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AC Cobra GT Coupe Clubsport Edition
3種類のパワーユニットをラインナップ
AC コブラが持つ独自の美学と、現代的なクーペのプロポーションを融合させた「AC コブラ GT クーペ」は、ACカーズが事業を拡大し続けるなか、完全なニューモデルとして開発された。AC コブラ GT ロードスターが持つ美点はそのままに、1964年のル・マン24時間レースに参戦した「AC A98 クーペ」をオマージュ。強化されたアルミニウム製シャシーとカーボンファイバー製ボディが組み合わせられ、AC カーズの英国工場で生産が行われる。
ACカーズは、AC コブラ GT クーペの発売を記念し、サーキットでの走行性能を磨き上げた「クラブスポーツ エディション(Clubsport Edition)」も投入。クラブスポーツ エディションは最高出力810PSまでチューンされた、5.0リッターV型8気筒スーパーチャージャーを搭載し、99台が限定生産される。
クラブスポーツ エディションに加えて、通常モデルとして最高出力456PSを発揮する5.0リッターV型8気筒自然吸気仕様、最高出力730PSの5.0リッターV型8気筒スーパーチャージャー仕様をラインナップ。AC コブラ GT クーペの価格は32万5000ポンドから、2025年以降に1号車がデリバリーされる予定だ。
ACカーズのデイビッド・コンザCEOは、AC コブラ GT クーペついて次のようにコメントした。
「AC コブラ GT クーペの発表は、私たちにとって誇らしい瞬間となりました。時代を超越したAC コブラのデザインに、最新の設計・開発技術を融合させることは、ACカーズの新たな境地を切り開くことになるでしょう。特に限定のクラブスポーツ エディションは、公道でもサーキットでも、レーシングカーのような素晴らしい体験を味わうことができます」
1960年代に流行したカムテールを導入
AC コブラは多くの伝説を打ち立てたにも関わらず、オリジナル仕様はロードスターのみが製造・販売された。今回、ACカーズは新たにクーペの開発をスタートする際、その過去の歴史に目を向けたという。クローズドボディ化は、AC コブラ GT ロードスターの特徴的なショルダーラインを継承しつつ、過去の歴史との明確なつながりを持たせることが目標に掲げられた。
そして、デザイナーにインスピレーションを与えたのが、1964年のル・マン24時間レースのために1台のみが製造された「AC A98 クーペ」だった。これを受けて、1960年代当時イタリアのトップレースチームや、ACが採用していたデザイン要素、特徴的な「カムテール」の導入が決定した。
AC A98 クーペは、空気抵抗を減らし、高速走行時のパフォーマンスを高めることを目的にカムテール・デザインを採用。1964年4月に行われたル・マンの公式テストに間に合うように仕上げられたAC A98 クーペは、テスト後に英国へと戻り、完成したばかりのM1高速道路において、290km/hで走行したという伝説を持っている。
AC コブラ GT クーペは、全長4225mm、全幅1980mm、ホイールベース2570mmと、ベースとなったロードスターと同じディメンションを採用。前後重量バランスは50:50に近く、低重心を徹底。車両重量は生産開始前に確定する予定だが、クラブスポーツ エディションは1450kg以下を目標に掲げている。
<編注>出力の数値に誤りがありました。お詫びして修正します。(2024年8月5日)