ジェットエイジの流線型を纏った「モーガン スーパー3」デビュー!

モーガン スーパー3デビュー! 完全刷新した伝統の3輪モデルはフォード製直3エンジンを搭載 【動画】

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」の走行シーン。
モーガンは伝統の3輪モデルを完全刷新。新規設計された「スーパー3」の発表した。
モーガン・モーターカンパニーは、3輪スポーツモデル「スーパー3(Super 3)」を発表した。スーパー3は、モーガンが113年前に創業して以来製造しつづけてきた3輪モデルの個性、スリル、冒険性を新たなレベルで提供すべく、完全に新規設計されている。

Morgan Super 3

最も自由な組み合わせが可能なモーガンに

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」のエクステリア。
完全新規設計されたスーパー3には、豊富なオプションや仕様を用意。これまでで最も自由な組み合わせを楽しめるモーガン製モデルとなった。

新型スーパー3は、剥き出しのメカニカルな感触、オープンエアーによる外部との直接的なつながり、そして公道上において他のクルマとの視覚的な差別化という、ユニークな組み合わせをオーナーに提供。乗り手にモータースポーツの醍醐味を味わわせ、素晴らしい冒険へと誘う1台となる。

スーパー3は、これまでで最も自由な組み合わせを楽しめるモデルとしてデビューした。アドベンチャーツーリング用アクセサリーから、レース用カラーリングまで、オーナーの個性を反映した複数のパーソナリティを展開。オプションやアクセサリーを豊富に取り揃え、オーナーの好みに合わせてカスタマイズすることが可能となった。

製造は、これまでのモーガン製3輪モデルと同様、英国・ウスターシャー州マルバーンのピッカースレー・ロード工場で行われる。創業者のHFS(ヘンリー・フレデリック・スタンレー)モーガンが最初のモーガン製モデル「ランナバウト」を作ってからわずか5年後の1914年以来、この赤レンガの建物において熟練した職人たちによりハンドメイドで作られ続けてきた。

オーナーの個性を強調するモーガン製3輪車両

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」の走行シーン。
モーガンは、その歴史を体現する3輪モデルを、現代での使用にも耐えうる存在にすべく「スーパー3」として刷新。オーナーの個性を強くアピールする存在感を実現した。

モーガン・モーターカンパニーのスティーブ・モリス会長兼CEOは、スーパー3について、次のようにコメントした。

「モーガン 3ホイーラーのオーナーは個性的で、自分流のやり方で物事を進め、積極的に冒険をしようとする方が多いようです。新型のスーパー3では、これらのキャラクターを強調するようなデザインを目指しました。他車とは明確に違い、私たちの過去に目を向けつつ現代にも通用し、モーガンのデザインの未来に対する確固たるビジョンを示しているのです」

「スーパー3は、1920年代にインスパイアされた先代モデルに敬意を表しながら、その後数十年に渡って影響を与え続けた『ジェットエイジ』を意識したデザインを採用しています。フォルムと機能のバランスは、素晴らしい調和を実現しました。この時代、最もエアロダイナミックなフォルムが求められただけでなく、賞賛もされていたのです」

「モーガンはすべての製品において、デザイン、エンジニアリング、ハンドクラフトのユニークな融合を提供してきました。特に今回のスーパー3では、それが顕著に表れています。どのパーツにも余分なものはありません。すべてのパーツに機能があり、ほとんどの場合、ふたつ以上の目的があるのです。このようなアプローチにより、経済的にも大きな利益をもたらし、全体として非常に高い品質を実現することができました」

1950年代のジェットエイジをイメージしたデザイン

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」のエクステリア。
エアロダイナミクスを意識したシャープなフォルムは、1950年代に流行した「ジェットエイジ」の流線型を採りいれたもの。

