アーチャー・アヴィエーションとステランティスがeVTOLを共同生産

「自動車メーカーがeVTOLを作る日は近い?」ステランティスが大規模投資した米スタートアップ企業とは?【動画】

アーチャー・アヴィエーションが開発する大型eVTOL「ミッドナイト」。ステランティスの協力を受けて、2024年から製造がスタートする。
アーチャー・アヴィエーションが開発する大型eVTOL「ミッドナイト」。ステランティスの協力を受けて、2024年から製造がスタートする。
ステランティスは、アメリカのスタートアップ企業アーチャー・アヴィエーションと、電動エアカー(eVTOL)を共同開発・製造すると発表した。アーチャーの新型フラッグシップeVTOL「ミッドナイト(Midnight)」の実用化に向けて、ステランティスは高度な製造技術や専門知識、経験豊富な人材、資本をアーチャーに提供する。

Archer Midnight

2021年にアーチャーとパートナーシップを締結

電動エアカー分野への参入を狙うステランティスは、2021年に米国のスタートアップ企業アーチャー・アヴィエーションとの提携を発表。以来、同社へのサポートを続けてきた。
電動エアカー分野への参入を狙うステランティスは、2021年に米国のスタートアップ企業アーチャー・アヴィエーションとの提携を発表。以来、同社へのサポートを続けてきた。

eVTOL開発スタートアップ企業アーチャー・アヴィエーション(Archer Aviation)は、2018年にアメリカ・カリフォルニアで設立。2020年5月には、4人乗り大型eVTOL「アーチャー」を公開した。2021年にはステランティスとのパートナーシップを発表。今回、新型フラッグシップeVTOL「ミッドナイト」の本格生産に向けて、より強力関係を深めることが明らかにされた。

今回の発表を受けて、ステランティスはアーチャーが計画しているアメリカ・ジョージア州コビントンの製造施設立ち上げに協力。2024年からここでミッドナイトの製造を開始する予定となっている。

ミッドナイトは、安全性、持続可能性、静粛性に優れ、1000ポンド(453kg)以上の積載量を想定し、4名の乗客とパイロットの搭乗が可能。航続距離は100マイル(160km)、20マイル程度の短距離を往復し、その間の充電時間は約10分でエアタクシーとしての利用も可能だ。

アーチャー・アビエーションの創業者であり、CEOを務めるアダム・ゴールドスタインは、今回の発表について次のようにコメントした。

「ステランティスは、アーチャーの商業化に向けた進捗を継続的に高く評価しています。今回、eVTOL『ミッドナイト』を共同生産するため、多大な資源を投入することを約束してくれました。これによりアーチャーの市販化が大きく進んだと言えるでしょう」

将来的にミッドナイトの大量生産を計画

アーチャー・アヴィエーションが開発する大型eVTOL「ミッドナイト」。ステランティスの協力を受けて、2024年から製造がスタートする。
短距距離のエアタクシーとしての活用が見込まれている「ミッドナイト」。ステランティスは、同社の製造施設での大量生産も計画している。

アーチャー・アビエーションとステランティスの協力関係は、実用的なeVTOLをマーケットへと投入するため、両社の強みと能力を活かすべく締結された。アーチャーは、eVTOL、電動パワートレイン、航空機認証のスペシャリストを擁しており、ステランティスは高度な製造技術や専門知識、経験豊富な人材や資本を、このパートナーシップへと提供する。

この提携により、アーチャーの商業化計画に合わせて、eVTOLの生産規模を拡大することが可能になった。さらに、製造立ち上げ段階における数億ドルもの支出を回避できるよう、ステランティスが支援することで、より商業化がスムーズに立ち上がると見られている。将来的にステランティスは、アーチャーが開発したeVTOLを独占契約製造者として大量生産することを目標としているという。

ステランティスのカルロス・タバレスCEOは、アーチャー・アビエーションとの協力関係について、次のように説明する。

「過去2年間、私たちはアーチャーと緊密に協力してきました。彼らの創意工夫とeVTOL実用化に向けた揺るぎない活動には、常に感銘を受けています。今回、アーチャーとのパートナーシップを深め、持ち株比率を高める計画は、ステランティスが地上から空まで、持続可能な移動の自由を提供するべく、限界を押し広げていることを実証しています」

eVTOL「アーチャー ミッドナイト」を動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

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