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DELTA FORCE OVAL
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WHA CORPORATION Jeep Wrangler
ワーコーポレーションらしい1台
四半世紀以上にわたり、本場のアメリカンカーとそのカルチャーを日本に導入するWHA（ワー）コーポレーションらしい1台に出会った。タフギア界の王道にして、日本でもカスタムブームに湧くJL型ラングラーにして、最もハードなアンリミテッド・ルビコンだ。その素性の良さを活かしたクリーンなモディファイを施している。
特にその足もとに注目したい。まずはビルシュタイン製46mmモノチューブショックにリザーブタンクまでを備えた、タフなMOPARリフトアップキットである。これで2インチほど車高を上げる。オンオフ問わず安定感があり、ライドフィールも快適なサスペンションである。これに見合うタイヤは、外径35インチ（35×12・50R17LT）のニットー・トレイルグラップラーM/Tだ。むっちりとした見た目からして、ラングラーを支えるに相応しく、アメリカンカスタムカルチャーを色濃く感じさせる。それでもサスペンションセッティングやタイヤサイズの工夫によって、日本の法規制を難なくクリアする状態である。
そこに必要不可欠なアフターホイールは、あえてアメリカンホイールにせずデルタフォース・オーバルとしたところが興味深い。デルタフォースは、ラングラーを含めた代表的なヘビーデューティーカーに対して、すべて車種別専用設計でオーバルをマッチングさせてきた。ラングラーに対してもまた然り。純正車両にポン付けできる8.0J×17インチ設定である。とはいえ先に触れたような、攻めたサスペンションとタイヤを組み合わせたっていい。マッチョなタイヤの中にあるやわらかい曲線で構成されたシルエットは、とても上品なデザインにまとまっている。抑揚のあるコンケーブフェイスと、柔らかいホールデザインがなし得た造形だ。その上でアイキャッチとなるのがビードロックを意識したリムフランジ。カジュアルながら秘めたる筋肉を感じさせる力強さがあって、カスタムラングラーの無骨さと調和する。メイド・イン・ジャパンのブランドながら、味付け次第ではここまで本場アメリカ感を匂わせてくることに驚かされた。
ラングラー自体のタフさに呼応
もちろん、マッチングさせたのはサイズだけでない。ラングラー固有の耐荷重性能を難なく受け止め、そして僻地を全開で走ってもへっちゃら、という信頼耐久性がある。日本ではそんなシチュエーションなど皆無ながら、クールな雰囲気の裏地に潜む本物のオーラがカッコいい。
なお、ワーコーポレーションは、リフトアップした状態ながらも乗降性を向上させるため、オリジナルの電動サイドステップを設けるなど、細部に至るまでの工夫も見逃せない。ルーフに載るのはライノラック製のフラットラック（キャリア）だ。ここにお好みのホビーツールやキャンプギアを括りつければ、唯一無二の遊び道具になりそうだ。なお、車室内に補強板を組み込んでいるので、約120kgもの耐荷重性能を持つ。ラングラー自体のタフさと呼応するようにガンガン積みたくなる。
ワーコーポレーションは決して“アメリカ”を押し付けたりはしない。本場アメリカの世界観とその魅力を訴えかけてくれるものの、そこにユーザーフレンドリーな工夫を提案してくれる。そして過度なまでに派手ではなく、泥臭くもない。高品質なアウトドアブランドをサラッと羽織るような感覚。それがこの1台には集約されていると思う。
とはいえ、これはワーコーポレーションが提案するほんの一例だ。彼らは本国にある数多の仕様を持ってくることができるし、アフターパーツのノウハウも豊富にある。彼らに相談すれば、世界に1台、自分だけのラングラーを構築することが可能となる。しかし、それがどんな仕様であってもデルタフォース・オーバルであれば、すっと馴染んでクルマ自体を引き立てててくれるということを、アメリカンカー界を知り尽くす彼らが教えてくれた。
REPORT／中三川大地（Daichi NAKAMIGAWA）
PHOTO／白谷 賢（Ken SHIRATANI）
MAGAZINE／GENROQ 2024年11月号
【PRICE LIST】
DELTA FORCE OVAL（17インチ×8.0J）
5万8300円（マットブラック）
6万500円（マットスモークポリッシュ）
6万2700円（ブラックマシニング）
※サイズ、価格はラングラー用。
【問い合わせ】
WHA CORPORATION
TEL 0120-830-188
https://www.wha.co.jp