モーガンはスーパー3から新たなデザイン哲学を導入した。1920年代のV型ツインエンジン搭載3輪車のスタイルで開発された先代3ホイーラーと比較すると、スーパー3のデザイナーとエンジニアは1950年代から1960年代にかけての「ジェットエイジ(Jet age)」の影響を受けている。ジェットエイジとは、ジェットエンジンを搭載した航空機をイメージしたもので、エアロダイナミクスに特化した流線型が流行した。

スーパー3のフォルムはエアロダイナミクスに加えて、採用されたメカニカルな要件に大きく影響される。車両の顔となるエンジンを支え、コーナーパッケージを制御し、サイドマウント・クーリングパックにフレッシュエアを導くアルミ鋳造ストラクチャーによって支えられている。さらに、サイドブレードと呼ばれる2枚の「ディフューザープレート」は、パニア、ラゲッジラック、リバリーのための基盤となるプラットフォームであると同時に、パワーユニットに対するクーリングををインテリジェントに管理している。

このように機能に裏打ちされたシンプルなデザインは、モーガンの重要な原則のひとつ。スーパー3はその個性をどこまでもピュアに体現した。“装飾”として存在しているものは皆無であり、すべてのコンポーネントの根底には、メカニカルな目的が与えられた。つまり、デザインとエンジニアリングが完全に融合しているのである。例えば、足元のサイドパネルに施されたメタリック処理は、剛性を確保しながらも、デザイン上あえて露出されたという。

モーガン初となるフルデジタル・メーターを採用

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」のインテリア。
シンプルでミニマルなコクピットは、モーガンとしては初めてフルデジタル化された。「ユニバーサル・フィクスチャー」により、カップホルダーなども装着が可能。

スーパー3のインテリアは、使用状況に左右されない弾力性を持った設計が採用された。「IP64」規格の防塵性能が確保され、美しいシートから新たに採用されたUSBソケットに至るまで、あらゆる方向からの水しぶきからコクピットを完全に保護することができる。

ミニマルなダッシュボードはモーガン伝統のセンターマウントを採用しながら、モーガンとしては初めてフルデジタル化がなされた。ダイヤル・サラウンドはキャビンの他のタッチポイントと同様にメタル製を採用。こちらのフィニッシュは、アルマイト仕上げのブラックとシルバーから選ぶことが可能だ。エンジンのスタート/ストップ・スイッチは、軍用機のミサイルリリース・ボタンから着想を得たもので、現行モデルから引き継がれている。

シート素材は、ビニール、耐水レザー、耐久性を高めたサドルレザーをラインナップ。さらに、耐水性・耐紫外線性・メンテナンス性を高いレベルで兼ね備え、レザーに代わる魅力を持つテクニカルファブリックも用意されている。また、アジャスタブル・ステアリングホイールやクイックリリース式アジャスタブル・ペダルボックスにより、快適性がより高められた。

ダッシュボード下部には、車両のサイドブレードと同様に「ユニバーサル・フィクスチャー」が取り付けられており、カップホルダーやスマートフォンホルダーを装着することが可能。また、アウターコクピットのシャシー・インプレッションにバンジーコードを取り付けると、コートや地図、小さなバッグなどを素早く収納することができる。ロック可能なシート下コンパートメントは、貴重品を収納するスペースとして用意された。

新型アルミニウム製プラットフォーム

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」の走行シーン。
シャシーは「CXジェネレーション」プラットフォームをベースに開発された、アルミニウム製「スーパーフォームド・モノコック・プラットフォーム」が採用された。

スーパー3を支えるのは、ボンデッド・アルミニウム製「スーパーフォームド・モノコック・プラットフォーム(Superformed monocoque platform)」。この新型プラットフォームの起源は、エアロ8が発表された20年以上前にまで遡り、2019年のプラス シックスや2020年のプラス フォーに採用された「CXジェネレーション」プラットフォームをベースに、その技術をさらに進化させている。

今回、モーガン史上初めて、プラットフォームは完全なモノコック構造となった。これにより、軽量かつ剛性の高いシャシーを実現しただけでなく、パッケージング上のメリットや広い室内空間を実現している。スーパー3は、モーガンの4輪モデルであるプラスフォーやプラスシックスと同じ厳しい前面衝突基準をクリア。その高い剛性レベルは運動性に貢献するだけでなく、安全性も高めることになった。

