ピニンファリーナ バッティスタ、2022年夏からデリバリー開始

1900psという途轍もない出力を発揮するハイパーEVはどのように造られる? ピニンファリーナ バッティスタ、イタリアの専用製造アトリエで生産スタート 【動画】

ピニンファリーナ バッティスタの生産スタート
カンビアーノの専用製造アトリエでハンドメイドによる製造がスタートした、ピニンファリーナ バッティスタ。
アウトモビリ・ピニンファリーナが開発した電動ハイパースポーツ「バッティスタ」。その生産がイタリア・ピエモンテ州カンビアーノの専用アトリエで開始された。本格的なオーナーへのデリバリーは2022年夏からスタートする。

Pininfarina Battista

ハンドメイドで150台の製造を予定

ピニンファリーナ バッティスタは、150台の製造枠が用意されており、1台1台がハンドメイドで製造される。
ピニンファリーナ バッティスタは150台の製造枠が用意されており、1台1台がハンドメイドで製造される。

最高出力1900ps、最大トルク2300Nmを発揮するハイパーEV、ピニンファリーナ バッティスタは、2300平方メートルの敷地を持つ専用アトリエにおいてハンドメイドで製造される。各ホイールに電気モーターがひとつずつ搭載され、0-100km/h加速2秒以下を誇るハイパーEVは、そのモデルライフにおいて150台のみがラインオフされる予定。世界中に散らばる25のラグジュアリーパートナーを拠点に販売し、購入の際にはクライアント・リレーションスペシャリストによる手厚いサポートを受けることができる。

アウトモビリ・ピニンファリーナのパー・スバンテッソンCEOは、バッティスタの製造開始に喜びを隠さない。

「バッティスタを生産モデルとして、世界へと送り出せることを誇りに感じています。2018年にローマでアウトモビリ・ピニンファリーナを立ち上げて以来、世界20ヵ国から集まった118人ものエキスパートが集結したチームは進化を続けてきました」

「現在、ピニンファリーナ・ファミリーは、ミュンヘンHQと北イタリアの本社ファクトリーで素晴らしい活躍を見せてくれています。デザイナー、エンジニア、車両開発のスペシャリストが、今も未来の画期的なモデルを構想しているのです。2022年からデリバリーされるバッティスタは、自動車デザインと技術の進化が示されています。さらにバッティスタのオーナーになれば、素晴らしいドライビング体験に加えて、多くの自動車ファンからの注目を浴びることになるでしょう」

コーチビルドの伝統を活かした製造プロセス

カンビアーノの専用製造アトリエでハンドメイドによる製造がスタートした、ピニンファリーナ バッティスタ。
清潔に保たれたアトリエ内は14の製造・品質検査ゾーンに分かれており、最新の設備を使用してハンドメイドでバッティスタを製造する。

バッティスタの専用製造アトリエは、14の製造・品質検査エリアに分かれている。製造ゾーンには特注マウント装置や高精度空気圧ドライバー、様々な最新製造機器を導入。また、イタリアの伝統的コーチビルドの技法をリスペクトした製造プロセスが採用されている。

1台のバッティスタを組み立てるには10名のテクニシャンにより10週間(1250時間)を要する。ハンドペイントでボディが塗装される特別仕様車のバッティスタ アニバーサリオは、18週間(1340時間)という長いスケジュールが取られている。

電動パワートレイン、Tシェイプ・バッテリー、カーボンファイバー製モノコックなどを含むバッティスタのローリングシャシーは、アウトモビリ・ピニンファリーナの厳しい品質基準をパスしないと次の工程へと進むことができない。そのチェックはアトリエに設けられた電子ゲートによって管理されている。

入念な品質テストを経てオーナーにデリバリー

ピニンファリーナ バッティスタは、150台の製造枠が用意されており、1台1台がハンドメイドで製造される。
完成後、バッティスタは独自の品質チェックを経て、公道テストを行う。すべてのチェックをクリアした車両は、いよいよオーナーへとデリバリーされる。

標準的な塗装サイクルは3~4週間。多層メタリック仕上げの新開発ペイントコンパウンドを使い、ピエモンテ地方からインスピレーションを得た標準カラーの28色から選択できる。エクステリアペイントが完了すると、コクピットにダッシュボードなどのインテリアパーツが取り付けられる。

