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Rolls-Royce Black Badge Ghost Series II
ブラッククロームが引き締めるエクステリア
ロールス・ロイスが展開するパフォーマンスシリーズ「ブラックバッジ」。2代目ゴーストの改良新型となるゴースト シリーズ Ⅱの発表に合わせて、「ブラックバッジ ゴースト シリーズ II」がデビューを飾った。控えめながらインパクトを持ったエクステリアデザインを採用。ロワグリルはブラックバッジ ゴースト史上初となる専用スタイリングが導入されている。
新形状のロワブレーキ・エアインテークも採用され、機能的なエアダクトにかけて縦方向に入る2本のダークトーンクローム・ストリップを、テクニカルなブラッククローム・フレームが囲む。これらのコンポーネントは、パンテオン・グリルの堅牢な存在感を強調している。
ロールス・ロイスを象徴するスピリット・オブ・エクスタシー、パンテオン・グリル、サイドセクションに取り付けられたバッジ・オブ・オナーは、引き続きブラッククローム仕上げで統一。ステンレス製基材に浸漬させるクロームメッキ工程に、特殊なクローム電解液が導入され、より美しい仕上がりを実現したと謳う。
ダーク仕上げが施された各コンポーネントは、鏡のようなブラックフィニッシュを実現するため、ハンドメイドで丁寧に研磨。また、ブラックバッジ ゴーストとしては初めて、ドアハンドルにもブラックフィニッシュが導入された。
足元には部分ポリッシュ加工が施された、新デザインの22インチ7スポーク鍛造アロイホイールを装着。メカニカルなV12エンジンをイメージしてデザインされたホイールは、視覚的な質量を抑え、スポーク形状を細くすることで、その奥に存在するディスクブレーキを印象的にアピールする効果が与えられている。
オーナードライバーのためのロールス・ロイス
搭載される6.75リッターV型12気筒ツインターボエンジンは、ゴースト シリーズ IIと比較して、最高出力が29PS、最大トルクが50Nm向上。すべてのブラックバッジ・モデルと同様、シフトレバーの「Low」ボタンを押すと、スロットルを90%まで踏み込んだ際に、変速スピードが50%増加する他、エキゾーストシステムの音量がアップするなど、パフォーマンスモデルらしい専用装備が奢られている。
増加したパワーをフルに活用するため、専用の「ブラックバッジ・プラナー・サスペンションシステム」を搭載。ゴースト シリーズ IIと同様、フロントサスペンションアセンブリ上部に、独自のアッパーウィッシュボーン・ダンパーユニットが組み込まれた。連続可変式電子制御ショックアブソーバーや、セルフレベリング機構付きエアストラットアセンブリと連動し、ロールス・ロイス特有の「マジック・カーペット・ライド」が、あらゆる走行環境で提供されるという。
今回、ブレーキのバイトポイントが引き上げられ、ペダルトラベルを小さく変更。これはブラックバッジのカスタマーからの要望で導入されることになった。ロールス・ロイス・モーター・カーズのクリス・ブラウンリッジCEOは、ブラックバッジ ゴースト シリーズ IIについて、次のようにコメントを加えた。
「真のハウス・オブ・ラグジュアリーになるべく、私たちはお客様のご要望にお応えしようと努力を続けています。そして、ブラックバッジ・シリーズは、お客様が最も大胆で自信に満ちたドライブを楽しめるよう、ロールスのラインナップに存在していると言えるでしょう」
「ブラックバッジ ゴーストは、妥協を排した力強いエンジンパフォーマンスと、シャシーのアジリティを、ドライバーズシートから楽しみたいという、お客様からの要望にお応えする存在です。ブラックバッジ ゴースト シリーズ IIでは、エンジンの強力なパフォーマンスに加え、より力強いテクニカルなデザイン処理とインテリアをアップデートしました。これまで以上に、オーナードライバーへのアピールを強化したと、私たちは自負しています」
ダークかつテクニカルに纏められたインテリア
エクステリアと同様に、インテリアにもダークでテクニカルな表現を採用。新デザインのクロックキャビネットは、アナログ時計とライトアップされた「スピリット・オブ・エクスタシー」像が収められ、通常のミラー仕上げではなく、ブラッククローム仕上げがチョイスされている。クロックキャビネットは、最新の「SPIRIT」オペレーティングシステムが統合された、セントラルインフォメーション・ディスプレイと並んで配置される。
ガラス製フェイシア下部からインテリア全体にかけては、テクニカルカーボン仕上げが施された。ロールス・ロイスの職人たちは、ブラックのボリバル・ウッドをベースに、カーボンファイバーとメタルファイバーを用いて、複雑ながらも控えめなダイヤモンドシェイプの織り合わせを考案。樹脂コーティングされたカーボンと、コントラストの効いたメタルコーティングされた糸で編み込まれたリーフ模様が、ダイヤモンド模様と共に手作業で敷き詰められ、立体感を生み出している。
イマーシブシーティングとセンターコンソールを組み合わせる場合は、後部リクライニングシートとシャンパン・クーラーを隔てるウォーターフォール・セクションに、「ブラックバッジ」ファミリーのモチーフであるインフィニティ・シンボルを施すことも可能。航空宇宙グレードのアルミニウムで描かれたインフィニティ・シンボルは、6層の着色ラッカーの3層目と4層目の間に塗布され、シンボルが浮き上がっているように見える。
精緻なプレースド・パーフォレーション
シートレザーに小さな穴を開けて、ユニークなアートワークを施す「プレースド・パーフォレーション(Placed Perforation)」も用意。プレースド・パーフォレーションは、穴の大きさを変えることで奥行きを感じさせ、緻密で立体的なグラフィックを作り出すことができる。
写真のパターンは、グッドウッドのホーム・オブ・ロールス・ロイス上空で変化する雲の形と影からインスピレーションを得た仕様。この模様は0.8mmと1.2mmのパーフォレーションで構成され、その数は最大10万7000個にものぼる。
今回、インテリアのメタル部分をダークな色合いにするため、「物理蒸着法」と呼ばれる高度な技術を導入。ダッシュボードとリヤキャビンのスピーカーグリルや通気口は、この加工により強化されており、繰り返しの使用や、極端な温度にさらされたり、時間が経過しても、変色・変質することがないという。