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McLaren W1
W1の足まわりに3Dプリント技術を導入
2014年、ケビン・ジンガーにより、米国・カリフォルニア州を拠点に設立されたダイバージェント・テクノロジーズは、3Dプリント技術を採り入れた積層成形システム「ダイバージェント・アダプティブ・プロダクション・システム(Divergent Adaptive Production System:DAPS)」を開発した。
2024年10月にワールドプレミアされた「マクラーレン W1」は、「マクラーレン F1」「マクラーレン P1」に続くスーパースポーツとして、マクラーレン・オートモーティブが持つ最高レベルの技術を投入。足まわりには、カーボンファイバー製モノコック「エアロセル」に直接組み付けられた、F1インスピレーションのフロントサスペンションが採用されている。
今回、マクラーレンが求める効率的で複雑なサスペンションシステムを実用化するため、ダイバージェント・テクノロジーズの3Dプリント・積層成形技術「DAPS」を導入。フロントアッパー・ウィッシュボーン、エアロフォーム・ロワ・ウィッシュボーン、フロントアップライトが、この製法を用いて開発・製造された。
迅速化されたW1のサスペンション開発
ダイバージェント・テクノロジーズの革新的な設計&製造手法により、マクラーレンのエンジニアは設計の試行錯誤を迅速に繰り返すことが可能になった。この結果、ドライバーに最高レベルのハンドリングをもたらす、画期的な構造を持つW1用サスペンションシステムが完成している。
マクラーレン・オートモーティブのマイケル・ライターズCEOは、ダイバージェント・テクノロジーズとの提携について次のようにコメントした。
「マクラーレン・オートモーティブが、製造とエンジニアリングにおける革新的企業であるダイバージェント・テクノロジーズと提携できたことを、たいへん喜ばしく思っています。彼らが持つ最先端のテクノロジーにより、マクラーレン W1の複雑なサスペンション構造の開発が可能になりました。お客様のドライビング体験がさらに向上し、パフォーマンスの限界を押し広げることができたのです」
ダイバージェント・テクノロジーズの創設者であり会長兼CEOを務めるケビン・ジンガーは、以下のように付け加えた。
「マクラーレン・オートモーティブの最新スーパースポーツ『W1』の開発をサポートできたことを誇りに思います。ダイバージェント・テクノロジーズが設計・製造したサスペンション製造用ハードウェアにより、マクラーレンはデジタル製造時代における新たな扉を開いたのです」
なおケビン・ジンガーはタンデム式ハイパーカーを製造する新興ハイパーカーメーカー「ジンガー」の創設者でもある。