アプリリアSR GT125の実力はいかに? 【動画・モトチャンプTV】

2022年に発売されたアプリリアSRGT200の記憶が新しいなか、新たに兄弟車となる125ccモデルが発売された。150cc並みのハイパワーエンジンが売り物だが、果たしてその実力やいかに?
アプリリアSR GT125のフロントスタイル。

2022年に発売されたアプリリアSR GT200はアドベンチャースタイルを採用しつつ、優れた加速性能と高いハンドリングを備えるモデルだった。詳しくは過去の記事で詳しく紹介してるので参照してほしいが乗りやすくソフィスティケートされたハンドリングを確認している。だから2023年2月に日本でも発売された弟分のSR GT125は大いに注目されるモデル。原付2種なので維持費が格安であることから、セカンドバイクとして候補になることも多いはずだ。

アプリリアSR GT125のリヤスタイル。

そこで今回はYOUTUBEで動画を無料配信しているモトチャンプTVで公開している「アプリリアSRGT125試乗 スムーズでヌルっと速い!」という回をダイジェストにまとめて、アプリリアSR GT125の実力を紹介してみることにしよう。

ジャーナリストの中村友彦とモトチャンプ編集長のチャボが解説。

動画はモトチャンプ編集長のチャボとジャーナリスト中村友彦の2人によって進行している。お馴染みケニー佐川との掛け合いこそ楽しめないが、今回は真面目に解説している。まずルックスは二人とも高評価。アプリリアらしい顔つきは精悍で誰が見ても「アプリリアだ」とわかるデザイン。サイドにウイングレット状のエアスリットが設けられモトGPマシンのような印象。どこから見てもスポーティな外観となっている。

前後とも長めのサスペンションストロークを採用。

アドベンチャーモデルらしくサスペンションは前後ともたっぷりしたストローク量を確保している。さらにフロント14インチ・リヤ13インチのタイヤ・ホイールを採用。これはホンダADV160などと同じサイズでサスペンションストロークもほぼ同じ。一般的な原付2種スクーターが100mmないストローク量であることを考えると、ガンガンとまではいかなくてもオフロードを無理なく走ることができるだろう。さらにタイヤにミシュラン・アナキーというセミブロックタイプを採用していることもオフでの安心感につながるだろう。

視認性に優れるレイアウトを採用したデジタルメーター。
アイドリングストップ機構を標準装備。

装備面は過不足ない。メーターがフルデジタル表示で、カラフルではないものの視認性の高いデザインと言えそうだ。またハンドル左スイッチでアイドリングストップのモードが選択できる。これはセルモーターの代わりにスマートモータージェネレーターを採用していることで装備が可能になったものだ。また専用アプリをダウンロードすることで、ハンドル右スイッチを操作してスマホと連動させることも可能だ。

ピアッジオ製i-getエンジンは125ccから15HPを発生する。

エンジンは欧州の免許制度に対応して125ccの排気量から、やはり欧州の規制値である15HPを実現。多くの原付2種スクーターが12ps前後であることを考えると非常にパワフルな印象。例えばホンダPCX160の最高出力が15.8psであることを考えると、クラスを超えた動力性能であるとも言える。

広めのシート下スペースだがヘルメットは入らない。
ポケット内にUSBソケットを装備。上の棚はスマホが収まるサイズ。

実用的なポイントとしてシート下スペースやポケットなどの装備が気になるところ。SR GT125は車体をSR GT200と共有している兄弟車であるため、この辺りはほぼ200ccモデルと同じ仕様になっている。イグニッション脇にあるスイッチを押すと開くシート下スペースは、容量こそ25ℓとなっているがヘルメットを入れることが難しいことを実験して確認した。またイグニッションにキーを指して押し込むと給油口が開いたり、左ポケットにUSBソケットを装備されている。ソケットの上が棚になっているので、そこへスマホを差し込んでおくことも可能だ。

シート高は799mmあり足つき性は良くない。

画像では良さそうに見えるものの、ライダーの身長は180cmオーバーのため、あまり参考にならないかもしれない。170cm以上あれば問題ない足つき性といえるが、小柄なライダーや女性だと少々キツイと感じられそうだ。シート高は799mmあり、これはアドベンチャーモデルらしく最低地上高を確保するための数値。またシート自体が硬めなので、沈み込みもあまり期待できないだろう。車体を200ccモデルと共有しているため、車両重量が148kgあり燃料タンク容量が9ℓ確保されている。決して軽い車体ではないので、足つきに不安がある人だと気になるポイントかもしれない。

ウエットコンディションのなかコースで試乗!

200ccモデルと共通の車体であるため、ホイールベースが1350mmとクラスを考えるとロングな仕様。またブレーキはフロントにφ260mmウエーブディスクの1チャンネルABSを、リヤが220mmディスクとなっている。収録時は雨が降るウエットコンディション。コースでの試乗とは言えコーナリング性能の限界まで試すことはできていないが、別日に試乗した印象と重ねてインプレッションを語っている。気になるのは15HPを誇るエンジン性能だが、実際には強烈な加速力ではない。ただし、スルスルと速い印象で気がつくと速度が意外に出ているといったタイプ。これは車体のバランスや剛性が良いため、滑らかに加速してくれることが理由だろう。中間域でのトルク特性も優れているため、常用域からの加速は鋭いものがある。

基本的には乗り心地に優れ高い速度域で路面の良くない場所を走っても車体が乱れることはない。またフロントのスクリーンが効果的で試乗中雨が当たらないことを確認。ブレーキはフロントのABSを意図的に効かせても自然な印象で、リヤをロックさせてもコントローラブル。また重心が高いことでクイックなハンドリングにもなっている。なかなかネガティブな要素を探すのが難しいところで優れたモデルと言えるが、問題は価格。アプリリアSR GT125の新車価格は58万3000円(税込)で原付2種としては割高な印象。ちなみに200ccモデルは60万5000円(税込)であり、判断の難しい価格設定と言えるかもしれない。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…