モーガンの革新的な技術を示すのが、露出した構造用フロントキャスティング。車体の剛性、サスペンションのマウントポイント、そして安全性という重要な機能を担うだけでなく、エクステリアに求められる美しい仕上がりも実現した。

フォード製1.5リッター直列3気筒エンジンを搭載

パワーユニットは、これまでのV型2気筒エンジンから、フォード製1.5直列3気筒エンジンに変更。これにマツダ製5速マニュアルミッションが組み合わせられる。
パワーユニットは、これまでのV型2気筒エンジンから、フォード製1.5リッター直列3気筒エンジンに変更。これにマツダ製5速マニュアルトランスミッションが組み合わせられた。

パワーユニットは従来の1.1リッターV型2気筒エンジンに替えて、フォード製1.5リッター直列3気筒自然吸気ガソリンエンジンを搭載。前モデルとは異なり、駆動系にコンペンセーターを必要としないため、複雑さと重量を最小限に抑えることが可能になった。最高出力118bhp(87kW)・最大トルク150Nmのスペックを発揮し、3ホイーラーにも搭載されていたマツダ製5速マニュアルギヤボックスが組み合わされている。

スーパー3に相応しいパワーユニットに仕上げるべく、エンジンサウンドには専用チューニングが施された。635kgという車両重量により、0-100km/h加速は7秒以下、最高速度は209km/hという必要にして十分なパフォーマンスを発揮する。

今回、エイボン・タイヤとのパートナーシップにより、スーパー3専用のフロント用20インチ・タイヤを開発。「スピードマスター(Speedmaster)」の名を冠したこのタイヤは、サイドウォールがバルーン状になった伝統的なモーターサイクル用タイヤをベースとし、モーガンのために特別に設計され、より乗用車用タイヤに近いデザインとなっている。究極のパフォーマンスを実現するため、コンパウンドとケーシングデザインは何度も微調整を繰り返したという。

3輪モデルにおいてリヤタイヤは、ハンドリングと運動性能に重要な役割を果たす。スーパー3のリヤタイヤに最適なタイヤを選択するため厳しいテストプログラムが実施され、実走行テストとシミュレーションを重ねて最適なスリップアングルを実現したエイボンのオールシーズンタイヤが選ばれている。

まずは英国・欧州・米国での販売をスタート

完全新規設計された3輪モデル「モーガン スーパー3」の走行シーン。
豊富なオプションが用意されたスーパー3は、まず英国、ヨーロッパ、アメリカでの販売をスタート。その後、日本やオーストラリアでの販売を計画している。

スーパー3は、これまでで最も自由な装備・仕様の組み合わせが可能なモーガンとして登場した。200を超えるオプション&アクセサリーリストが用意され、そのひとつひとつがオーナーの希望に合わせた仕様にスーパー3をカスタマイズすることを可能にしている。

今回、車両の開発と並行して、すべてのアクセサリーやオプションの設計とホモロゲーションが行われた。これにより、ベース車両とオプションの調和が保たれるだけでなく、車両完成後にオプションを後付けするのではなく、生産段階から組み込むことが可能になった。

また、これまでの3輪モデルユーザーからのフィードバックにより、主要なアクセサリーのテーマが決定された。デビュー時点では「アドベンチャーツーリング(Adventure touring)」「コンテンポラリーデザイン(Contemporary design)」「クラシックモータースポーツ(Classic motorsport)」の3つが展開される。

新型スーパー3の英国における価格は、3万4958.33ポンドから。発表と同時に英国、欧州、米国のモーガン・ディーラーにおいてオーダーがスタートした。デリバリーは英国と欧州から開始され、米国市場には2022年後半からを予定している。その後、日本、オーストラリア、その他の東欧諸国の一部の市場でも販売される。

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ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…