容をダイジェストにしてみた。
モンキー125をカスタム!
まずモンキー125から紹介しよう。コンプリート車両の見どころは何と言ってもフレーム。OVERは50cc時代のモンキー用に複数のアルミ削り出しオリジナルフレームを生み出してきた。エンジンや足回りを激しくカスタムするなら、純正とは比較にならないほど高剛性が得られるフレームが欠かせないとして大人気になったもの。モンキー125が発売されたことを受け、OVERでは新たにオリジナルアルミフレームを開発、発売してくれたのだ。
オリジナルアルミフレームにはフレーム番号が刻印されていて、購入時に販売店で販売証明書をもらえば純正ではないOVERのマシンとして登録することが可能だ。逆に純正登録のままアルミフレームに変更すると違法になるので注意が必要。今回のフレームはアルミ削り出しであることにこだわり、従来なら溶接で組み合わされていたシートフレームまで一体で成形されているのが最大のポイント。エンジンをハイパワー化してもしっかり受け止めてくれるフレームになっているのだ。
オリジナルアルミフレームにするなら、ハンドルまわりにも注目したい。純正のステムだとハイパワー化+高剛性フレームに負けてしまうためだ。OVERではすでにモンキー125用として純正ハンドルが使えるトップブリッジキットのほか、ライポジが変えられるスポーツライディングハンドルキットも発売している。どちらも高剛性なトップブリッジとなっているので、オリジナルアルミフレームに十分対応できる。ただし、しっかりとした剛性を得たいならロアーステムキットを併用すべき。シルバーアルマイト仕上げとなっていて、フレームやトップブリッジとの相性はもちろん、ハンドルまわりの剛性を別物に引き上げてくれるはずだ。
足元にも素晴らしいパーツが揃っている。まず簡単に交換できるリヤショックはNITRONとのコラボレーションにより開発されたR3ツインショックが装着されている。車高と減衰力を調整できるのはもちろん、優れた乗り心地と高い操縦安定性が得られる。色合いもシックなブラウン+ブラックでまとめられているので、ボディカラーを問わないところもポイントだろう。さらに注目なのがホイールで、GP-SIXホイールセットは鋳造のキャストより手間がかかるものの優れた剛性と軽さが得られるアルミ鍛造製法により開発された。路面からの入力をストレートにライダーへ伝えてくれるため、タイヤの状態を把握しやすく乗りやすさにも貢献してくれることだろう。
ダックス125をカスタム!
続いてはダックス125。こちらは発売されて間もないため、まだまだ開発中の新製品が控えている状況。未発売の製品も含まれているが、OVERによるコンプリート車両が用意されているので見てみよう。まずムキムキマッチョに見えるポイントがアルミダウンチューブ。ダックス125はプレスバックボーンフレームが特徴で、純正だとダウンチューブは存在しない。ところがアルミの輝きを追加したことで大いに逞しいルックスへと変身している。ネック周辺の強度があまり高くないダックス125なので、アルミダウンチューブはエンジン側に強度を持たせていることが特徴だ。
ダウンチューブで剛性をアップさせたら次はスイングアームに着手したい。アルミ製でスタビライザーが追加されているため、軽くしなやかな動きになるのはもちろんルックスも大いにアップする。さらにGP-PERFOMANCEフルチタンマフラー(9万2400円・税込)を組み合わせることで、一味違うカスタムが完成する。音質はOVERならではのもので、もちろんパワー&トルクアップを実現している。マフラーはこのほかSSEメガホンアップマフラー(9万7900円・税込)もラインナップされている。
タンデムシート仕様になるダックス125は純正のままだと積載性がイマイチ。そこで注目したいのがフレームへ被せるようにして装着するフレームキャリアと、リヤのタンデムバーに装着するリアキャリアだ。OVERらしくライダーが乗車時、体に当たらない形状としたフレームキャリアは大きすぎず小さすぎず、程よいサイズなのがうれしい。フックがかけやすいデザインなので、ルックスだけでなく使い勝手も良好だ。またリアキャリアは現在開発中とのことで発売が待ち遠しい。こちらは小振りなデザインながら体重をかけても変形したりしないだけの強度を確保している。大きめのボックスを固定するにも不安はないだろう。
アルミダウンチューブはすでに発売されているが、純正ボディのネック周辺強度が高くないことから、エンジンスライダーは装着されない仕様になっている。そこで現在、エンジンに固定するタイプのエンジンスライダーを開発中だ。またライディングポジションの自由度を上げてくれるバックステップも同時進行中。4ポジションに調整できるほか、ダックス125らしくタンデムステップもセットになっているのが嬉しいポイント。
最後に装着することで劇的に乗り心地と操縦安定性が変化するリヤショックを紹介しよう。こちらは4輪用カスタムブランドとしてすっかりお馴染みAragostaとのコラボレーションにより開発されたOVER×Aragosta PHASE2ツインショック。車高や減衰力調整が可能なことはもちろん、オーバーホールにも対応している。1本が10万円を軽く超える高額商品だが、一度味わってしまうと純正には絶対に戻れないほど優れた性能が得られる。アルミ製スイングアームと併用することで別次元の走りを実現してくれることだろう。