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Lotus Type 62-2 by Radford
ビートルズも顧客だったラドフォード
かつてロールス・ロイスやアストンマーティンの特注仕様を手掛けていた英国の名門コーチビルダー、ラドフォード。いわゆるセレブリティも顧客リストに名を連ねており、ビートルズの4人も含まれていたという。
そのラドフォードが現代に復活した。技術協力するのはロータスのコンサルタント部門・ロータス・エンジニアリングで、経営陣として様々なメーカーでカーデザイナーとして活躍してきたマーク・スタッブス(Mark Stubbs)、テレビ番組『名車再生! クラシックカー・ディーラーズ』でお馴染みのアント・アンステッド(Ant Anstead)、元F1ドライバーのジェンソン・バトン、弁護士のロジャー・ベイル(Roger Behle)が参画している。
12台のみのゴールド リーフ仕様を披露
その新生ラドフォードにとって第1弾となるプロダクトが、1960年代のロータス タイプ62をオマージュした「タイプ 62-2」。限定62台のみが生産される2シータークーペが、今回アメリカ西海岸で初めて一般の面前でお披露目された。
毎年恒例の自動車の祭典、モントレーカーウィークの「ザ・クウェイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」内で今回公開されたラドフォード タイプ62-2は、“限定中の限定”ともいえるたった12台のみのゴールド リーフ仕様。超稀少な特別仕様であり、すでに半数以上は嫁ぎ先が決定しているという。
12台の半数以上はすでに売約済み
ザ・クウェイルに登場したのは12台のゴールド リーフ仕様の中でも、特にエクスクルーシブな“クウェイル エディション”。象徴的な赤と白、そしてゴールドの配色は1968年シーズンにグラハム・ヒルが駆ったロータス49Bや、1970年シーズンにエマーソン・フィッティパルディとヨッヘン・リントが乗ったロータス72といったF1マシンも彷彿させる。
クウェイル エディションには、さらにCFRP製のフロントスプリッターやリヤディフューザーやカーボンセラミックブレーキ、CFRP製ホイールを採用。タイヤにはミシュラン パイロット スポーツ カップ 2を組み合わせている。
マーク・スタッブスは次のようにコメントしている。
「ラドフォード タイプ62-2のゴールド リーフ仕様は真のスペシャルカーです。デザイン的観点でいうと、大型のディフューザーやホイールなど、一際目を惹くビスポークパーツの数々を装着しています。しかも、かつてF1マシンを彩った最も象徴的なカラーリングもまとっているのです。このアイコニックなマシンは12台のみの生産となるので、現在購入可能なクルマの中で最もレアなモデルのひとつといえるでしょう。その多くはすでにオーナーが決定しております」
アント・アンステッドも語る。
「今回クウェイルで公開したタイプ62-2はより過激さを増した仕様となっています。低く、滑らかで、かつパワフル。しかも、私の自動車に対する情熱の原点ともいえるエマーソン・フィッティパルディやグラハム・ヒルが駆ったF1マシンの雄がまとっていたカラーリングという、最も象徴的な“衣装”を着ているのですから」
アントはさらにこう続ける。「ゴールド リーフ タイプ62-2は軽量で速く機敏なクルマで、名だたるスーパーカーにもひけをとりません。ご期待通り、ハイエンドな仕立てが隅々まで行き渡っているのはもちろんです。そう、名門のコーチビルダー、ラドフォードのビスポークのように」
元F1王者がハンドリングを磨く
タイプ62-2のシャシーはアルミニウムと高強度カーボンファイバーで構成する。そこに搭載するパワーユニットは3.5リッターV型6気筒スーパーチャージドエンジン。ベースモデルで430bhp、ゴールド リーフで500bhpの最高出力を発揮する。組み合わせられるギヤボックスは、6速マニュアルトランスミッションと7速デュアルクラッチトランスミッション(ゴールド リーフに標準装備)である。ダイナミクス性能に関しては、ラドフォードのエンジニアによるサポートの元、かつてのF1チャンピオン、ジェンソン・バトンが腕によりをかけて磨いていくという。
ラドフォード タイプ62-2の生産は2021年後半にスタートする。デリバリーの開始は2022年を予定しているという。