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Mercedes-Benz CLA
市場のニーズに合わせた電動化プロセス
メルセデス・ベンツは、カスタマーに多くの選択肢を提供するため、様々な駆動システムの開発を続けている。2025年に発表を予定している新型「CLA」は、当初からアナウンスされていた革新的なフル電動パワートレインに加えて、経済的な48Vマイルドハイブリッド搭載モデルがラインナップされる予定だ。
BEVは持続可能なビジネス戦略を実行する上で重要な役割を果たすが、世界各地域のカスタマーの要望や商業的ニーズが、電動化のペースを決定すると、メルセデス・ベンツは指摘する。そのため、新世代モデル第1弾として導入される新型CLAには、48Vテクノロジーに20kWの駆動力を持つ電気モーターをトランスミッションに統合した、マイルドハイブリッドモデルが用意されることになった。
現在開発中の「MMAハイブリッド」システムは、モーターとギヤボックスを従来にないレベルでコンパクトに設計。リチウムイオンテクノロジーを採用した新開発の48Vバッテリーは最大1.3kWhのエネルギーを供給する。バッテリーセルとDC/DCコンバーターはいわゆるフラットパックに組み込まれた。
電気モーターは特に低速域においてエンジンをサポート。低い速度域がEVモードでカバーされることで、非効率なドライブが排除される。市街地におけるEVモードでの走行が可能になったことで高い効率性を確保。また100km/hまでのコースティング走行機能も搭載されており、回生システムは最大25kWのエネルギーをバッテリーに回生する。
新開発1.5リッター直4「M252」エンジンを導入
電気モーターとインバーターは、非常にコンパクトな新開発8速デュアル・クラッチ・トランスミッション「8F-eDCT」に組み込まれる。電気モーターをトランスミッションに統合し、システムを電気油圧で制御することから「eDCT」と命名された。
新開発のメルセデス・ベンツ製1.5リッター直列4気筒「M252」ガソリンエンジンは、ミラーサイクルを採用。モジュラーエンジンファミリー「FAME(Family of Modular Engines)」に属し、新型CLAに初搭載された後、様々なモデルへと展開される予定だ。
「FAME」ユニットに共通する特徴として、「NANOSLIDE」テクノロジーを採用したオールアルミ製クランクケース、部分的にマニホールドが統合されたシリンダーヘッド、スクロール接続の切り替えが可能なセグメントタービン付きターボチャージャーなどが挙げられる。
M252は、導入時点で100kW(135PS)、120kW(163PS)、140kW(190PS)という3種類の出力レベルをラインナップ。駆動方式は前輪駆動(FWD)と「4MATIC」全輪駆動(AWD)から選択が可能だ。なおM256から導入される48V電気式冷媒コンプレッサーにより、エンジン内の摩擦を低減し、停車中やEVモードでの走行時もエアコンを作動させることが可能になった。