【ル・マン24時間2024】フェラーリ 499Pが連覇とダブル表彰台を達成

トヨタとのバトルを制した「フェラーリ 499P」がル・マン24時間制覇「最終周まで続いたスプリント」【動画】

50号車をドライブした、アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン。
50号車をドライブした、アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン。
2024年の世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースは、6月15〜16日に決勝を行い、フェラーリAFコルセの「フェラーリ 499P」50号車が、トヨタ・ガズーレーシングの「トヨタ GR010 ハイブリッド」7号車に14秒221差をつけて勝利を飾った。フェラーリはル・マン2連覇に加えて、3位にも499P 51号車が入っており、ダブル表彰台を達成している。

Ferrari 499P

昨年の499P 51号車に続き50号車が勝利

2023年シーズンに耐久レース復活を果たしたフェラーリは、499P 51号車のル・マン24時間で初勝利を獲得。その1年後、チームメイトの50号車が2連覇を決めた。
2023年シーズンに耐久レース復活を果たしたフェラーリは、499P 51号車のル・マン24時間で初勝利を獲得。その1年後、チームメイトの50号車が2連覇を決めた。

2023年の劇的な復活勝利から1年、フェラーリは世界で最も権威ある耐久レース、WEC第4戦ル・マン24時間レースにおいて連覇を達成した。フェラーリ AFコルセの「499P」50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)は311周を走行し、トップチェッカー。サルト・サーキットに集まった32万9000人の観客からの喝采を浴びることになった。

トヨタ勢の猛追を凌いで、昨年の51号車に続く勝利を飾ったアントニオ・フォコは、次のように喜びを語った。

「どんな言葉でもこの瞬間の喜びを表現することはできないでしょう。フェラーリ 499Pはレースウイークを通じて、完璧な仕上がりを見せてくれました。まさにこの勝利に値すると感じています。昨シーズンからこの勝利を待ち望んでいましたから、今は喜びを噛み締めています。そして、51号車と一緒に表彰台に上れたことも、喜びを大きくしています」

「車検や公式テストの段階から、フェラーリのフラッグが旗めく、ル・マンの雰囲気はいつだって最高です。こういった素晴らしい環境があるからこそ、私たちはベストを尽くそうと頑張れます。決勝レース中、夜になって雨が降っていても、コース沿いやスタンドには大勢のファンが集まってくれました。ドライブしていても、本当に嬉しかったです。これほどの情熱を味わえるなんて、本当に信じられません」

残り燃料を周到に計算したフェラーリ

最終盤まで続いたトヨタとのバトルを制し、トップフィニッシュを果たしたフェラーリ 499P 50号車。
リスタート後、50号車と51号車はトヨタとの激しいバトルを展開。レース終盤、燃料を周到に計算し、トヨタよりも少ないピットストップで切り抜けた50号車がトップフィニッシュを果たした。

決勝レースはスタートからたびたび降雨に見舞われる中、セーフティカーランが続く。レースが折り返しを迎えた夜間走行時間帯には、激しい雨により4時間以上にわたってセーフティカー先導による走行を強いられることになった。

レース再開後、フェラーリ、キャデラック、ポルシェ、トヨタの4マニュファクチャラーによる接戦が続き、コース上のバックマーカーの追い越しや、ピットのタイミングなどにより、激しく順位が入れ替わる展開に。19時間目に出されたセーフティカー後のリスタート時には、トップ7台がわずか4秒内で争う接戦となり、レース終盤まで激しいバトルが繰り広げられた。

レースが残り3時間を切った段階で、トップを走行するフェラーリ 499P 50号車を「トヨタ GR010 ハイブリッド」8号車が猛追する。強い雨が降り始めるなか、2番手のトヨタの8号車と3番手を走るフェラーリ 51号がミュルサンヌ・コーナーで接触。トヨタ8号車はスピンを喫し、2番手から6番手へと大きくポジションを落とした。

その後、3番手を走行していたトヨタの7号車が、フェラーリ51号車をオーバーテイク。2番手へとポジションを上げ、一度はトップに立った。しかし、残り時間を無給油で走り切るだけの燃料を残していたフェラーリ50号車に対し、トヨタの7号車はフィニッシュまでに、もう1回給油のためのピットインが必要だった。

トヨタ 7号車が最後のピットインを終え、レースフィニッシュまでの30分間は、残り燃料を計算しながら首位を走行するフェラーリ50号車と、それを猛追するトヨタの7号車の熾烈なバトルとなった。トヨタ 7号車は、当初40秒あったフェラーリ50号車との差を少しずつ縮めるが、逆転には至らず。フェラーリ50号車がトップの座を守ってフィニッシュを果たした。

フォコ、モリーナともに戦い、最終スティントを担当したニールセンは、フィニッシュ後に喜びを爆発させた。

 「最高の気分だし、本当に夢のようです。レース終盤、ドアにトラブルが発覚した時は、勝利は厳しいように思えました。それでも、その後はすべてがうまくいきました。本当に言葉がありません。チーム全員を心から誇りに思います。最終ラップはとにかく長く感じました。すべてのリスクを避け、できるだけ早くフィニッシュラインに着くことだけを考えました」

2年連続で表彰台フィニッシュを果たした51号車

終盤まで首位争いに加わり、3位でフィニッシュしたフェラーリ 499P 51号車。
レース終盤、トヨタ 8号車との接触がありながらも、3位表彰台を獲得したフェラーリ 499P 51号車。

50号車がレース終盤の72周にわたってトップを走った一方、51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、アントニオ・ジョヴィナッツィ)は、トップからからわずか36秒730差の3位でフィニッシュ。昨年の優勝に続き、2年連続で表彰台を獲得した。

51号車で厳しいレースを戦い抜いたジョヴィナッツィは、優勝を逃した悔しさをのぞかせた。

「ル・マン24時間レースにおいて、2年連続優勝を達成したフェラーリにまずは最大の賛辞を贈ります。正直、もっと良いレースを戦えた可能性があっただけに、3位は少し残念です。でも、この厳しいレースで昨年に続いて表彰台を獲得できたことは素晴らしい成果です。そして、今回の結果で選手権争いに復帰できたことも大きいと考えています」

AFコルセの499P 83号車(ロバート・クビサ、ロバート・シュワルツマン、イェ・イーフェイ)は、スタートから素晴らしいペースで走行し、合計83周にわたって首位をキープした。しかし、248周にマシントラブルからリタイアに終わっている。

2024年ル・マン24時間決勝レースを動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…