ヤマハYZF-Rシリーズの末弟、YZF-R125。ピンクナンバーでも切れ味が鋭いぞ!

ヤマハからリリースされた125cc/155ccのMTスポーツモデル4機種。MT-125とXSR125というネイキッド系2モデルに続いて試乗したのは、フルカウルの原付二種であるYZF-R125だ。YZF-RシリーズのDNAを感じさせるスポーティーなシルエットに、可変バルタイ機構VVA採用の水冷シングルを搭載。兄貴分のYZF-R25よりシート高が35mmも高いという妥協のなさ、果たしてその走り屋やいかに。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ディテール解説

124cc水冷SOHC4バルブ単気筒エンジンは、YZF-R125/MT-125/XSR125の3車で共通。ボア×スト比はφ52.0×58.7mmというロングストローク設定で、7,400rpmを境に吸気側のカムをローとハイに切り替えるVVAや、アシスト&スリッパークラッチ、オン/オフ可能なトラクションコントロールなどを採用する。
音量を抑えつつも、シングルらしい歯切れの良いサウンドを奏でるサイレンサー。ワイズギアで取り扱うアクラポヴィッチ製のフルエキゾーストマフラーは、YZF-R15用と共通で18万400円。MT-125用より1650円高いのは、R15用のエンブレムを同梱していることが理由だろう。
φ37mm倒立式フロントフォークをはじめ、φ282mmのフロントブレーキディスク、バイブレ製の前後キャリパー、前後17インチのホイールデザイン、標準装着タイヤのIRC・ロードウィナーRX-01など、足周りはYZF-R125、YZF-R15、MT-125の3車で共通となっている。付け加えると、タイヤの指定空気圧(1名/2名乗車時ともフロント225kPa/リヤ250kPa)まで同じだ。
リンク式モノクロスサスペンションを採用する。ショックユニットは前後とも調整機構はなし。ワイズギアではシート高を約18mm下げるローダウンリンクを8250円で用意。また、クイックシフトキットは1万9800円で販売中だ。
肉抜きされたトップブリッジが印象的なコックピット。MT-125やXSR125とは異なり、メインスイッチは車体側ではなくトップブリッジ側にある。なお、シャッター付きという点は共通だ。メーターの操作スイッチはハンドル右側にあり、パッシングスイッチがラップタイマーのスイッチを兼ねる。
マルチファンクションLCDメーターの表示情報は、市街地走行向けのストリートモードと、タコメーターの表示が6,000rpm以上となるトラックモードの2種類から選択可能。写真は後者で、下段はラップタイマーとなる。最速ラップと最新ラップが表示可能。6,000rpm以上で任意に設定できるシフトタイミングインジケーター、最大回転数ホールド表示、ウェルカムメッセージの変更、トラクションコントロールのオン/オフ、純正アクセサリーのクイックシフターを装着した際の表示(20km/h以上かつ2,000rpm以上の加速中にアイコンが点灯)、平均燃費、平均速度など、原付二種とは思えないほど数多くの機能が盛り込まれている。
前後別体式シートは、キーロックを解除することでタンデム側が取り外せる。タンデムシートの裏面には六角レンチがはめ込まれており、それを使うことでライダー側も取り外せる仕組みだ。メットホルダーは左右にあり。

YZF-R125 ABS 主要諸元

認定型式/原動機打刻型式 8BJ-RE45J/E34LE
全長/全幅/全高 2,030mm/725mm/1,135mm
シート高 815mm
軸間距離 1,325mm
最低地上高 170mm
車両重量 141kg
燃料消費率 国土交通省届出値 
定地燃費値 61.1km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値 49.4km/L(クラス1)1名乗車時
原動機種類 水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列 単気筒
総排気量 124cm3
内径×行程 52.0mm×58.7mm
圧縮比 11.2:1
最高出力 11kW(15ps)/10,000rpm
最大トルク 12N・m(1.2kgf・m)/8,000rpm
始動方式 セルフ式
潤滑方式 ウェットサンプ
エンジンオイル容量 1.05L
燃料タンク容量 11L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式 フューエルインジェクション
点火方式 TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式 12V、5.0Ah(10HR)/YTZ6V
1次減速比/2次減速比 3.041(73/24)/3.714(52/14)
クラッチ形式 湿式、多板
変速装置/変速方式 常時噛合式6速/リターン式
変速比 1速:2.833 2速:1.875 3速:1.363 4速:1.142 5速:0.956 6速:0.840
フレーム形式 ダイヤモンド
キャスター/トレール 25°30′/88mm
タイヤサイズ(前/後) 100/80-17M/C 52P(チューブレス)/140/70-17M/C 66S(チューブレス)
制動装置形式(前/後) 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後) テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ LED
乗車定員 2名

製造国 インドネシア

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…