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ゴルフ機能を備えた高級スマートウォッチ
ゴルフが上手くなるスマートウォッチがあると聞いて、ピンと来たならば、もうそれ以上は説明するまでもない。ガーミンが販売するスマートウォッチに搭載されるゴルファー向け機能は、ラウンドの様子を後から振り返るのに役立つだけではなく、次にどの番手のクラブを使うべきかなど、まるで専任キャディのようにアドバイスまでくれる、目からウロコが落ちるアイテムだ。
“ガーミンが販売する”と書いたように、同社のスマートウォッチならば、現行機種のほとんどがゴルフ用アプリを搭載しているが、中でも最新アプリで武装しているのがアプローチシリーズとMARQ Golfer。前者はスポーツ専用時計然とした外装だが、MARQは高級腕時計に引けを取らない素晴らしいケースの仕上がりとファブリックストラップの高級時計という違いがある。ここでは発売直後のMARQ Golferを紹介しているが、ゴルフ機能だけであればアプローチシリーズとの違いはない。
IT派ゴルファーも目からウロコ
さて何ができるのかだが、まず全世界約4万1000以上のコースから任意のコースを選んで時計に転送。コース図を見ながらのプレイが可能だ。小さな河川敷コースを含め、日本のコースも網羅的に収録されている。
最も感心するのが、ボールをヒットしたことを時計が自動検知し、蓄積したデータを元に的確なアドバイスを送るバーチャルキャディを備えることだ。ショットを打ったことをセンサーで検知すると、その時点のGPSデータを記録。次のショット(パット)を打った時のGPSデータと比較し、コースの高低差情報も考慮しながら、飛距離データを蓄積していく。どの番手のショットなのかを記録していけば、地形データとも突き合わせながら「次は5番だと大きいが7番だとやや飛距離が足りない」といったアドバイスを得られるようになるのだが、それだけに留まらないからこその“バーチャルキャディ”だ。
MARQ Golferとペアリングしているスマートフォンを持ち歩いていれば、スマホ経由で当日の風速と風向きデータをリアルタイムで入手。風の影響を考慮した上で、番手の選択と狙うべきポイントを示してくれる。もちろん、風向きや風の強さは画面上で確認可能だ。スコアの自動記録やコース情報の表示だけでも有用だが、残りの距離とオーナーの力量、気象情報を考慮してのアドバイスが得られるのだから驚きだが、さらに別売りのクラブを識別するタグを各クラブに装着しておくと、どのクラブでそのショットを打ったのかを自動記録してくれるため、煩雑な操作からも解放される。
ライフログも欠かさず取得
製品の性格上、ITに詳しい人が使っているケースが多いようだが、使い方は簡単。誰でも使いこなせる。また、ランニングから日々の暮らしの記録まで、スマートフォンに求められるライフログは欠かさず取得できる上、Suicaでの決済にも対応。ラウンド後のドリンクも、こいつをかざすだけで購入できる。
リアルなゴルフファンなら、そしてスマートウォッチにダサいという印象をお持ちの読者なら、なおさらにお勧めしたい。高級感あふれながらも確実に有用なゴルフ向けスマートウォッチ。他にライバルはいない。
REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2020年 12月号
PRICE
26万円(税別)
評価
費用対効果を狙うなら、アプローチシリーズを狙うべき。しかし高級時計として通用する質感、デザイン製を求めるならMARQ Golferを選ぶべき。ストラップの色合いや装着感も素晴らしい。
コストパフォーマンス:2
革新性:4
機能性:5
デザイン・質感:5
バッテリー持続性:5
【問い合わせ】
ガーミンジャパン・カスタマーサービス
TEL 0570-049530(ナビダイヤル)
https://www.garmin.co.jp/