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Ferrari 499P
レースの大半をリードした499P 51号車
WEC最終戦バーレーン8時間レースを前に、両選手権でタイトル獲得の可能性を残していたフェーリだったが、フェラーリ・AFコルセの「499P」は、50号車(アントニオ・フォコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセン)の11位が最上位。序盤から優勝争いを繰り広げていた51号車は、2位でフィニッシュしたものの、レース後にタイヤの規定本数違反により、4分55秒のペナルティが課され、14位に順位を落としている。
6時間以上にわたって決勝レースをリードした499P 51号車だが、「トヨタ GR010 ハイブリッド」8号車(セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレイ、平川亮)に続く2位を得た。しかし、フィニッシュ後、スチュワードは、51号車が予選と決勝において許可されている合計26本ではなく、28本のタイヤを使用したと指摘した。
チームとしては、26本のタイヤ使用制限を守っていたが、ミスによって決勝のグリッドフォーメーション用に装着されたタイヤが、レースでもそのまま使用されてしまった。この2本はチームがレースウイークに割り当てたタイヤとは見做されず、最終結果に2分55秒ものタイムペナルティが課されている。
悔しいシーズンの幕切れとなった51号車のカラドは、次のようにシーズンを振り返った。
「フェラーリのためにタイトルを獲得できず、すごく申し訳なく思っています。このレースに臨むにあたって、難しい目標でしたが、最後まで全力を尽くすつもりでした。バーレーン8時間レースでは、トップクラスのスピードを見せることができたと思っています。WECでの2年目のシーズンが終了しましたが、ポジティブな1年だったと感じています」
50号車は2度のアクシデントで入賞圏外へ
499P 50号車の3人にとっては、アンラッキーなレースとなってしまった。第1スティントを担当したモリーナがスタートで、ライバルと接触し、フロントの空力パーツが破損。大幅なペースダウンを余儀なくされた上、最初のピットストップでノーズ交換が必要となった。
続くニールセン、フォコにより5番手まで順位を上げたが、、フィニッシュまで1時間の段階で、再びアクシデントに見舞われ、左リヤタイヤをパンク。タイヤ交換のために予定外のピットストップを行い、11位でレースを終えている。
「満足できるレースではありませんでした。スタート直後、ミゲル(モリーナ)が被ったアクシデントにより、大きく後退することになりました。レース中盤、良いペースでトップ5まで順位を上げましたが、2度目のアクシデントにより、再び上位から脱落しました。こうした不運がなければ、表彰台を狙える位置をキープできていたはずです」と、ニールセンはレース後にがっくりと肩を落とした。
この結果、フェラーリはマニュファクチャラーズ選手権において、トヨタ、ポルシェに続く3位。ドライバーズ選手権は、50号車がポルシェ 963の6号車(ケビン・エストレ、アンドレ・ロッテラー、ローレンス・ヴァントール)を上まわることができず2位でシーズンを終えている。
AFコルセの499P 83号車(ロバート・クビサ、ロバート・シュワルツマン、イェ・イーフェイ)は8位でフィニッシュ。プライベーターチームで争われる「FIAワールドカップ」おいて、ハーツ・チーム・ジョタ(ポルシェ)の2台に続く、3位を得ている。