未来のモビリティは移動するだけではない。ヤマハブースでは研究、開発中のユニークなバイクを展示。【ジャパンモビリティショー2023】

10月27日から一般公開されるジャパンモビリティショー2023。ヤマハブースではコンセプトモデルだけでなく、現在研究、開発中のユニークなモビリティも多数展示している。
今回のブースは楽器製造のヤマハ株式会社が協力して出典している。

JAPAN MOBILITY SHOW 2023が10月25日(一般公開は27日)から東京ビッグサイトで開催された。25日に行われたプレスブリーフィングでは、全日本トライアル選手権に出場する唯一の電動トライアルバイクがステージに登場し、ライダーの黒山健一選手による華麗なライディングが披露された。続いて登場したヤマハ発動機の日高祥博代表取締役社長は「2019年、世界はパンデミックに襲われ、人々は移動の制限、不自由な巣ごもりを経験しました。それまでの当たり前が当たり前でなくなり、人か人らしさを感じることさえ難しくなることもありました。行けなかったところに行けるようになる、会いたかった人に会えるようになる、この当たり前を取り戻そうとしている今、人はもっと幸せになれるというメッセージに込めた想いをより一層強く感じています。『「生きる」を感じる』、ヤマハ発動機は人々の可能性を広げるために、モビリティの存在をさらに際立たせ、その機能を拡張していきたいと考えています」と語った。

黒山健一選手による、電動トライアルバイクのTY-E2.2のライディングが披露された。
ヤマハ発動機代表取締役・日高祥博氏
ヤマハ株式会社代表取締役・田中卓也氏

今回のヤマハブースには沖永良部島の高校生と共同開発したスクーターやエンジンと電動モーターを組み合わせた3輪のLMW、水素エンジン搭載車など、様々な研究、開発中のモデルが展示されていた。

バイクのようなハンドリングが味わえるスリーホイラー「TRICERA(トライセラ)」
カーボンニュートラルに向け、電動以外の選択肢も準備するべく、水素エネルギーによるモビリティも研究。
TZM50のフレームにTY-Eのモーターを組み合わせたミニバイク。タンク部分にはスピーカーが搭載され、アクセルに反応してV4やインライン4、2ストローク、V6、V8エンジンのサウンドを再現できるアクティブサウンドコントロールを搭載したEFV。
TW200をベースにトリシティのフロント周りを組み合わせたLMW。フロントホイールにはモーターを内蔵し、ガソリンエンジンと組み合わせて走行できる3WDのハイブリッドモデルTMW。荒地を豪快に走行してみたい。

 ブリーフィングの後半には今回の展示ブースに協力したヤマハ株式会社の田中卓也社長が登壇し、ヤマハ発動機のテーマにもなっている、出来なかったことが、できるようになる「鍛錬の娯楽化」に共感。バイクなどのモビリティも楽器も同様に鍛錬が必要なことをあげ、「人が豊かに生きていくためには音楽や楽しいモビリティも必要」とし、これを人間必需品と表現した。「オートバイも楽器も楽しいことだけではなく、訓練や手入れが必要。いつも寄り添え合えるパートナー、人生の伴侶となれたら楽しい」と語っていた。

 その後のステージでは、自らが自立して走行する2輪車「MOTOROiD」と人間のダンスを披露。移動する目的だけではない、未来のモビリティを表現していた。

自らバランスをとって自立、走行する「MOTOROiD」と人間のダンサーがステージ上で演技を披露した。
モビリティに知的化技術を融合させ、オーナーの意思を汲み取りながら走行する生き物のような乗り物。
沖永良部島の高校生と共同開発を行なって製作せれた電動モビリティELOVE
すでにヨーロッパで発表されている、1980年台のYZR500をイメージしたXSR900GPも国内初お披露目。

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橘 祐一