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Porsche 963
予選5番手から6号車がトップに浮上
真夏のような気候のもと、富士スピードウェイを舞台に開催された、WEC第7戦富士6時間レースにおいて、ポールポジションからスタートしたポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの「ポルシェ 963」6号車が完璧なレースを展開。開幕戦のカタール1812kmレース以来となる、シーズン2勝目を飾った。
4.563kmの富士スピードウェイを6時間走行する決勝レースは、9月15日、気温30℃、路面温度40℃という真夏の酷暑の中でスタート。 6万5000人を超える観客が各クラスの熱いバトルを堪能することになった。5番グリッドからスタートした6号車のヴァントールは、序盤に3番手までポジションアップ。第2スティントを担当するロッテラーへとドライバーを交代した時点でトップに立った。
その後も順調に走行を続けた6号車は、エレトレがトップでフィニッシュラインを通過。ランキングトップで富士ラウンドに挑んだエストレ、ロッテラー、ヴァントールの3人は、今回の勝利によりドライバーズ選手権2番手につけるフェラーリAFコルセ 50号車(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)との差を35点にまで広げている。
日本でのレース参戦経験豊富なロッテラーは、「富士スピードウェイで優勝できて、本当に嬉しいです。チャンピオンシップを考えても素晴らしい結果になりましたし、私自身としても想像以上に感動しています。日本には何年も住んでいましたから、富士はホームレースのようなもの。ついに、第2の故郷で優勝を実現したのです」と、笑顔を弾けさせた。
ハーツ・チーム・ジョタが王座を確定
チームメイトの5号車ポルシェ 963(マット・キャンベル/ミカエル・クリステンセン/フレデリック・マコヴィッキィ)は、スタートドライバーを担当したマコヴィッキィが2周目に接触。予定外のピットストップを行い、フロントフード、エンジンカバー、リヤウイングの交換を余儀なくされた。さらに、フィニッシュまで1時間の段階で「トヨタ GR010 ハイブリッド」7号車と接触。サスペンションにダメージを負って、リタイアに終わっている。
ハーツ・チーム・ジョタのポルシェ 963の12号車(ウィル・スティーブンス/カラム・アイロット/ノーマン・ナト)が、5位入賞。チームメイトの38号車(ジェンソン・バトン/フィリップ・ハンソン/オリバー・ラスムッセン)も6位に入り、最終戦を待たずに、ハーツ・チーム・ジョタが、カスタマーチームで争う「FIAワールドカップ」王座を決めている。
「16番グリッドからスタートして、最初の周回は少し混乱もありましたたが、その後は5番手まで順位を上げることができました。今週末はシングルラップで、あまり良いタイムで走れていなかったことを考えると、悪くない結果です。ここ2戦はあまり強くないレースが続いていましたし、選手権に向けて貴重なポイントを獲得することができました」と、ナトーはレースを振り返った。
また、マンタイ・ピュアレクシングの「ポルシェ 911 GT3 R LMGT3」92号車(アリアクサンドル・マリキン/ジョエル・シュトルム/クラウス・バチェラー)が2位に入り、LMGT3クラス王座を確定させた。