ルノー が「R17 エレクトリック × オラ・イト」をパリ・サロンで公開

ルノーがフル電動レストモッド「R17 エレクトリック」を発表「世界的デザイナーとのコラボ」【動画】

フル電動レストモッド「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」のエクステリア。
世界的デザイナー「オラ・イト」とコラボレーションした、フル電動レストモッド「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」が初公開された。
ルノーは、フランス出身の世界的デザイナー、オラ・イト(Ora Ïto)とのコラボレーションにより製作されたレストモッド「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」を公開した。1971年製「ルノー 17」をベースにした美しい電動クーペは、10月14~20日に開催されるパリ・モーターショーで一般公開される。

R17 electric restomod x Ora Ïto

アーティストコラボレーション第4弾

フル電動レストモッド「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」のエクステリア。
ルノーは歴史的なモデルをベースに、アーティストとコラボレーションしたプロジェクトを2021年からスタート。キャトル、サンク、トゥインゴに続き、2024年のベース車両には「ルノー 17」が選ばれた。

2021年以降、ルノーは今やフランス文化の一部となった象徴的なモデルを再構築する、ユニークなレストモッド・プロジェクトを展開している。そして、これらのクリエイティブなプロジェクトは、ルノーの歴代モデルが持つ色褪せない魅力と、現代デザイナーに彼らの無限のクリエイティビティを発揮する機会を作り出すことになったという。

2021年にはルノー 4のデビュー60周年を記念し、デザイナーのマチュー・レアヌールが「スイート N°4(SUITE N°4)」を製作。2022年はルノー 5(サンク)の50周年を記念し、デザイナーのピエール・ゴナロンと組み、「5 ディアマン(5 Diamant)」を公開した。2023年はオランダ人デザイナー兼アーティストのサビーネ・マルセリスが手がけた、フル電動仕様のトゥインゴを発表してきた。

今回、ルノーはマルセイユ出身のデザイナー、オラ・イトとコラボレーションし、「ルノー 17」ベースのレストモッドを製作した。1977年生まれのオラ・イトは、これまでも様々なトップブランドと共同プロジェクトを実施しており、40歳以下の最も影響力のあるデザイナーにも選出されている。

1970年代の空気を纏ったスポーツクーペ

フル電動レストモッド「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」のベースとなった、スポーツクーペ「ルノー 17」。
コンベンショナルなセダン「ルノー 12」をベースに開発されたルノー 17は、70年代の流行にマッチしたパーソナルな雰囲気が人気を集め、9万台以上が生産されている。

1971年に発表されたルノー 17は、すっきりとしたラインを持つスポーツクーペとして開発。4シータークーペとコンバーチブルの2タイプをラインナップし、1970年代特有のパーソナルな雰囲気が特徴となる。最高出力108PSを発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンを縦置き搭載する前輪駆動で、当時としては先進的なアクティブ/パッシブセーフティ装備も備えていた。

1970年代らしい角ばったウェッジシェイプフォルムは、フランスを含めたマーケットで高い人気を集め、1971〜1979年に9万2000台以上を生産。このルノー 17を素材に選んだオラ・イトは、今回の「R17」プロジェクトについて次のように説明する。

「ルノー 17のような象徴的なクルマのデザインを再構築することは、私にとっても本当にエキサイティングな挑戦になりました。今回、ルノーとのプロジェクトでは私が持つ芸術的なビジョンを明確にし、私自身がイメージしたひとつの作品を作ることができました」

オリジナルを生かしつつモダンな外観に

フル電動レストモッド「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」のエクステリア。
ルノー 17が持つ1970年代の雰囲気を生かしつつ、長方形型のフロントライトなど、モダンなエクステリアにアップデートされた。

今回、公開された「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」は、あくまでも1台限りのレストモッドであり、将来のフル電動クーペを予告する存在ではないという。オラ・イトのアイデアを具現すべく、ルノーのデザインチームと共同で製作された。

ルノー 17が持つ歴史と完成度の高さを維持しつつ、オリジナルのクラシカルな魅力と、現代の技術や素材がシームレスに融合するべく、オリジナルのモノコック構造をベースに最新の電動パワートレインが導入された。キャビン、ドア、ウィンドウ、グレージング、シール、アンダーボディは、ベースモデルのコンポーネントがそのままキャリーオーバーされている。

ロードホールディング性能を向上するためボディ幅を170mm拡大。フェンダーとホイールのデザインは、オラ・イトらしい華やかさとエレガンスが際立つポイントとなる。ヘッドライトは4基の長方形モジュールに、テールライトはシンプルなライトバンドに変更。リヤアクスル周辺に、最高出力273PSを発揮する最新のフル電動パワートレインが搭載された。

フラッシュラインを描いたカーボンファイバー製シャシーを導入したことで、重量はわずか1.4tに抑えられた。エクステリアカラーのギャラクティック・ブラウン(Galactic Brown)は、このショーカーのために特別調色されたオリジナルカラーとなる。

レトロデジタル化されたインテリア

ステアリングの奥には、オリジナルのメータークラスターからインスパイアされた、4基の小型スクリーンが配置されている。
ステアリングの奥には、オリジナルのメータークラスターからインスパイアされた、4基の小型スクリーンが配置されている。

インテリアは、オリジナルが持つ快適性を維持しながら、ダッシュボードとセンターコンソールに多くの変更が加えられた。シートは花びらをイメージし、完全に再設計されており、家具デザインからインスピレーションを得た新シートカバーが採用された。ブラウンの生地には上質なメリノウール・ヘザーサテンが、ベージュの生地には毛足が長く厚みのある繊細な軽量ウールブークレが使用されている。

コクピットには、ルノーの最新グラフィック環境が導入されたセンタースクリーンを導入。ステアリングホイールの奥には、オリジナルのルノー 17のメータークラスターからインスパイアされた、4基の幾何学的な小型スクリーンが配置されている。完成した「ルノー R17 エレクトリック × オラ・イト」を目の当たりにした、オラ・イトは感激の面持ちで、次のようにコメントしている。

「フロントセクションをはじめ、私の狙いはルノー 17のキャラクターを変えることなく、スタイリッシュさとひとつの流れを加えることにありました。私らしい独自のデザインコードを加え、いくつか未来的なタッチでキャラクターを強調し、よりタイムレスな外観にしたかったのです」

「私らしさはインテリアにも見られます。いくつか細かい変更を加えることで、私たちはルノー 17を未来にテレポートさせました。キーワードは『ディテールはディテールではない』。この言葉には、額面通りに受け取られることを意図していないという意味があります。また、ルノーらしい軽快なタッチも目指しました。ルノーには強いアイデンティティがあります。このレストモッドも例外ではありません」

ルノー R17 エレクトリックを動画でチェック!

フル電動コンパクト「ルノー 5 E-Tech エレクトリック」のエクステリア。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…