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Mercedes-Benz 4MATIC
乗用車から商用車まで幅広い「4MATIC」モデル
スノーシーズン恒例となった、オーストリアのエッツタールでのプレス向けドライビングイベントには、最新のメルセデス・ベンツ「4MATIC」モデルが勢揃いすることになった。
今回のラインナップは、CクラスからSクラスまでの乗用車モデル、SUV、商用バンといった従来の内燃機関(ICE)搭載モデルから、EQハイブリッドテクノロジー、EQテクノロジー、E PERFORMANCE搭載モデルまで、多岐にわたる。
試乗会では、メルセデス・ベンツとメルセデス AMGのラインナップから車両を選択することが可能。また、今回は特別に要人用防弾仕様「S680 GUARD 4MATIC」も用意された。目玉となった新型「Gクラス」は、オフロードにおいてさらに走行性能が向上しており、雪上コースにおいてもその優れた走破性と快適性をアピールすることになった。
あらゆる路面で実力を発揮する「4MATIC」
「4MATIC」は、全輪駆動の詳細なシステムや前後アクスル間の動力配分など、搭載モデルによって異なる仕様が導入されている。ただ、基本的な利点はすべてのモデルで変わらない。多くの状況において、全輪駆動はより高い走行安定性、安全性、ダイナミクスを保証する。しかし、トラクションの向上が実を結ぶのは、高山や雪道だけではない。
通常の路面におけるドライビングプレジャーの向上、さらに高荷重のトレーラーも安全に牽引することができる。現在、全輪駆動車両にも高い効率性が求められており、最新の電子制御システムが導入された「4MATIC」は、従来のシステムよりも軽量かつ、インテリジェントな操作マネージメントと連動。ハイブリッドやフル電動パワートレインとも組み合わせることが可能となっている。
20世紀前半に登場したメルセデスの全輪駆動
メルセデス・ベンツにおける全輪駆動車の歴史は、20世紀初頭にまでさかのぼる。当時、「ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフトの技術責任者であったポール・ダイムラーが1903年に4輪駆動設計の基礎を築いた」という記事が、1917年に発刊された『Illustrirte Zeitung』誌を掲載されている。
ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフトは、1905年から1907年にかけてオーストリア軍とプロイセン軍向けに初の全輪駆動車両を供給。その後、1907年に史上初の全輪駆動を備えた乗用車「デルンブルグ ワーゲン(Dernburg-Wagen)」を製造し、1908年にドイツ領南西アフリカに納車した。この時期、様々な全輪駆動車のプロトタイプが製造されている。
メルセデス・ベンツは1985年、全輪駆動システムを「4MATIC」という名称で初めて発表した。それ以来、トラクション、安全性、ドライビング・ダイナミクスの面で最高レベルの要求を満たし、様々なモデルや最新の駆動技術に柔軟に対応できるよう、このシステムは継続的に開発が続けられている。