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EICMA2023で発表されたニッシンのディスクブレーキ用「小型FSWモノブロックキャリパー」は、FSW(Friction Stir WeldingWelding/摩擦攪拌接合/まさつかくはんせつごう)技術を進化させ、従来のFSWモノブロックブレーキキャリパーのさらなる小型軽量化を実現。
EICMA2023では、進化した小型FSWモノブロック4POTキャリパーのほか、2ピース型4POTキャリパーとピンスライド型2POTキャリパーの3種類が登場。
小型FSWモノブロックキャリパー最大の特徴である高い剛性力は、優れた制動性やコントロール性能を発揮。しかし一般公道走行レベルでは、各キャリパーの剛性力やポテンシャルの違いを細かく比較し、的確に体感することは難しい。
そこで日立Astemoでは、ディスクブレーキシステムを模した小型FSWモノブロック4POTキャリパー、2ピース型4POTキャリパー、ピンスライド型2POTキャリパーを並列。剛性力の違いが分かりやすく体感できる、ユニークな装置を出展した。
3種類のキャリパーはピストン径Φ27mmに統一。剛性力の違いを、液圧ゲージの数値とレバーの感覚で表現
3種類の各キャリパーはすべてピストン径Φ27mmタイプに統一し、付随するマスターシリンダーやホース、ブレーキレバー、ブレーキオイル等をすべて共通化。各キャリパーには、ブレーキフルードに掛かる液圧(出力)が数値化される液圧計を設置した。
各キャリパーの条件を完全に統一し、各ブレーキレバーを同じストローク量だけ作動させ、その時に発生するブレーキフルードの液圧を液圧ゲージで可視化。これにより、ブレーキレバーの「ストローク量(入力)」に対するブレーキフルードに掛かる「液圧(出力)」の違いが明確に発生。結果的にキャリパータイプの違いによる剛性力の違いを、液圧ゲージの数値およびブレーキレバーを操作する指の感覚の両方で把握することが可能となる。
キャリパーの剛性が高ければ高いほど、ブレーキレバーのストローク量(入力)に対する出力の効率が良く、発生する液圧が高くなる。液圧が高い=キャリパーピストンを押し出す力が強く、その結果、制動性が高まるのが特徴だ。
「キャリパーの剛性力と制動性、またコントロール性能が親密な関係にあることが分かった」
各キャリパーの条件をすべて統一し、各ブレーキレバーを同じストローク量だけ作動させた場合。実際に自らの手でブレーキレバーを握り比べても、各キャリパー剛性の違いやブレーキフィールが分かりやすいほどに体感できる。
この体験型展示を体感した来場者からは、
「小型FSWFSWモノブロックキャリパーの高いパフォーマンスが、目と指の感覚でよく理解できた」
「キャリパーの剛性力と制動性、さらにはコントロール性能が親密な関係にあることが分かった」
等々、様々な感想が聞かれた。