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Mercedes-Benz Sprinter
4代目スプリンターが大幅アップデート
メルセデス・ベンツ・バンは、2018年に投入された3代目スプリンターの大幅なアップデートを2023年に実施。内外装を刷新し、最新コクピットを導入したほか、待望のフル電動パワートレインを搭載する「eスプリンター」も追加した。スプリンター改良新型は2024年から欧州において、販売とデリバリーを開始している。
スプリンターの歴代モデルは約30年にわたり、キャンピングカーメーカーやアウトドアファンから、理想的なキャンパーベース車両として人気を集めてきた。新型スプリンターの開発においても、キャンピングカー業界のニーズが重要な役割を果たしており、多く要望に応えるべく、ボディ、エンジン、駆動方式に関して幅広いバリエーションが維持されている。
商用車におけるインテリジェント・テクノロジーに対する需要の拡大を受けて、新型スプリンターはインフォテイメントシステムやドライバーアシスタンスシステムなど、多くの新機能を搭載。快適性や安全性の大きな進化を果たすことになった。
現在、開催中のキャラバン・サロン・デュッセルドルフでは、ハイマー(Hymer GmbH & Co KG)やマリブ(Malibu GmbH & Co KG)といった、人気キャンピングカーメーカーが、この新型スプリンターをベースにしたキャンピングカーを発表している。
幅広いバリエーションと充実の安全システム
新型スプリンターは、パネルバン、シャシー、トラクションヘッドなど、豊富なボディバリエーションをラインナップする。多くのキャンピングカーメーカーがベース車両としてチョイスするのが広大なスペースを持つパネルバン。シャシーやトラクションヘッドをベースにした、より自由なレイアウトを持ったキャンパーも数多く登場している。
搭載されるOM654型2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボは、最高出力が異なる4つのバリエーション(84kW/110kW/125kW/140kW)を用意。駆動方式も前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動から選ぶことができる。4輪駆動仕様は、路面状況に応じて前後アクスルの駆動をインテリジェントに配分する「トルク・オンデマンド」機構を搭載する。
セーフティ&アシスタンスシステムも大幅に進化し、これまで以上にインテリジェントなサポートを提供。アクティブ・ブレーキアシストには交差点機能が追加された。ムービングオフ・インフォメーションアシストは、トレーラー結合時の衝突回避をサポート。サイドガード・アシストも初搭載され、ドライバーから見えにくい助手席側の死角に自転車や歩行者が入ると、警告が発せられる。
仕様によっては、アクティブブレーキ・アシスト、アクティブ・レーンキープ・アシスト、ブラインドスポット・アシスト、アテンション・アシスト、インテリジェントスピード・アシスト、リバース・カメラなどが標準装備される。
最新世代のコクピットにアップデート
モダンなエクステリアに合わせて、コックピットもアップデート。静電容量式ハンズオフ検出機能を備えた、新開発ハイテクステアリングホイール、最新世代の「MBUX」マルチメディアシステムがすべてのモデルに標準装備される。
MBUXは、インストゥルメントクラスターのカラーディスプレイと、10.25インチタッチスクリーンディスプレイで構成。最新世代にアップデートされた「MBUX」は、メニューナビゲーションの改善と、演算処理の高速化を実現した。ボイスアシスタントはより自然な対話が可能になり、「ハイ、メルセデス」という呼びかけがなくても、特定のアクションでの操作も可能になった。
Bluetoothを介し、「Apple CarPlay」や「Android Auto」とのワイヤレス接続に対応。ソフトウェアのアップデートや新しい車両機能、Wi-Fiを介したOTA(オーバー・ジ・エア)で行うことができる。
また、キャンピングカー用に専用開発された新機能として「休止モード(Hibernation Mode)」が導入された。これは、キャンピングカーが長時間駐車しているとき、スターターバッテリーの電力を節約するシステム。この機能は、MBUXマルチメディアシステムを介して、起動/停止を選択する。