メルセデス・ベンツが中国の公道における自動運転試験許可獲得

メルセデス・ベンツが「Sクラス」「EQS」レベル3自動運転テストを中国・北京の高速道路で開始

中国の北京の高速道路において、SクラスとEQS セダンを使った「ドライブパイロット」の実走テストがスタートする。
中国の北京の高速道路において、SクラスとEQS セダンを使った「ドライブパイロット」の実走テストがスタートする。
メルセデス・ベンツは、中国・北京において条件付き自動運転(レベル3)の高速道路走行試験免許の認可を取得した。2021年以降、メルセデス・ベンツは中国で条件付き自動運転システムの開発を続けており、中国におけるレベル3の自動運転の実走行テストの許可を得た、最初のメーカーとなった。

Mercedes-Benz S-Class

中国市場に向けた自動運転技術開発

メルセデス・ベンツは、北京と上海に開発拠点を設けており、ドイツとアメリカに続く「ドライブパイロット」の導入に向けて、精力的な開発作業が進められる予定だ。
メルセデス・ベンツは、北京と上海に開発拠点を設けており、ドイツとアメリカに続く「ドライブパイロット」の導入に向けて、精力的な開発作業が進められる予定だ。

2023年12月に中国当局から発行された認可を受け、メルセデス・ベンツは北京の指定された高速道路において、レベル3の条件付き自動運転システムの試験を開始する。今回、中国市場向けレベル3システムの開発において、関係当局と積極的に協力。中国のカスタマーに安全で信頼性の高い自動運転体験「ドライブパイロット(DRIVE PILOT)」を提供することを目指すという。

メルセデス・ベンツは、1986年に登場した「アダプティブクルーズコントロール」を起点とし、自動運転技術の開発を続けてきた。現在、世界で初めて条件付き自動運転に関する、国際的に有効なシステム認証を取得し、レベル4の自動駐車システムを導入する唯一の自動車メーカーとなっている。中国においては、レベル3システムの実証実験を2021年から続けてきた。

メルセデス・ベンツは2021年に北京、2022年に上海と、新たな研究開発センターを設立。現地パートナーとの広範な開発協力関係を拡大しており、10年以上にわたる清華大学との持続可能なモビリティに関する共同研究開発も行われている。また、2023年末までに、中国の研究開発チームを2000人に拡大する予定だという。

メルセデスAGのチーフ・テクノロジー・オフィサー兼製品開発・サプライチェーン担当取締役のマルクス・シェーファーは、今回の中国における認可取得について歓迎のコメントを発表した。

「メルセデス・ベンツは自動運転技術をリードする存在として、世界中で最高の顧客体験を提供しようと努力を続けています。ドイツと米国において、ドライブパイロットを導入した後、北京で実走試験の許可を取得したこととは、中国の道路で条件付き自動運転を実現するための重要なマイルストーンとなるでしょう。私たちは、安全で信頼性の高いシステム開発のため、グローバルな専門知識をすべて活用して、現地の研究開発チームをサポートしていきます」

アメリカとドイツで試験的に導入開始

メルセデス・ベンツが独自開発したレベル3の自動運転技術「ドライブパイロット」は、2022年にドイツで先行導入。2024年からアメリカのカリフォルニアとネバダにおいて販売がスタートする。
メルセデス・ベンツが独自開発したレベル3の自動運転技術「ドライブパイロット」は、2022年にドイツで先行導入。2024年からアメリカのカリフォルニアとネバダにおいて販売がスタートする。

レベル3の自動運転システム「ドライブパイロット」は、ドライビングアシスタンスパッケージのセンサー技術をベースに、条件付き自動運転に不可欠なセンサー類を追加。その追加デバイスには、LiDARセンサー、フロントウィンドウのアドバンスドステレオカメラ、リヤウィンドウのマルチパーパスカメラ、フロントホイールハウスの水分センサーなどが含まれる。

ドライブパイロットを搭載したメルセデス・ベンツ SクラスとEQSセダンには、ステアリング、ブレーキ、車載電子システムにも改良を実施。自動運転中にシステムのいずれかが故障した場合でも、操縦系統を維持し、ドライバーへの安全な引き継ぎが保証されている。

ドライブパイロットが作動することで、運転者は交通渋滞のストレスから解放され、車外とのコミュニケーション、ウェブ閲覧、映画鑑賞など運転以外の活動を行うことが可能になる。2022年にメルセデス・ベンツはドイツにおいて、SクラスとEQS セダンに条件付き自動運転システム、ドライブパイロットをオプション設定。2024年初頭からは米国カリフォルニア州とネバダ州において、レベル3を搭載したSクラスとEQS セダンの導入が開始される。

メルセデス・ベンツは、自動運転技術に関して、安全性に重点を置いた段階的なアプローチを採っており、2020年代終盤までに、高速道路における制限速度を130km/hに引き上げることを目標に掲げている。

「ターコイズブルー」の自動運転用マーカーライトが搭載された、メルセデス・ベンツ EQS。

メルセデス・ベンツが自動運転車に導入したマーカーライトに「ターコイズブルー」が選ばれた理由【動画】

メルセデス・ベンツは、アメリカ合衆国のカリフォルニア州とネバダ州において、自動運転用マーカーライトの使用許可を世界で初めて取得した。外部から自動運転車両であることが視認できる「ターコイズブルー」のマーカーライトは、レベル3の条件付き自動運転を可能にした「ドライブパイロット(DRIVE PILOT)」の試験車両に導入される。

2026年から電動自動運転車両「クルーズ オリジン」による、タクシーサービスが日本で開始される。

GM、クルーズ、ホンダの3社による自動運転タクシー「クルーズ・オリジン」が2026年初から東京でサービス開始【動画】

GMクルーズ・ホールディングスLLC(クルーズ)、ゼネラルモーターズ(GM)、本田技研工業(ホンダ)は、日本において自動運転タクシーサービスを2026年初頭から開始するため、サービス提供を担う合弁会社(ジョイントベンチャー)の設立に向けた基本合意書を締結した。新会社は関係当局の承認を経て、2024年前半の設立を目指している。また、自動運転専用車両「クルーズ オリジン」を、ジャパン モビリティショー 2023で展示する。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…