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Ecclestone Grand Prix Collection
バーニーが所有してきた貴重なバラバム車両
25年以上にわたって、英国におけるヒストリックカービジネスを展開してきたトム・ハートリーJr.。英国レスターシャーにあるプライベートショールームを拠点に活動し、2024年だけでも3億5000万ドル相当の自動車を取引実績を持っている。今回、トム・ハートリーJr.が、バーニー・エクレストンが所有する、膨大なF1マシンコレクションの売却を担当することになった。
94歳を迎えたエクレストンは、数十年にわたりF1の商業権所有者を務めており、F1グランプリを現在の商業的に成功に導いた人物。彼が所有する69台ものヒストリックグランプリマシンと、F1マシンのコレクションは、その台数だけでなく、内容やコンディションに関しても世界最高レベルであることは間違いない。
エクレストンが所有する69台のF1マシンは、車両によっては半世紀以上も人目に触れることなく保管されてきた。購入以来、非公開だった車両も少なくない。ハイライトは、マイク・ホーソーン、ニキ・ラウダ、ミハエル・シューマッハといった伝説的な世界チャンピオンがF1グランプリで走らせたフェラーリ、そしてエクレストン自身が携わってきたブラバムだろう。
中でも最も話題を集めそうなのが、1978年のスウェーデンGPにおいて圧倒的なスピードで優勝、1戦のみで使用禁止の裁定が下された「ファンカー」、ブラバム BT46B。ニキ・ラウダが2位以下に30秒以上の大差をつけて勝利を飾ったBT46Bが、どれほどの価値が付けられるのか、大きな注目を集めそうだ。
自身が生きているうちに行き先を決めたい
エクレストンは、自身の貴重なコレクション売却理由を次のように明かしている。
「私は50年以上にわたってレーシングカーを収集しており、すべて最高の車両だけを購入してきた。他の多くのコレクターがスポーツカーを選ぶなか、私は常にグランプリとF1カーに情熱を注いできたんだ。所有するすべてのマシンを愛しているが、私がこの世からいなくなった場合のことを、考えなければならない時が来た。これだけ長い期間をかけて集めて所有してきたのだから、どこに行くのか知っておきたいし、私がいなくなった時に妻に煩わしい処理をさせたくない」
「トム(ハートリー Jr.)が売却を担当してくれるのは、彼が誰よりもクルマを知っていてること。そして、ビジネスの透明性が保証されているからだ。世界最高のオリジナルF1マシンを収集してきた私は、私と同じように扱い、貴重な芸術品として世話をしてくれる新しい家を探すことにした」
今回、エクレストン・グランプリ・コレクションの売却を担当することになったトム・ハートリーJr.は、その希少性を次のように説明する。
「これはまさにF1の歴史そのものです。世界で最も貴重なレーシングカーコレクションだと言えるでしょう。このようなコレクションが売りに出されたことは過去にもなく、おそらく今後もありません。1960年代初頭から1970年代後半までのグランプリカーは、美術館に展示されていてもおかしくない芸術作品です」
「マイク・ホーソン、ニキ・ラウダ、ミハエル・シューマッハーがワールドチャンピオンに輝いたフェラーリ、そして『ファンカー』を含むバーニー(エクレストン)が関与したブラバムの全マシン、偉大なスターリング・モスがF1グランプリで何度か優勝し、1958年にヴァンウォールが史上初のF1コンストラクターズ世界チャンピオンに輝いた『ヴァンウォール VW10』など、70年にわたるグランプリとF1レースのコレクションです」
「彼の貴重なコレクションを、トム・ハートレーJr.に託してくれたことを、とても光栄に思っています。バーニーに匹敵するレーシングカーコレクションを持っている人は、世界中探してもいないと断言できます。目の肥えたコレクターにとっては、これまで売りに出されたことのないF1マシンを手に入れる絶好のチャンスです」