すべてのアセンブリが完了すると、リフトに上げて24時間に及ぶホイールとステアリングのアライメントチェックが行われる。その後、水管理検査エリアにおいて、どれだけ強い水流を受けても車内に水が侵入しないことが確認される。

最終的な品質チェックは、様々な走行環境を想定した専用ルートで実施される。バッティスタは、1台につきひとりのテストドライバーが徹底的に走行中の品質チェックを行う。走行試験を終えてカンビアーノのアトリエへ戻ると保護ラップが外され、最終的な外観チェックを行ってカスタマーへのデリバリーに向けた準備へと進む。

13兆9000億にも及ぶエクステリアの組み合わせ

あらゆるカスタマイズが可能な、ピニンファリーナ バッティスタ。
エクステリアやインテリアは、素材やカラーなどあらゆるカスタマイズが用意されており、エクステリアの組み合わせは実に13兆9000億通りにも及ぶという。

バッティスタの受注プロセスでは、すべてのカスタマーごとにオーダーメイドのデザイン案を作成。実際にカンビアーノのアトリエに招待され、アウトモビリ・ピニンファリーナのデザイナーと対面しながら最終的なスペックを詰めていく。

エクステリアとインテリアは、豊富に用意されたカラーやマテリアルからあらゆる組み合わせを選ぶことが可能。用意されたサンプルを実際に見て、触れて、感触を確かめることができる。エクステリアに関しては「バッティスタ・エクステリア・ジュエリー・パック(Battista Exterior Jewellery Pack)や、ブレーキキャリパーカラー、ホイールのカスタム仕上げなど、追加のオプションを加えることもできる。エクステリアの組み合わせは、最大13兆9000億種類にも及ぶという。

インテリアは、レザーやアルカンターラ、アルミニウムやカーボンファイバーを組み合わせることで、1億2800万通りもの設定が可能となっている。

また、バッティスタをオーダー後、オーナーは自由にアトリエを訪問できる。完成に向けたプロセスの一部をじっくりと観察する機会が用意されており、アトリエで車両製作チームと面会し、製造中でもデザインの微調整が可能。また、製造の進捗状況はクライアント・リレーションズ・チームから随時報告が送られる。

フライング・ドクターが全世界のトラブルをサポート

ピニンファリーナ バッティスタは、150台の製造枠が用意されており、1台1台がハンドメイドで製造される。
北米、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアに置かれるサービス拠点に加えて、専門的なメカニカルトラブルに関しては専門知識を備えたフライング・ドクターがサポートする。

購入後のカスタマーサービスは、バッティスタを生涯にわたって所有するための充実したプログラムが用意された。交換パーツや製品保証の管理、整備テクニシャンのトレーニング、車両の遠隔診断など、アフターセールスに関してはグローバルに展開する販売パートナーと協力。北米、ヨーロッパ、中東、オーストラリア、アジアに拠点を置き、カスタマーには安心のサービスが提供される。

また、専門的なメカニカルトラブルが発生した場合は、アウトモビリ・ピニンファリーナの「フライング・ドクター」が世界中を飛び回り、カスタマーとバッティスタをサポート。バッティスタを知り尽くしたフライングドクターは、オーナーズマニュアルや販売パートナーのワークショップマニュアルの開発など、開発・製造にイチから携わってきた経歴を持っている。

2022年夏から、バッティスタは全世界のカスタマーへの納車を開始。特別仕様の「バッティスタ アニバーサリオ」は150台の生産枠のうち5台のみが製造され、すべてがソールドアウトしている。

ピニンファリーナ バッティスタの製造工程を動画でチェック!

ピニンファリーナ バッティスタのフロントビュー

非公開: ピニンファリーナ バッティスタの量産仕様がアメリカ上陸! 西海岸を1900psのハイパーEVが駆ける 【動画】

アウトモビリ ピニンファリーナが開発を進めているEVハイパーカー、バッティスタ。最高出力1900psに達するバッティスタが目指しているのは、「イタリア史上最強のパフォーマンス」。ガソリンを一滴も使わず走る次世代スーパーカーが、デリバリー開始を目前に控え、アメリカ西海岸で量産仕様をお披露目した。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…