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102年前に遡るベントレーのルーツを訪ねて 【ベントレー特集:05】
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102年前に遡るベントレーのルーツを訪ねて 【ベントレー特集:05】
102年前に遡るベントレーのルーツを訪ねて 【ベントレー特集:05】 | 2枚目の写真(全23枚)
ワクイミュージアム所蔵に展示されているお宝のひとつ、1921年型の3リッター“ゲイルン”。新車時からのオリジナルボディを残した、世界で最も古いベントレーでもある。
手前は1928年のル・マン24時間優勝車4 1/2リッター“オールド・マザー・ガン”。現代のマトリックスグリルや大径ライトなどのデザインの源流となっていることが伺える。
1938年から2年のみ製造された4 1/4リッター“MR”、“MX”シリーズの後方に傾斜したデザインのフライングBに注目。ボンネットマスコットひとつとっても、ベントレーには様々な歴史がある。
ワクイミュージアム代表 涌井 清春 Kiyoharu WAKUI 常日頃から「我々は歴史的に貴重なクルマたちの“一時預かり人”なんですよ」と語る涌井清春氏。「ベントレーは英国の誇りですから。だからいつも良い状態に保ち、いつでも見て、乗れる状態にしておくミュージアムを作ろうと思ったんです。ミュージアムは文化を継承する社会的な責任があるんです」というプリンシプルのもと、日本のクラシックカー文化の発展に様々な分野で尽力している。
1924年型の3リッター・スピードモデル“XT7471”。吉田茂の側近としても知られる白洲次郎が英国留学時に購入した個体で、ワクイミュージアムのシンボル的存在でもある。
3リッター・スピードモデルの楕円型のテールマフラー。現在のコンチネンタルGT、フライングスパー、ベンテイガのW12搭載モデルのマフラーにも通じるデザインだ。
Rタイプ コンチネンタルのインテリア。ウォルナットベニアとコノリーレザーを見事に仕立てあげたクラフトマンシップも現在にも引き継がれている。またブルズアイ、オルガンストップコントロールなどのディテールも、こうしたヘリテイジ・モデルからインスパイアされたものだ。
コンチネンタルGTのモチーフとなったRタイプ・コンチネンタルのルーフラインやリヤフェンダーの抑揚。ともにP18のメインカットに映るS3フライングスパーからもサイドのパワーライン、ホーチラインが現行モデルに受け継がれているのがわかる。
東北自動車道の加須ICを出てわずか350mとアクセスしやすい場所にあるワクイミュージアム。約300坪の敷地に建つ90坪の展示ドームの中には、オリジナルボディをもつ世界最古のベントレーである1921年型の3リッター“ゲイルン”、白洲次郎がケンブリッジ大学留学時に購入した1924年型の3リッター・スピードモデル“XT7471”、1928年のル・マン24時間レースで優勝した4 1/2リッター “オールド・マザー・ガン”、そして戦後期のRタイプ・コンチネンタルなど多数の貴重なモデル、資料が展示されている。
Walter Owen Bentley 1888-1971 鉄道技術者から、モーターサイクルを通じてレースと出会い、自動車の世界に参入。第一次世界大戦で航空エンジン設計者としての功績から大英帝国勲章(MBE)を授与されている。1919年にベントレーを設立し、英国最高のスポーツカーメーカーへと育て上げた。
1919 3Liter “EXP 1” 「速いクルマ、良いクルマ、クラス最高のクルマ」を掲げ、1919年10月のロンドン・モーター・ショーで発表された記念すべき1号車。航空機エンジンで培った技術を応用し開発した先進的な2996cc直列4気筒SOHC4バルブ・エンジンを搭載していた。
1924 3Liter 1924年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たした3リッター。ドライバーはベントレーで実験部長を務めたフランク・クレメントと、ロンドンでディーラーを営んでいたジョン・ダフ。その後ベントレーは1927年から1930年までル・マン4連覇を果たす。
1930 8Liter 1930年に発表された220psを発生する7983cc 直列6気筒SOHCを搭載したベントレー史上最大のハイエンド・モデル。結果的にW.O.が携わった最後のモデルとなったが、このフロントマスクは2008年デビューのミュルザンヌのモチーフに生かされた。
1933 3 1/2Liter “The Lady” 1931年にロールス・ロイスが買収し、生産拠点をそれまでのクリクルウッドからダービー工場に移動。この“ダービー時代”最初のモデルが1932年発表の3 1/2リッターだ。この時代、様々なコーチビルダーのボディが架装され、高級車としての豪華さを身につけた。
1938 4 1/4Liter “Embiricos Coupe” ギリシアの実業家A.M.エンビリコスのオーダーで製造されたワンオフモデル。圧縮比を上げた4.25リッターを積む“MX”シャシーにジョルジョ・ブーランのデザインによる空力的なボディを架装。後のRタイプ・コンチネンタルにも影響を与えたといわれる。
1952 R Type Continental 戦後クルー工場で再スタートを切ったベントレーが送り出した傑作。Rタイプをベースに160psの4.5リッター・エンジンを搭載し、ファイナルギヤを変更。H.Jマリナー製の軽量なアルミボディを纏っていた。現代のコンチネンタルGTの偉大なるルーツである。
1957 S2 Saloon 戦後2番目のサルーンとして1955年に誕生したSタイプ。S2は1957年登場のマイナーチェンジ版で、オールアルミ製V型8気筒OHVエンジンを搭載。このエンジンはその後も連綿と改良が加えられ、2020年に生産を終えたミュルザンヌにまで使われている。
1959 S2 Continental Flying Spur 「コンチネンタルの4ドア版を」という要望を受け、S1コンチネンタルの4ドア版として1957年に登場したフライングスパー。写真はS2コンチネンタルにH.Jマリナー製の4ドア・ボディを載せた1959年型。S3に進化した後も1966年まで製造されている。
1985 TURBO R 長らくロールスのバッジ違い的存在だったが、1982年に最高速度225km/hを誇るミュルザンヌ・ターボを発表。その発展型として1985年に登場したターボRは300psのV8ターボとスポーツサスペンションを採用。スポーツ・サルーンとしての名声を手に入れた。
2002 State Limousine エリザベス2世の在位50周年を祝う“ゴールデン・ジュビリー”に合わせ、イギリス自動車製造者協会から進呈された王室専用車。アルナージRをベースとしてベントレーのビスポーク部門であるマリナーで開発が行われ、わずか2台のみが製造されている。
2003 EXP Speed 8 1998年にVW傘下になったのを期にレース活動を解禁。2001年からル・マン24時間への再挑戦を開始し、2003年にリナルド・カペッロ/トム・クリステンセン/ガイ・スミス組のEXPスピード8が、73年ぶり通算6度目となるル・マン総合優勝を飾った。
2003 Continental GT 2003年に登場した近代ベントレーのアイコンといえる存在。560psを発生する6リッターW12ツインターボ・エンジンとフルタイムAWDシステム、電子制御ダンパーなど最新技術を搭載。ハイパフォーマンス・ラグジュアリーGTというジャンルを確立した。
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