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持ち歩きたくなるガジェット
かつてデジタルガジェット三種の神器のひとつとも言えたデジタルカメラだが、スマートフォンのカメラ画質が向上してからは「なぜ別に持ち歩くの?」という禅問答のようなテーマを課されている。
以前に紹介したはリコーGR IIIはコンパクトさとひと目見てわかる画質の“違い”を引き出していたが、この製品はまた別の角度から「スマホ以外に持ち歩きたい」と思うアイテムだ。何しろDJI Pocket 2を使えば普段とはひと味違った動画を簡単に撮影できてしまう。特に旅との相性は抜群。コロナがあけたら、ドライブや旅先に持ち出したり、あるいは週末のちょっとした外出をVlogにまとめたりと色々使いたくなるはずだ。
元々は業務用にカメラを安定させる装置だったジンバルは、カメラの水平や方向を一定に保ったり、ゆっくりと一定速度で方向を変える動きを自動的に行ってくれる、カメラ専用のロボットアームのような装置だ。それならスマホを取り付けるヤツもあるよねって? その通り。扱いが面倒なものが多いけれど、iPhone12シリーズとDJIのOM 4を使えば、マグネットで取り付けるだけですぐに使える。
小型ジンバルカメラの決定版
しかしこの製品にはどんなジンバルにもない良さがある。それは4K HDRビデオまで撮影できるカメラを内蔵しながら、本体は手のひらに収まるほどコンパクトなこと。ジンバルとカメラの両方が一体化しているのだ。スマートフォンアダプターを使えばiPhoneをディスプレイ&コントローラとしても利用できるが、旅先では内蔵ディスプレイを使って単体で手軽に撮影するのがおすすめ。細かなフレーミングはやりにくいものの、顔を認識してジンバルが被写体を追いかける機能もあるから、歩きながら自撮りする時にもフレームから外れにくい。
パッと出してサッと撮影。あまり細かく考えず、その時々の楽しさを記録していくのがいいだろう。その上、三脚やワイヤレスマイク、広角レンズなどがセットになった「Creatorコンボ(6万4900円)」を選べば、機能的なハードケースに本格撮影に必要なアイテムがすべて揃う。中でも積極的に使いたいのが広角レンズとワイヤレスマイク。広角レンズは自撮りに便利だが、ワイヤレスマイクは離れた場所の音声を手軽に拾えるのがいい。
例えば彼女や子供の胸元にマイクをつけておき、街中を歩きながら喋ってもらったり、少し離れたところから風景全体を捉えつつ音声を入れたり、あるいは何かアトラクションを楽しんでる様子を撮影しながら音声も拾うようなことも手軽にできる。
旅の決定的瞬間を逃さない
この製品、製品名に「2」とあるように第2世代。以前からその手軽さがウケていたのだが、今回の世代では画質が大幅に向上したことに加えて、こうしたアクセサリー類が揃い、それらを機能的に整理して持ち歩けるところが大幅な改良点。旅カメラにとって一番大切なことは、撮りたい時に面倒だなと感じることなく、すぐに取り出して撮影できること。あるいは“撮影したい”という気持ちになれることだ。その点、DJI Pocket 2はほぼ満点。スマホ以外の“あとひとつ”候補に如何だろう?
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2021年 8月号
PRICE
4万9500円
評価
Creatorコンボは本格的な撮影に必要なアイテムをお得に入手できるパッケージ。価格は高めだがおすすめ。コンパクトさと機動力を生かし、旅先での撮影を楽しめるのが最大の魅力。
コストパフォーマンス:3
画質:3
機動力:5
機能性:5
操作性:4
【問い合わせ】
DJI JAPANカスタマーサポート
https://www.dji.com/jp