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Porsche 911 GT3 R
スタート7時間の段階で濃霧により中断
2024年のニュルブルクリンク24時間レースの決勝は、スタートから7時間を経た午後11時20分、レースディレクターがコースに立ち込める濃霧を受けて、安全上の理由から中断を決定。この段階で、マンタイEMAの「911 GT3 R」911号車(ケヴィン・エストレ/トーマス・プライニング/ローレンス・ヴァントール/アヤハンカン・ギュベン)は総合3番手を走行していた。
ファルケン・モータースポーツの2台、911 GT3 R 33号車(クラウス・バッハラー/ジュリアン・アンドラウアー/スヴェン・ミュラー/アレッシオ・ピカリエッロ)は8番手、34号車(マルティン・ラギンガー/ティム・ハイネマン/ニコ・メンツェル/ジョエル・エリクソン)は9番手につけている。
レースディレクターは、スタートから14時間が経った午後1時30分、セーフティカー先導でフォーメーションラップを行うようグリーンフラッグを提示。しかし、依然として濃霧は立ち込めており、特にグランプリサーキット・エリアは視界的に厳しいコンディションとなっていた。
この段階で、マンタイEMAの911号車は、序盤の赤旗が出された直前にピットインしていたため、ピットストップ規定により、BMW M チームRMGの「BMW M4 GT3」72号車(ダニエル・ハーパー/マックス・ハーゼ/シャルル・ウェーツ)を抜いて、3番手から2番手へとポジションを上げている。
マンタイEMA 911号車がIGTCで優勝
セーフティカー先導で5周を走った午後3時過ぎ、リスタートの可能性を考慮し、給油戦略の違いにより、順位が再び入れ替えられた。ファルケン・モータースポーツ 33号車は6番手に浮上し、ライオンスピードGP 24号車(アンタレス・オー/パトリック・ニーダーハウザー/インディ・ドンティエ/パトリック・コルブ)は9番手に順位を上げる。
しかし、レースが再開されることはなく、レースディレクターはフィニッシュを宣言。この結果、シェーラースポーツPHXの「アウディR8 LMS GT3エボII」16号車(フランク・スティップラー/クリストファー・ミース/リカルド・フェラー/デニス・マーシャル)が優勝した。マンタイEMAの911 GT3 R 911号車が2位表彰台、BMW M4 GT3 72号車が3位に入った。また、9位で走り切ったライオンスピードGP 24号車が、SP9・プロアマクラス優勝を果たしている。
今回のニュルブルクリンク24時間レースは、史上初めて、インターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)の一戦としても開催。IGTCに参戦するマンタイEMA 911号車が優勝を手にすることになった。マンタイEMAは2月にオーストラリアで開催されたIGTC開幕戦バサースト12時間レースで優勝しており、今回の結果を受けてポルシェがマニュファクチャラーズランキングでリードを拡大している。
ポルシェ 911 GT3 Rのプロジェクトマネージャーを務めるセバスチャン・ゴルツは、波乱のレースを終えて次のようにコメントした。
「今年の決勝はニュルブルクリンク24時間レースの歴史の中で、最もユニークなレースとして語り継がれることになるでしょう。セーフティカー先導で周回する間も、私たちのチームは、再びグリーンフラッグが振られることを想定して、最後まで戦略を微調整していました」
「優勝を狙えるチャンスがあっただけに、2位は残念な結果に思えるかもしれませんが、マンタイEMAの表彰台フィニッシュは非常に力強い成果です。また、ライオンスピードGPがプロアマ・クラスで優勝を果たしました。レースをスタートした6台のカスタマーチームのうち4台がトップ10でフィニッシュしたことは、私たちにとって大きな誇りになります」