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BOND Nagoya × HRE Classic 309 Series
スパイスはホイールセレクトと車高のアジャスト
さすがBMW製SAVのフラッグシップなだけあって「X7」の存在感は並大抵ではない。それを自分らしく着こなし乗りこなすために、ちょっとしたスパイスを加えればより光り輝く。
それを気づかせてくれたのがこのX7 xDrive 40dだ。オーナー氏は前期型から乗り換えたというから、相当にX7が好きなんだろう。加えてカスタムせずにはいられないという。そんな健康的な欲求に応えたのはボンド名古屋だった。
といっても、そのスパイスはホイールセレクトと、それに見合った車高のアジャストのみ。アメリカン鍛造ホイールの最高峰であるHREにして、時間軸を超えた魅力が宿るクラシック309シリーズの投入である。ぶ厚いリムと、無骨なピアスボルト、そしてざっくりと削ったかのようなフィンタイプのディスクが特徴的だ。カタログやウェブサイトの画像を見るだけでも「まず間違いのない選択肢」であることがわかる。
最高峰という自負
それでもさらに攻めていくのが、HREの取り扱いに長けた「ボンド名古屋」であり、その牽引役を務める飯村洋平氏だ。なにより日本で現実的なサイズとしては限界付近にある24インチとした。スリーサイズ5170×2000×1835mmという超巨体にして、BMW純正ですら23インチが用意されるのだから、ホイールをさらにインチアップするのは必然か。フロントの295/30だけでも驚くほど存在感を感じるのに、リヤはさらに驚愕の355/25へ。フラットディスクとしてディープリムを強調させたため、アウターリップサイズは4インチもある。ここまで極太となればタイヤはブレデシュタイン・ウルトラック・ヴォルティしか選べない。それでも角が立ったショルダーなど、クルマがクラウチングポーズしているみたいで、とてもスタイリッシュな姿だと思う。この大径ホイールと巨体との間を繋ぎとめる足まわりは、iiDロワリングキットを駆使して極限まで低めに。それでも乗り味はX7固有の快適性と相まって、十分以上に満足がいくレベルにある。
特筆すべきは、こうしたオーダーメイドを許容するHREの懐の深さである。世界最高峰の技術を内に秘め、声高には訴えない。最高峰という自負があるからこそ、自らをブティックだと例え、ユーザー固有のベストをそっと提供してくれる。HREはそんなホイールメーカーだ。彼らが初めて3ピースのアフターホイールをつくり始めてから、早40年以上が経つ。いかに規模が大きくなろうとも、顧客の希望を汲み取る小回りの良さを大切にしてきた。だからこそ、この世界最高峰のブティックからは、ぶっ飛んだオーダーを歓迎するかのような唯一無二のホイールが生まれる。
まさにSUV界の王様
フィニッシュはブラッシュドディスクとポリッシュドリムを組み合わせた、いかにも鍛造感あふれるもの。Mブルックリングレーのエクステリアカラーとよく似合う。角度を変えて見ていくたびに、その威圧感とラグジュアリーさを訴えかけてきて、BMWという範疇を超越したSUV界の王様だと思える。これならほかのウルトラハイエンドSUVが隣に並んでも引けを取らない。ホイールひとつでここまで存在感が際立つことを、この威風堂々たるSAVが教えてくれたようだった。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2024年9月号
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ボンド名古屋
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