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Porsche Owner Experience
自らの愛車でPECを体験できる
誰でもポルシェ車のパフォーマンスを体感できる場所として千葉県・木更津市にオープンしたポルシェ・エクスペリエンス・センター(PEC)。2021年末のオープン以来、日本のポルシェファンの聖地のようになっている。
ただ、この施設は施設所有車両での走行のみで、個人車両での走行はできなかった。例えポルシェオーナーであっても、自分の愛車でPECを走ることはできなかったのだ。それがファンにとって唯一の不満でもあったのだが、ついにその不満が解消されることになった。それが新たにスタートした「ポルシェ・オーナー・エクスペリエンス(POE)」である。ポルシェのオーナーが自らの愛車でPECを体験できるというもので、ハンドリングトラック、ドリフトサークル、ダイナミックエリア、キックプレートの各施設を愛車で走ることができる。
インストラクターからの的確な指導を受けられる
通常のPEC所有車両での走行はインストラクターが助手席に乗ってくれるのだが、POEではインストラクターは同乗しない。その代わりにハンドリングトラックではインストラクターが先導車を運転し、走りながら無線で指導してくれるのだ。ここは決して高速コースではないが、先導車はそれなりのペースで飛ばすので、2速と3速を駆使し、リズムを意識しながら走る。ニュルブルクリンクのカルーセルやラグナセカのコークスクリューを模したコーナーを自分のクルマで走ることができるのは、ちょっとした感動だ。
ドリフトサークルも貴重な体験だった。自分のポルシェで低μ路でのオーバーステア走行をするのは初めてだったので、実に楽しかった。ホイールベースが短い993はもっと唐突な動きをするのかと思ったが、リヤの流れ出しもわかりやすく、急激にスピンに陥るという過敏さもほとんどなかったのは発見だった。インストラクターからの的確な指導によって、回れば回るほどオーバーステアを長く維持できるようになる。最後には親指の付け根が痛くなってしまったが、走れば走るほど新たな発見があり、自分の技術が向上することが実感できた。
せっかくポルシェに乗っているのなら体験するべき
他にもパイロンスラロームやフルブレーキ、キックプレートなど多彩なコースを体験できる。公道では自分のクルマで思い切り走るという機会はないし、サーキットではこれほどバラエティに富んだ走りはできない。常にインストラクターがついてくれるので、自己流に陥ることもなく自分のクルマの特性を知りながらドライビングテクニックの向上が目指せる。せっかくポルシェに乗っているのなら、是非とも体験するべきだろう。現在は月に2回のペースで開催されている。
REPORT/永田元輔(Gensuke NAGATA)
PHOTO/PORSCHE JAPAN、GENROQ
MAGAZINE/GENROQ 2023年11月号
【関連リンク】
PEC東京「Porsche Owner Experience」 https://porsche-experiencecenter-tokyo.jp/pages/92